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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第1章 等価交換のオーバーフロー 〜ジャージ姿の男、完璧な街を創って飽きる〜

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53/188

第53話:琥珀色の休息と、甘美なる対価

時計塔の最上階。窓の外には、カイトが修復したばかりの美しい街並みが、穏やかな午後の陽光に包まれて広がっていた。

大きな騒動を乗り越え、ようやく訪れた静寂。カイトは、少しだけ使い古された革の椅子に深く背を預け、タクティカル・ジャージの襟を緩めた。

「……カイトさん、お茶が入りましたよ。でも、なんだか口寂しいですね」

リアがポットを傾け、澄んだ琥珀色の茶をカップに注ぎながら、ふふっと微笑んだ。その視線の先には、何もない真っ白な小皿が並んでいる。

「……そうだな。これまでの激務で、脳が糖分を求めている。……手近な備蓄に甘味はないが、等価交換の理に従えば、無いものを嘆く必要はない」

カイトは無造作に、空間庫から金貨を一枚取り出し、指先で弾いた。

金貨は陽光を反射して宙で踊り、カイトの掌に収まると同時に、淡い青色の光に包まれて消滅していく。

「『物』の創造――対象、三名分の甘味。……対価は【お金】。……金貨1枚を、因果の天秤へ」

【物質創造:金貨 1枚 ―― 対象:『特製卵布丁プリン』三つ】

カイトが空になった小皿に手をかざすと、空間の粒子が結晶化するように集まり、形を成していった。

そこに現れたのは、陶器のような滑らかな肌を持ち、揺らすと細かく震える、黄金色のプリンだった。頂点からはほろ苦い香りのカラメルソースが滴り、皿の白さを引き立てている。

「わぁ……! すごい、本当に一瞬で……。とっても甘くて、いい香りがします」

リアが目を輝かせ、子供のように小皿を覗き込んだ。

「……ふん。あんた、そんなことにまで金貨を使うなんて、相変わらず無茶苦茶な金銭感覚ね。……でも、まあ、毒見くらいはしてあげるわ」

シルヴィアが呆れたように言いながらも、手にした銀のスプーンを迷いなくプリンへと差し入れた。一口運んだ彼女の眉が、驚きに微かに跳ねる。

「……悪くないわ。いえ、かなり上質ね。この滑らかさは、並の菓子職人じゃ出せないはずよ」

「……当然だ。私は、この世に存在する『最高品質の状態』を定義して創造した。……一切の不純物を含まない、純粋なエネルギー源だ」

カイトは、自分の分として創り出したプリンを口に運んだ。

舌の上でとろけるような甘さと、カラメルの香ばしさが広がる。それは、最強兵器を創り出す時に感じる、身を削るような緊張感とは正反対の、温かな充足感であった。

【検知:リアとシルヴィアからの「予想外の贅沢」への驚きと満足:+300 pt】

「……感謝のポイントが、こんな穏やかな形でも溜まっていく。……悪意を燃料に殺戮兵器を磨くのも効率的だが、こうして均衡を保つのも、管理者としての重要な職務だろう」

カイトの言葉に、リアは幸せそうに頬を緩めながら頷いた。

最強の魔法使いや、無双の勇者たちが血を流して戦っている間、このジャージ姿の男は、仲間たちのためにプリンを創り、茶を啜る。

一見すれば非効率な寄り道に見えるかもしれない。だが、この「ちょっとした休息」こそが、次に訪れるであろう混沌をリペアするための、何物にも代えがたい「再起動リブート」の時間であった。

「カイトさん、また何か甘いものが食べたくなったら、私が肩揉みでも何でもしますから。……次は、感謝のポイントで出せたりしませんか?」

「……ふん。お前のその言葉だけで、すでに十分な対価だ。……だが、次はもう少し工夫してみよう。等価交換の法則に、限界はないからな」

カイトは空になった小皿を眺め、少しだけ満足げに目を細めた。

明日になればまた、悪意を糧に兵器を創り、敵を穿つ日々が戻ってくる。

だが今は、この琥珀色のひと時を、ただの「カイト」として味わうことに決めた。

時計塔の鐘が、穏やかに午後の終わりを告げる。

ジャージ姿の管理者の、甘美なる無双。

それは、世界を救う戦いの合間に咲いた、小さな、しかし確かな成長の証であった。

(第52話 完)

【現在蓄積リソース:101632 pt(感謝) / 6290 pt(悪意:残債)】

【所持金:金貨 129枚】

【ギルドランク:C】

【状況:金貨と引き換えに創造したプリンで、仲間と共に茶会を楽しみ休息】

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!

カイトさんは今、集まってきた「悪意」をどうやって「ポイント」に変えようか、とっても怖い顔で計算しています……。

もしよかったら、下の【☆☆☆☆☆】をポチッとして、私と一緒にカイトさんに【感謝】を届けていただけませんか?

皆さんの応援ポイントが、カイトさんの魔法をもっともっと強くしてくれるはずです!

よろしくお願いしますっ!

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