6話
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―――落ちて落ちて、落ちていく。
妙な黒い塊に引きずり込まれて、早……十分か何時間か。正直、暗すぎて落ちすぎて時間感覚が麻痺してくる。
これいつまで落ちてればいいのぉぉぉぉぉ!???っていうか、これ落ちてるんだっけ??
「………ダドラ―どこーー?」
「―――きゅーーー」
微かに返事が返ってきた。え?ダドラってば、近くに居るの??
手を伸ばしても、目を凝らしても、掠りもしない。まあ、声が聞こえるのは元気な証拠……ってことでまあいいか。
しっかし、ここは一体何処なんだろうか。
サラもいなければソラン君もいない、相談できる相手が一人もいないこの空間で、考えるには私の頭では限界に到達しそう。というかもうしてる。
「だぁれかぁーーーいませんかぁぁーーー」《―――かの…》「なーんて、いるわけないか―――」
………あれ?今、なんか返事されなかったワタシ????
「………だ、だれかいるの……?」
《わらわを呼んだかの?》
―――だ、だだだだだだだだれかいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
嘘でしょ、私、誰もいないと思って言ったのにぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
独り言的なアレでアレだから返事とかいらないんですけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?????
《む?呼んでおらぬのか?……では眠りにつこうかの》
「ちょ、ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
今にも眠りにつきそうな声の主を引き留める。
ちょっと、いや大分、いやかなり怪しい存在な声だけど、いないよりはマシ、なはず!!!!
この暗くて落ちてるんだかなんだかわからん空間で、唯一の変化点だ。
寝させてなるものかぁぁぁぁぁ!!!
《なんじゃ、聞こえておったのか》
「はいはい!聞こえてます、めちゃくちゃ聞こえてますぅぅぅぅ!!」
見えないかもしれないし、此処に居ないかもしれない存在へ、手を挙げて主張する。
暗くて相手に見えない可能性はあるものの、まあ要は気分だ。
《早う返答したもれ。寝てしまうところではないか》
「いや、ちょっとびっくりしちゃって………」
文句を言われた。ぴしりと、間の抜けた幼子に言い聞かせるかのように、お叱りを受けた。
……こんな訳わからん状態で、発狂もせず返事をしただけでも褒めて欲しい。そう思うのは、我が儘なのだろうか……。
《それにしても、懐かしき場所よのう》
「な、懐かしい?………と、言うことは、ここがどこかご存じでっ!?」
おおおおおお!!!なんか解決の糸口がぁぁぁぁぁ!!!
お願いします、私をお導きくだされ見も知らぬ謎の声の方ぁぁぁぁ!!!
《――が存在する――の、………すまん、其方に説明が出来ぬ》
「え、ええええええええ!!なんでぇぇぇぇぇ!!!」
《其方との会話は全て、其方の知り得る言語と理解を使っておるがのう………概念すらないのでの、無理じゃ》
……随分はっきりと、私の根本から無知って言われたのは、まあ百歩譲っていい。
ここが何処かっていうのも重要だし知りたいけど、まあ二百歩譲っていい。それよりも。
「こ、ここから出る方法、わかります!!!??」
《………叫ばずとも、わらわには聞こえておるが》
存外に迷惑そうな声で言われた。
だって、この暗闇の中で距離感なんてどのくらいの声量で伝わるかなんて、わからないものぉぉぉぉぉ!!
それにそれに、こんな上も下も横も何もかもが見えない解らない場所で、平静なんて保ってられないからぁぁぁ!!
《ふむ、なるほどの。では其方の世界を、仮にではあるが組んでやろう》
へ?と間抜けた声を私が出すと同時に、いきなり目の前が明るくなる。
うぅぅ………ま、まぶしい………。
塗り固められたような暗い空間から一転、光が目に飛び込んできて痛い。目に光が染みる、ううぅ。
目を慣らそうと瞬きを繰り返して、ようやく痛みを感じなくなったので、そっと辺りを見る。
「―――え、ここどこ」
ぽかり、と口を大きく開けてしまう。淑女にあるまじき顔だと思うが、大丈夫、いくら淑女でもこの一連の出来事で淑女らしく振る舞えまい、って何を言ってるかもはやわからなくなってきた。
………のは、置いておいて。
目の前に広がるのは、どこぞの豪奢な王宮か、はたまた厳粛な神殿か。
さっきまでの暗闇一辺倒とは違って、左右に壁のある廊下に居た。……居る……いるぅぅぅ!?!?!?!
え、ちょ、ええええええええぇぇぇ!!??
さっきの暗闇の謎も解明されないうちに、新たな場所に移動してるぅぅぅぅ!!!!なんでぇぇぇぇ!!!
