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ただの人形が天才魔術師になるまで  作者: 戸崎猫男
第3章:ダンジョン攻略編〜ただの人形がA級魔術師になるまで~
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第57話 邂逅

~リドール視点~


はぁ、はぁ、はぁ……………

なんとか逃げ切れた。


ここは――――理想郷ユートピアか?

逃げることに夢中でいつの間にかここへ逃げてしまっていた。


『みなさん、無事ですか?』

「ああ………うっ!」


――――!?

リアバさん、なんか苦しそうだけど………………


どうかしたのかな?

ん? リアバさんの右足になにか傷が……………


――――――って!

これってヴェレオンのブレスがあたってついた焼け傷じゃん!


『どこが無事なんですか!?

全然無事じゃないじゃないですか!!』

「……………本当に、大丈夫だから安心しろ」

『安心できませんよ!』

「……………確かに、全然大丈夫じゃないな。

だが、だからといって《治癒魔法》で治癒できるものではない。

一体どうすれば………………」

『…………………』


確かに、風竜………それもダンジョンボス。

そんな上位の風竜の攻撃ブレスによる傷ならば、《治癒魔法》では治癒できない。


おそらく、《治癒魔法》の上位互換的な存在の治癒系統の魔法ならば治癒できるはず。


そして、その《治癒魔法》の上位互換の魔法を使える者がこのメンバーの中にいたらいいのだが………あいにく、このメンバーの中にはいない。


ああ…………一体どうすればリアバさんのこの傷を治せるんだ?

そう頭を抱えていた自分たちのところに、ある人物がきた。


「お前、リドールか?」


その人物の声は聞いたことのある声だった。

………その声は、ともに旅をした仲間のような声だった。


                  △△△


この声…まさか!

自分は声がした後ろを振り返った。


そこには、黒と白のハーフの髪色の青年がいた。

この人は………この人は………!


『師匠じゃないですか!』

「よっ!久しぶりだな、リドール!!」


―――――――え、ちょっと待って。

なんで師匠が理想郷ユートピア(こんなところ)にいるんだ?


『なんで師匠がここにいるんですか?』

「実は、リカエルさんはリドール(お前)が全然帰ってこないから、お前のことを心配していたんだ。

だからリカエルさんは俺にリドールがいるはずのトゥアルー迷宮に行ってきて、リドールが生きているかの安否を確かめてきて欲しいといわれたんだ。

だからここにきたんだが………………リドールが生きていてよかったよ。

これでリカエルさんに安心してもらえるな」


―――そうだったんだ。

まさか、ご主人様が自分を心配してくれていたなんて………………


もっと早く帰っていれば、ご主人様も心配しなかったのに。

―――――――ああ、自分は…………


『重罪人だ………』

「え、そんなにネガティブになることなの?」


いや、そりゃなりますよ…………って―――――。

あ、口に出してもうた。


テヘペロ(^_-)-☆


「ま、リドールを見つけられてよかったよ。

――――その前に、なんで肝心のヴィリアさんがいないの?」


――――あ。

あーあーあー。


いやー、あの人はまぁ事故って言うか?

そういうのに巻き込まれちゃって?


し、し、し――――――死んじゃったていうか?

ま、まぁそんなこんなでいないんだけど?


さすがにそれを師匠にいうのはまずいよね?

みんなもそう思うよね?


ねぇ、ねぇ、ねぇ?


※こう見えてもリドール自身、皆さまを不快にさせるような悪気はないです。(byねこ男)


まぁそういうことで、師匠には真実はいわないで適当な嘘を言っておけばいいや。


『じ、実はですねぇー。

ヴィリアさんは――ヴィリアさんは――――――――。

ヴィリアさんはトイレに――――――』

「ヴィリアは死んだ。

ヴィリアニームにナイフで刺されてな」


ちょ、ちょっと!

おいいぃぃぃぃぃぃぃ!!


なにしてるんですかリアバさん!

せっかく自分が『ヴィリアさんはトイレに行っていていないんです』って嘘をつこうとしていたのに!


なに真実を伝えているんですか!?


「え――――マジ?」


師匠は驚愕していた。

それもそのはず。


そんな簡単にヴィリアさんの――――――人の死を受け入れるはずない。

普通驚く。


逆に、人が死んで驚かないやつの方がおかしい。

そんな驚愕した師匠の問いに、リアバさんは答えた。


「ああ、マジだ」


いや、そんなあっさりいうことじゃないですよ!

――――――――もしかして、マクラの投げ合いの頃から、頭がおかしくなったんじゃ―――――。


――――――――いや、それはないな。

さすがに冗談だ。


そして、肝心の師匠の反応はというと――――――――。


「ほへ?」


壊れていた。

裏声まで出している。


まぁ、壊れてもしょうがない――――そう捉えるしかないか。

さて、問題はこの壊れた師匠をどう戻すかだ。


「リドールの師匠、どうやって正常に戻す?」


リアバさんが問いかけてくる。

ってか、そもそも師匠がこうなったのはリアバさんがヴィリアさんが死んだことをいったからだ。


だから、リアバさんにこれは責任を取ってもらいたいんだけど―――――。

そういうわけにはいかないよな。


―――――これ、ビンタで治るんじゃね?

え、なんでビンタで治るのかって?


知らん。 なぜか自分の本能が「ビンタをすれば治る!」といってくる。


『―――――ビンタでどうですかね?』


みんなは、自分のことをガン見してくる。

おそらく、自分のことを変質者だと思いながらガン見しているのだと思う。


なぜなら、自分はいきなり『ビンタでどうですかね?』と提案したのだ。

そりゃあ変質者だと思われてしまうわな。


「―――――お前、マジでいってんの?」

「一応、その人はリドール。

お前の師匠なんだろう?

ビンタしちゃっていいのか?」


――――当たり前のように、リアバさんとウリエさんが反応した。

まぁ、こんなことを聞いて、反応しない人はおかしい。


―――――――っていってしまうと、反応していないライムさんがおかしい人になっちゃうんだよな。


『はい、おそらくこれで治ると思うんで』

「お前それ、どういう原理でいっているんだ?」

『わかんないっす!

でも、なんか自分の本能がいっているんです。

「ビンタをすれば治る!」とね。

だからやります!!』

「ま、まぁ治るのならいいんだけど」

『はい、ではビンタを師匠のほっぺにやりますね!』


師匠、ごめんなさい!

でもこれも師匠のためなんです!


許してください!

おりゃあぁぁぁぁぁ!


自分の手は、師匠のほっぺにあたった。

あたった自分の手の威力はさらに強くなり、最後まで押し切った。


「パチンッ!」


―――という音が響く。

この音の影響で、自分が師匠のほっぺにビンタをしたことを再認識される。


――――ビンタは成功した。

すると―――――。


「―――――あれ? ここは一体どこだ?」


なんと、師匠は正常に戻ったのだ。

自分の意味不明な原理で、なぜか治ってしまった。


はっはっはっ!

―――――――ま、笑っている暇なんてないんだけどな。


確かに師匠は正常に戻った。

だが、問題がある。


それは――――――――。


「あなたたちは誰ですか?

――――――そもそも、俺は誰なんですか?」


なんと、師匠は記憶喪失になってしまった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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