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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第七章 悪夢の中へ、悪夢の中へ、逝ってみたいと思いませんよ
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俺TUEEをおしつける奴は多いが、他人とってそれは悪夢でしかない(5)

「それで、勝つための方策が見つかったとはどういうことなのだ?」


 一万年前のSUBWAYの店内の再び逃げ込んだ作治に、アミーラは問いただした。


「そうだね。色々説明したいことがあるんけど。一番重要なのはここが鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナの夢の中だっていう事なんだよ」


「それはさっきあの女が説明したであろう」


「夢の中だから現実とは違う事が起きる。だから」


 作治は厨房の流しに行き、蛇口を捻ってみた。薄い琥珀色の液体が流れ出た。

 作治は食器棚に残っていた割れた陶磁器のカップにそれを汲み、植木鉢に首を突っ込まれたパッショリに飲ませてみた。


「・・・プリンセス・オブ・グランディエーナ。ですか。わずかにレモン汁。個人的にはもう少し砂糖が多い方が好みなのですが」


 喉を潤した後、パッショリはこう呟いた。


「ところで皆さん。先ほどより手足の感覚が妙なのですが」


「あー気にせんでよいぞ。少々怪我しておるだけだ。それもこれもすべて鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナを倒せばなおるぞ」


 パッショリにそう言い聞かせ、アミーラは作治に改めて尋ねた。


「で、結局のところどういうことなのだ?」


「僕の故郷のものすごおおく有名な伝承に牛乳やら蜂蜜やらチョコレートやらの流れる川が出てくる話がある」


「それで?」


「ここは鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナの夢の中だ。蛇口を捻ったら、水の代わりに彼女の好きな飲み物が出てくるのは当然だ。彼女の夢の中なんだから、彼女より強い相手が現れないのは当然だし、彼女の夢の中なんだから巨大化できるくらい簡単だ」


「で、その夢の中で妾達はどうすればよいのだ?」


「夢の中で自分自身が敗北することはあり得る。例えば、『空から落ちる夢を見る』とか、ね。つまり彼女の夢のルールに併せて行動すれば僕らは問題なく行動できる。僕らは勝てる」

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