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神様……  作者: はるひ
序章

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1/7

建国神話

 昔々、世界は五人の神々によって治められていました。

 神々は仲の良い兄弟でした。

 一の君は太陽神。

 二の君は月の神。

 三の君は闇の神。

 四の君は風と火の神。

 五の君は大地と水の神。



 原初、大帝の手によって太陽と月が創られました。

 昼を太陽が、夜を月が照らし、光ある傍らで闇が生まれました。

 生きとし生ける者に深い安らぎを与えた闇の懐で、風と火が芽吹きました。

 そして、地上を三日三晩焼きつくした業火によって、清涼な水に恵まれた新しい大地が生を受けたのです。


 太陽と月は、闇の奥ゆかしさと優しさを慈しみ、ことさら闇を愛しました。

 風と火も、大地と水も、その温かな安らぎゆえ、誰よりも闇を愛しました。


 やがて神々の三の君に対する愛は狂おしいほどに深くなり、彼らは三の君を誰の目にも触れぬよう隠すことに決めたのです。

 そうして闇の神は、人々の記憶から抹消されてしまいました。

 彼女は嘆きました。

 兄弟たちの狂気に怯え。

 彼女は哀しみました。

 兄弟たちの愛を憐れみ。

 閉じ込められ、存在を消されても、彼らの想いを突き放すことができず、優しい彼女はただ静かに涙を流しました。


 やがて幾星霜もの時が過ぎ、彼女は次第に衰弱し、最期には眠るように息を引き取りました。彼女が息絶えたと同時に、彼女の身体は跡形もなく消えてしまいました。

 死ぬはずのなかった神の存在が失われ、残った神々は驚愕しました。

 最愛の三の君を失って初めて、自分たちの行いの非道さを悔いました。


 けれど、すべては遅すぎたのです。

 それ以降、世界に闇の神が降り立つことはありませんでした。

 この世界のどこにも、愛しい者の姿を見つけることはできませんでした。


 嘆き悲しみ、心を入れ替えた神々に、世界のすべての理を統べる大帝は寛大なご慈悲を与えます。兄弟殺しとして神の地位を剥奪され幽閉される運命だった神々を、地上にお遣わしになったのです。


 神々はそれぞれ、人間となって王国を築きました。


 一の君エリュ―シオンは太陽の国エリュ―シャを。

 二の君セスティリアスは月の国セティリアを。

 四の君ヒルシウスは火の国ヒルシアを。

 五の君ユークレシオンは水の国ユーレシオを。


 それが今に繋がる四大国建国の物語なのです。

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