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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第2章:管理者の実地研修(フィールドワーク)

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第107話:管理者の再定義

剥離した岩盤の奥から現れた『真銀ミスリル』の原石。

 その白銀の輝きは、カイトの持つ魔導銃『等価の天秤』の黒いフレームを青白く照らし出していた。

 カイトは躊躇ちゅうちょなく、銃を完全に分解した。

 シリンダー、トリガー、そして心臓部である魔導変換器。

 それらを平らな岩の上に並べ、原石を中央に据える。

「……リア、周囲の警戒を。……魔力反応に引き寄せられた不純物モンスターを近づけるな」

「……はい、カイト様。……三〇メートル圏内、異常なし。万が一の時は、私の脚で時間を稼ぎます」

 リアは短剣を抜き、暗闇の奥に耳を澄ませる。彼女のジャージが、周囲の岩肌に溶け込むように色を変えていた。

「……エリザ、杖を。……お前の蓄魔石ちくませきに溜まった魔力を、この原石の精錬せいれんのために一時的にバイパスする。……一気に流し込め」

「……ふん、言うわね。……せっかく溜めた『予備燃料』を他人の銃のために使うなんて、真祖としてのプライドが泣くわ。……でも、貸しにしておくわよ? ……闇の導線ダーク・ライン!」

 エリザが杖を構え、カイトの手元へ魔力を供給する。

 原石が激しく明滅し、石に含まれる不純物がちりとなって剥がれ落ちていった。

 純度一〇〇パーセントにまで高められた銀のしずくが、カイトの『事象復元リペア』によって銃の芯へと吸い込まれていく。

「……事象復元――定義上書き。……歪んだ構造を『本来あるべき理想の形状』へ固定しろ。……出力制限解除、冷却効率三割向上」

 カイトの指先から放たれた光が、銃の各部品を包み込み、再結合していく。

 かつての『等価の天秤』は、使い古された武骨な道具のようだった。

 だが、今、カイトの手元に戻ったそれは、闇の中でも微かに明光を放つ、洗練された「管理者の工具」へと進化していた。

「……終わったぞ。……エリザ、魔力を止めていい」

「……はぁ、……はぁ。……流石に、今の出力は少しこたえたわ。……でも、その銃……なんだか、見てるだけで肌がピリつくわね」

 エリザが額の汗を拭い、新しくなった魔導銃を見つめた。

 カイトは無言で銃を構え、シリンダーを回転させる。

 カチリ、と以前よりも硬質で、精緻せいちな金属音が響いた。

「……判定。……魔力伝導率の上昇により、事象への干渉速度が従来の二倍に加速。……これで、一発撃つたびに銃を直す必要はなくなる」

 カイトは満足げに銃をホルスターへ収めた。

 銀貨八枚という乏しい資金、レベルという足枷あしかせ

 それらを変えることはできずとも、カイトは自分たちの持つ「手札」を確実に、そして冷徹に強化し続けていた。

「……カイト様、外の光が強くなっています。……間もなく、街の採掘者たちが現れる頃です」

 リアの声に、カイトは頷いた。

 手には、最高品質の素材を組み込んだ最新の武装。

 そして、自分たちの痕跡を完全に消し去った「元通り」の崩落現場。

「……撤収だ。……宿に戻って、約束のトマトジュースを飲むぞ。……エリザ、お前の分のリソース補給も、この銃の安定性向上に伴い、より効率的に行えるようになったからな」

「……それは重畳ちょうじょうね。……帰り道は、おんぶしてくれてもいいのよ? 管理者様?」

 エリザの軽口を無視し、カイトは足早に坑道の出口へと向かった。

 不揃いな三人の歯車は、また一歩、この世界の「バグ」を修正するための確かな力を手に入れていた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

もしこの「ジャージ管理者の等価交換ファンタジー」を面白いと思ってくださったら、ぜひ評価の「星」やブックマークで応援していただけると、カイトの魔力と作者のモチベーションがリペアされます!

よろしくお願いいたします。

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