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銀の弾丸
その名も知れぬ空色の下
ぴすとるの弾丸を咥えた白い猫が走る
往く当てなく彷徨うはずだった僕の予定も
不思議に白い猫の跡を追って走る
なのに向こうからやってきた黒い犬に邪魔され
僕は僕の猫を見失って座り込む
すると黒犬は告げる
彼女は素より私のものではなく
況やおまえのものでもない
彼女を追うも捕らえるだけでは
あれに愛されることはないであろうと
利いたふうな口をきく犬に腹を立て
奴を勢いよく踏み潰したら
その潰れた腹の中から
あの不思議な猫が白々しく飛び出し
嘲笑いつつ去っていった
やはりおまえにこの弾丸を渡すわけにはいかない と
GAGA#27 2002年12月