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ただの人形が天才魔術師になるまで  作者: 戸崎猫男
第3章:ダンジョン攻略編〜ただの人形がA級魔術師になるまで~
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第50話 部屋

~リドール視点~


「では、お客様の部屋番号は105室ですので、ご案内しますね」


女性のスタッフがリドールたちを今回の部屋番号である105室にまで案内をした。

辺りを見渡すと、そこにはエレベーター、スカレーターがある。


さすが、理想郷だ。

そしてリドールたちはエレベーターに乗り、105号室へ向かった。


「ここが、105号室でございます」


このホテルは10階建て。

そして、リドールたちの部屋は105室。


105室は6階にある。

6階は部屋が連なっていて、100号室、101号室、102号室、103号室、104号室。


そして105号室となっている。


「では、私はこれで」


そう言い残し、女性スタッフは再びエレベーターに乗り、1階へ戻った。


「じゃあ、入るか」


リアバは105号室のドアノブを動かし、中へ入った。


「おお!」


105号室の中は素晴らしいものだった。

窓を透ける大都市の光景。


キッチンには包丁、まな板など、調理器具が全て整っていた。

そして、リドール、リアバ、ウリエ、ライムがそれぞれ寝れる4つの清潔なベッド。


机の上に置いてある、最高級レベルのディナー。

この素晴らしい部屋に不満を持った者はいない。


そして、このホテル…………というよりも、理想郷ユートピアの全てのホテル、全てのマンション、全ての家は無料なのだ。


これが、さらに素晴らしい点となる。


「さて、早速ディナーを食べるか!」


リドールたちはこれまでの疲れを全て癒した。

最高級のホテルで、最高級の部屋で。


くつろいだり、遊んだり、食事をしたり。

とにかく疲れを癒した。


そして、そんなことをしていると、いつの間にか就寝時間になっていた。


「ふぁあ………じゃあ、みんな。

もう就寝時間だから、ベッドに行こう」


就寝時間となり、リアバが全員にベッドへ行くようにいった。

だが…………


「なんだこれ!?

このモフモフとした触感…………癖になる!」

「ああ、それはマクラっていうらしいよ」

「へー。

あ、いいこと思いついちゃった!」


リアバはベッドに行ったが、マクラというものが気になり、寝るどころじゃなくなってしまった。

そして、なにか妙案を思いついたようだが……………


「このマクラを投げ合ったら面白いんじゃない?」


その妙案とは、リョウマの二ホンで俗にいう「枕投げ」というものだった。


『…………………!

面白そうですね!』


リアバのマクラを使った遊びに興味を持ったリドールは、枕投げをすることに賛成をした。


「じゃあ、やろうかリドール!」

『はい!』

「ウリエとライムはやらないの?」

「ああ、俺たちはもう疲れたんだ。

ゆっくり休ませてくれ」

「そんなウリエとライムにはマクラを投げてあげましょう!」

「…………………!

おまっ、やめろ!」


ウリエとライムは枕投げをするよりも、疲れを癒したく、枕投げには参加はしなかったが、リアバの悪戯でマクラを投げられた。


「くっ、こうなったら俺たちも投げてやるよ!」


そして、復讐として、ウリエは自分のベッドのマクラをリアバに投げた。


「痛っ!

…………ふっふっふっ。

はっはっはっ!

この私を痛めつけたこと、後悔させてやるよウリエ!」

「それはこっちのセリフだ、リアバ!」

「まじか、これは面倒なことになったな。

リドール、たぶんお前と私もこいつらの戦いに巻き込まれるぞ」

『へ?』


ライムの警告の意味はこの時のリドールにはわからなかった。

だが、その後すぐに理解することになる。


「おらおらおら!」

「負けてたまるかよ!!」


リアバとウリエ、両者の枕投げの戦いは2時間もの間、繰り広げられた。

そして、投げられたマクラは、たまにリドールとライムの方へ飛んできて、当たることがあった。


そう、これがライムの言っていた「巻き込まれるぞ」の意味である。


『痛っ!』

「リドール、今のでお前がマクラに当たった回数は30回を超えたぞ」

『どうりで体中めっちゃ痛いわけですか……………』


リアバとウリエの枕投げの戦いは3時間………4時間と長くなっていき、最終的に5時間続いた。

勝敗は同点。


リアバとウリエのどちらも寝落ちしてしまったのだ。


『つ……疲れた』

「リドール、お前マクラに当たった回数余裕で100回は超えていたぞ」

『まじすか!?』

「ま、私はもう寝るから、お前も寝ろよ」

『………………はい』


そして、リドールはベッドで横になり、目を瞑った。

振り返ってみれば、これまでいろんなことがあったなぁー。


霊園教の問題、ご主人様の廃人状態の問題。

オルトロスとの戦い。


そして、トゥアルー迷宮の攻略。

……………自分はあれから強くなったか?


いや、何も強くなっていない。

Lvも1のまま。


HPもMPも何も変わっていない。

スキルも《火耐性》や《火魔法》くらいしか増えていない。


これまでいろんなことがあったけど、自分は全て人任せだった。

だから強くならないんじゃないのか?


自分で戦わないから。

ずっと逃げいているから。


だから強くならないんじゃないのか?

そんなことを考えながら、リドールは眠りに落ちた。


確かに、リドールはあれから強くなっていない。

だが、何も強くなっていないわけではない。


着実に強くなっているものもある。

ヴィリアの死を、ヴィリアニームの死を体感してさらに強くなったものがある。


それは……………

心の成長、人としての成長のことである。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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