船
作治もコーラを飲む。
そういえば、ガラスの瓶に入ったコーラを飲むのは、おそらくは産まれて初めてではないのだろうか?
コンビニで売っているコーラは、ペットボトルに入っているか、あるいは缶入りだ。
おそらくはこの世界の人々はガラス瓶をできても、ペットボトルを造る技術は持っていないのだろう。
「そういえば、沈没したザーベラ・デプリメント社の船ってどんな船だったの?」
とく理由もなく、作治はパッショリに尋ねてみた。
「どんな船、と、言いますと?」
「だから大きさとか、船の材質とか」
「材質?船は木で造るに決まってるじゃないですか。チークとかオークとかマホガニーとか」
パッショリはなぜそんなごく当たり前の常識的なことを訪ねるのか、と一瞬考えた。が、サクは魔法学科の生徒は船の建造の知識など欠片も持たないであろうと思い当たり、特に疑問に思わなかった。
「沈んだ船はローズウッド製だぞ」
アミーラはコーラの炭酸を楽しみながらそんなことを言った。まるで魔術の詠唱のようだ。
「ロ・・・なにそれ?」
「魔法学科の生徒とといえでも見たことなくても不思議ではないな。魔王領でしか伐採できない植物だ。重厚な茶、若しくは赤茶色をしておるな」
「頑丈なの?」
「木材としては普通だ。最大の特徴しては『あらゆる魔法攻撃を遮断』することであろうな」
「あらゆる魔法攻撃を遮断?」
作治は怪訝そうな顔をした。
「まぁそんなに驚くことはないぞ。所詮は木材だ。油瓶を投げて火を近づけるとしっかりと燃えるからな。地方によっては家の材料やタンスや薪などにしておるからな」
「でも、魔法攻撃を遮断するんでしょ?」
「鎧を造れるわけではないしな。ウッドアーマーなど、お主装備したいと思うか?」
防具としての価値はお鍋のフタと同レベル。ということらしい。鉄の剣どころかたけざおの一撃を防げるかどうかも疑問である。