驚きの連続を受け止め切れないあまり、両手を震わせていると、軽い衝撃と共に何かがそこに落ちてきた。
「きゅるぅ!!」
「っび、びっくりしたってダドラァァァァ!!!ダドラが居る見えるぅぅぅぅ!!!」
《騒がしい奴よのう………》
呆れた声が頭上から降ってくる。
ちょっと待ってください。今ダドラで驚いているところなんで、順番守って待っててください。
そんな私のささやかな頼みも素通りされ、私とダドラの上に影が落ちた。
………う、上に、なにか、いる………!?
恐れしか抱けない私は、何の恐れも抱いていないダドラと、一緒になって声の方向へ見上げる。
《少しは落ち着いたかの?》
―――そこには、きらきらとした、ダイヤモンドのような鱗を纏った、ドラゴンのか、お。
「きゅう!!」
「あ、ああああ、あの時の、帝国、へへへび!?いや、どら、ドラゴンだぁぁぁぁぁ!!!!」
《忙しない奴よのう………》
いやいやいや!!……いやいやいやいや!!!
頭上から巨大な蛇ドラゴンの顔で覗き込まれて、落ち着ける人間いないからぁぁぁぁ!!!!ハ、ハヤクココカラダシテェェェェ!!!
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《―――で、落ち着いたかえ?》
「……………とりあえず、叫ばない程度には」
《まったく、空間を固定するのは難儀ゆえ、存在値がたんと減ってしもうたわ》
「ええと、ありがとうござい、ます?」
《謝意が足りぬ気がするがのう……まあよいか》
申し訳ないね、足りてなくて。なんたって、何をありがたがればいいか、こちらはさっぱりなものでね!!
それでも、仕方のない奴だなと言わんばかりの視線を受けて、有らん限りのありがとうをひねり出したのだけれど!!
だがしかし、抗議をしようにも、不満げなドラゴンという存在を前にしては必死で話を逸らさざるを得ない。無念。
「その、ええと、あれですよねお久しぶり?ですね、その節は、えっとどうも??」
《……疑問符の多い奴よのう……》
おっと、目の前の蛇ドラゴンの視線がどんどん失礼なものになりつつあるぞ??
だが指摘しようにも私は人間、あちらはドラゴン。質量的な意味で負けているのだ。……更に話題転換をしなければ!!!!
「ソンナコトナイデスヨーキノセイデスヨー。ところで何とお呼びすれば?」
《……………ではあ奴にあやかって、金剛龍、とでも呼んでもらおうかの》
名前を教えてもらえた。そして、話題も切り替わった、多分。
ドラゴンに気を使われたとか、そんなこと決してない、多分。
「では、金剛龍様。ここが何処か、なんで私がこんなところに引きずり込まれたんだあの黒い塊後で締める、は置いておいてですね」
《う、うむ》
「外に出る、で表現があってるかわからないですが、元居た場所に私とダドラ、戻れます?」
そうそう、そこなのさ!小難しいことは一旦横に置いて、というか私には理解できないだろうから後で頭良し組に解説してもらおう!
最優先事項はそう、強力な協力龍を手に入れたのだから、脱出一本に絞るべきだろう!ああ、私カシコイ!!!
《―――ならば、先へ進むしかないの》
そう鼻先で示されたのは、廊下の暗闇の中。
延々と続いているようにみえる、靄が掛かって全く外が見えない窓のある、謎の廊下のその奥。
―――え、ココを?物凄く歩かなきゃいけなそうな、このなっがーい廊下を??
「きゅるぅ?」
思わずダドラと一緒に金剛龍様を見上げれば、勘違いのできない勢いで溜息を吐かれた。ドラゴンに。
《其方が選択したいのであれば、先へ進むしかない》
ちょっと強めにまた言われた。先に、か。
そう言われて、再び廊下を見る。………見直したところで、目を凝らしても願いを込めても、暗いままの廊下。
―――え、ちょ、先ってどこまで行けばいいんですか、終わりが全然見えないんですけどぉぉぉぉ!???
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※無事着地した主人公。以下読まなくてもOKな作者の叫びです。
作者「――だからね?なんでそんな身の回りの不思議をスルーするの??」
ルルリーア「いや、だって無事だし」
作者「そのね?無事なのには理由があってね??ダドラがなんで居るかっていうとね?あなたの精神を守っていたわけでね?触れなかったのはあなた、ずっと肉体がなかったわけでね?」
ルルリーア「へー」
作者「それでね?なんで金剛龍様が顕現したかっていうとね?あなたの肉体を構築して守るためなわけでね??あとそれだけじゃなくてね……」
ルルリーア「へー」
作者「だからぁぁ!!興味持ってよぉぉぉぉ!!!」
(主人公の興味不足のため永遠に語られない理由をここで叫ばせてください。なんで興味もってくれないのぉぉぉぉ!?!?)




