第53話 さらば、理想郷ユートピア。そして次のエリアへ
~リドール視点~
「みんな!
部屋から出る準備はいい?」
『はい!』
「よし、じゃあ行くよ!」
リドールたちは部屋から出て、チェックアウトの手続きをし、ホテルから出た。
ふぅ、ゆっくり休めた。
さて、理想郷ユートピアともここでさようならだな。
楽しい思い出をありがとう。
その思いをリドールは胸に刻みこんだ。
そしてリドールは深呼吸をし、目を瞑り、もう一度開けた。
その目は、決意が固まった目だった。
「嫌だよぉー。
ずっとここに居たいよぉー!!」
「うるせぇ!
速く行くぞ、ウリエ!!」
「そうだそうだ」
声がした方を向いてみると、そこには泣きながらずっとここに居たいと駄々をこねるウリエと若干………………というより、無理やり行かせようとするリアバとライムの姿があった。
ウリエの声は、まさに小さい子供のような声だった。
そして、リアバはウリエに呆れたような顔をした。
次の瞬間、リアバはウリエのほっぺにビンタをした。
「痛ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
あまりのビンタの痛さに、ウリエは泣き叫んだ。
その大きな声の影響で、周りの人の視線が強くなった気がした。
笑い声も聞こえる。
それも全てウリエのことだった。
中には……………
「あの年でこんなことするの?
ないわー(笑)」
「マジでそれな」
という声も微かに聞こえたような気もした。
そしてウリエは涙を自分の腕で拭き、立ち上がった。
「やっと立ってくれた………………」
リアバはほっと胸をなでおろした。
そしてリアバたちはリドールの方へ行った。
するとリドールが……………
『ウリエさん、そんな一面もあったんですね。
意外です(笑)』
と若干煽った。
それにウリエは反論し……………
「うるせぇな!
リドール!!」
と言った。
ま、なにはともあれ。
これで準備は万端になった。
「じゃ、行くか。
次のステージへ」
リアバが一番前に行き、リーダーとして第一声を上げた。
始まるのだ。
また、あの地獄が。
ヴィリアの死、ヴィリアニームの死を体感したリドールたちはあの地獄をまた味わうことを覚悟している。
もう、ここからは理想郷なんてものじゃない。
覚悟を引き締めて、リドールたちは前へ歩いていく。
次のエリアはまた理想郷ユートピアのようなところかもしれないし。
はたまた魔物が溢れかえっている地獄絵図のような場所かもしれないし。
もしかしたらダンジョンボスがいるエリア、ボスエリアかもしれない。
死ぬ覚悟を持ちながら、彼らは死の淵を歩み続けている。
いざ、次のエリアへ。
トゥアルー迷宮攻略。
リスタートである。
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