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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第1章 等価交換のオーバーフロー 〜ジャージ姿の男、完璧な街を創って飽きる〜

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第41話:エネルギー供給の掌握と、管理者の代償

商業ギルドの役人たちを物理的に「排除パージ」した翌日。街は表面上、静寂に包まれていた。だが、カイトはその静寂の下で、次なるインフラの「最適化」という名の外科手術を始めようとしていた。

彼が向かったのは、拠点である時計塔の最深部――街全体の魔力供給を司る巨大な心臓部「中央魔導炉」の間である。

扉を開けると、そこにはカビと埃の臭い、そして不完全燃焼を起こした魔力が大気と摩擦を起こす、パチパチという不快な高周波音が充満していた。魔導炉を覆う真鍮の装甲は至る所が腐食し、魔力を運ぶ導管からは青白い火花が絶え間なく漏れ出している。

「……劣悪だな。導線の絶縁が甘く、変換効率は30%にも満たない。この街の住民が必死に納めている税(魔石)の七割以上が、ただ大気中に漏れ出して無駄に消費されているというわけだ。システムとしては致命的な不具合バグだ」

カイトは「周囲探知エコー・ロケーション」を極小範囲に絞り込み、炉内部の微細な振動を読み取った。共鳴の乱れから、内部の摩耗、魔結晶の配置の歪み、そして回路の断線を逆算していく。炉の内部を脳内の設計図と照らし合わせる作業だけでも、膨大な精神力を削り取られる。

「シルヴィア。そこに突っ立っている暇があるなら、この第一導管の接合部を力で押さえていろ。魔力の逆流を防ぐための物理的な抵抗膜が必要だ」

「……はいはい。昨日の今日で、次は地下室に缶詰めね。あんたの部下は過重労働がデフォなわけ? せめて……あ、ちょっと! 何よこの熱!」

メイド服の袖を捲り上げ、シルヴィアが配管を固定する。彼女が触れた瞬間、隷属の首輪を通じてカイトの魔力が彼女の体内を巡り、強制的な「作業補助」へと変換された。

「黙っていろ。魔力の波形が乱れる。……リペア Lv.2、事象固定フィックス

カイトは魔導炉の中央基部に掌を当てた。

カイトの魔力が精密なナノマシンのように炉の深部へ浸透していく。数十年にわたって蓄積された煤や劣化した魔導液が粒子となって霧散し、ひび割れた魔導回路が「理想的な状態」へと巻き戻されていく。

だが、相手は街一つを支える巨大インフラだ。

リペアを維持するためにカイトの体内から絞り出される魔力は、濁流となって炉へと流れ込む。視界がチカチカと点滅し、タクティカル・ジャージの内側が嫌な汗で張り付く。

それだけではない。Lv.2の「リペア」は、単なる修復を超え、現代の超電導送電網の概念を魔法的に変換し、損失を極限まで抑える「高密度伝導トポロジー」をその場に再構成する。この「書き換え」の作業こそが、最も神経を磨り潰す。

ドクン、と魔導炉がこれまで聞いたこともないような、深く重厚な拍動を始めた。

直後、街中の魔導灯が一際強く輝き、導管を通るエネルギーの純度が劇的に上昇する。有毒な魔力漏れによる異音は消え、代わりに心地よい低音の稼働音だけが地下室を満たした。

「……っ……はぁ……」

カイトの手が、魔導炉から離れる。

その瞬間、膝に力が入らなくなり、カイトはその場に崩れ落ちそうになった。

「カイトさん!?」

階段を降りてきたリアが、真っ青な顔で駆け寄ってくる。カイトの顔からは血の気が引き、タクティカル・ジャージの自動洗浄機能が追いつかないほどの冷や汗が、彼の消耗を物語っていた。

「……来るな、リア。……少し、出力を上げすぎただけだ」

カイトは震える腕で壁を掴み、無理やり立ち上がる。頭を金槌で叩かれているような激痛。大掛かりな事象の改変は、どれほど効率的な魔法であっても、術者の肉体を等価交換の代償として削り取っていく。

「ちょっと、大丈夫なの!? 顔色が幽霊みたいになってるわよ。……あんたが倒れたら、私の首輪はどうなるのよ!」

シルヴィアも毒づきながら、その実、焦ったようにカイトの肩を支えた。

「……問題ない。……供給網ラインの掌握は完了した。……リア、すまないが、今日の夕食は……少し、遅れる」

「そんなのいいです! すぐに休んでください! シルヴィアさん、カイトさんを運ぶの手伝って!」

カイトは意識が遠のく中、網膜に浮かぶ供給ログを見つめた。

ただ直したのではない。特定の個別のエリアに対する供給を、自分の意志一つで遮断できる「論理的なスイッチ」を全回路に組み込んだ。

昨日追い出した役人たちの邸宅を「文明以前の暗闇」へ叩き落とす準備は整った。だが、その対価としてカイトが支払ったのは、数日間の激しい倦怠感と、枯渇した魔力だった。

自室のベッドに運び込まれる際、カイトはリアの温かい手を感じた。

自己再生ヒール」を使えば少しは楽になるだろうが、今はその魔力すら惜しい。

「……リア。……明かりは、消すな。……俺が直した、この街の光を見ていろ」

「はい……はい、カイトさん。ずっと見てますから。だから、ゆっくり休んでくださいね」

【検知:リアからの「献身的な心配」と「祈るような感謝」:+1500 pt】

カイトは深い眠りに落ちる寸前、ポイントの増加ログを薄っすらと眺めた。

自分の体を削って得たインフラの支配と、そこから生み出される感謝。

不合理なほどの疲労感すらも、カイトにとっては「先行投資」としてのコストに過ぎなかった。

(第41話 完)

【現在蓄積リソース:15282 pt(感謝) / 8490 pt(悪意:蓄積中)】

【所持金:銀貨 10枚】

【ギルドランク:C】

【状況:街の魔力供給網を最適化。カイト、極度の魔力枯渇により休息中】

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!

カイトさんは今、集まってきた「悪意」をどうやって「ポイント」に変えようか、とっても怖い顔で計算しています……。

もしよかったら、下の【☆☆☆☆☆】をポチッとして、私と一緒にカイトさんに【感謝】を届けていただけませんか?

皆さんの応援ポイントが、カイトさんの魔法をもっともっと強くしてくれるはずです!

よろしくお願いしますっ!

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