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Second Earth Online  作者: ジャック
第2章
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36/37

ラーメン屋【竜馬】

『屋台開いたから、食べに来いよ。』


ユージ達と今日は何しようか話していたら、マサさんからチャットが来た。

とうとう屋台を手に入れたらしい。


「マサさん、屋台始めたんだな。食べに行くか?」

「うん。行きたい!」


ユージの提案に、リコは乗り気だ。

俺とテルも賛成である。決定だ。


マサさんの屋台は、商店街の近くにあるらしい。


・・・・・


「こんな所あったんだな・・・」

「多分、今回のアップデートで追加されたんじゃないか?」

「結構賑(にぎ)わってるね。」


マサさんから指定された場所は、商店街から横道に入った広場だった。

地面に芝が生えていて、周囲には木が植えてある。公園のようだ。


屋台は10店舗ほど開いていた。

周囲にはどの店にしようか選んでいる人や、買ってその場で食べたり、近くにある木の長椅子で座って食べたりしている人がいる。


クレープ屋、アイスクリーム屋、ハンバーガー屋、牛丼屋・・・

あっ! あのラーメン屋かな?


ラーメン屋の屋台は2台ある。

片方の屋台では、赤いパンダナを付けたオッサンが麺の湯切りをしていた。


「あれ、マサさんじゃないか?」

「多分、そうだね。」

「行ってみれば分かるだろ。」


赤い暖簾(のれん)に【竜馬(りゅうま)】と黒い文字で書いてある屋台に来た。

丸椅子が5つあり、店の前に2人客が並んでいる。

近くに行くと、ラーメン屋独特の醤油のようなスープの匂いがした。


料理していたのは、やはりマサさんだった。今、トッピングを乗せている所だ。


「マサさん。来ましたよ。」

「こんにちはー。」

「ちわーっす。」

「おう、よく来たな。今、他の客の料理作ってるから、少し待っててくれ。」


そう言ってから、マサさんはラーメンを仕上げ、お客に渡した。


「結構忙しそうだね。」

「うん、繁盛してるみたいだ。俺達、邪魔だったかな?」

「邪魔だったら、呼ばないだろ。」

「すまん。待たせたな。」


マサさんが、緑色の前掛けで手を拭きながら話しかけてきた。

VRだから、汚れはないと思うんだけど。癖(くせ)かな?


「忙しそうですね。」

「ん? ああ、今の客か。NPCだよ。屋台を開けていると一定の時間で来てくれるんだ。お客が来ないと利益が出ないし、何よりつまらないだろ? だから、救済措置としてNPCが利用してくれるんだ。」

「それなら、高額にしたら儲かりませんか?」


原価の10倍か100倍で売れれば、すぐにお金がたまっていくだろう。

お客はプレイヤーではなく、NPCだ。


「あー、それは料理の腕と、料理自体の組み合せの評価が高ければ可能だがな。結構シビアでな。俺の今の料理だと、原価ギリギリでないと客は来てくれん。」

「そうなんですか。」

「現に、向こうのハンバーガー屋にまだ客は来てないぞ。高すぎるものを出したか、評価の低すぎるものを登録したかだな。ありゃ。」


お客が来ないか。それはそれで気になるな。後で見に行こう。


「マサさーん。話しはいいから、料理作って下さいよー。」

「おっと、そうだったな。メニューから選んでくれ。」


マサさんからメニューを渡される。

ラーメンは醤油、塩、味噌の3種類と、それらのミニチャーハン付きのセットメニューだ。

出来上がりの画像とカロリーが書いてある。カロリーって意味あるのか?

値段はラーメン単品が500G。セットメニューが800Gだ。


「すみません。このカロリーって何ですか?」

「ああ、それは料理の評価に影響するものでな。あまり気にしないでくれ。」

「そうですか・・・」


どうやら、リコはカロリーが気になるらしい。

育ち盛りだから、気にせず食べた方がいいと思うけどな。

ここで食べたカロリーは、意味ないけど。


俺は醤油ラーメンとミニチャーハンのセットを選んだ。

ユージとテルもセットメニューだ。

リコはカロリーの一番低い塩ラーメンを単品で頼んでいた。


すぐにマサさんが用意してくれる。

5分もたたずに全員分が出来上がった。


『いただきます。』

「プレイヤーに食べてもらうのは、初めてだからな。感想聞かせてくれよ。」


海苔とシャーチュー、ネギが入ったオーソドックスなラーメンだ。

味はあっさりしていて美味しい。チャーハンもぱらっとしている。


「美味しいですよ。」

「うん、ウマい。」

「そうか。良かった。となると、やっぱり評価を上げるには、レベルを上げるか品質の良い素材を・・・」


マサさんは嬉しそうだが、何やらぶつぶつと言い出した。


「そういえば、次の予定だがな。王都へ行かないか?」

「王都?」

「ああ、今回アップデートで追加された都市の1つだ。ここよりも色んな店や建物があるぞ。」

「へー。いいんじゃないかな。」


王都か。ログインの時に出てくる城下町かな?

此処(ここ)だけでも十分店はあるけど、まだ始まりの町なんだよな。

行ってみたいな。装備も買い替えたいし。


「俺も行きたい。」

「ボクも。」

「よし、決まりだな。徒歩で行くのと馬車があるが、どうする?徒歩だと1時間位で着くけど、馬車なら20分位だな。1000Gかかるが。あと、徒歩だと山賊が出ることがあるらしい。」

「山賊!?」


穏やかじゃないな。

山賊ってNPCだよな。まだレッドプレイヤーって見かけたことないし・・・


「馬車がいいかな。」

「俺もそう思う。」

「だよな。西門の所に王都行きの馬車があるから、食べ終わったらそこ行くか。」


ユージは食べ終わったようだ。速い。

というよりも、俺以外、皆食べ終えている。俺が遅かっただけのようだ。


「おっ。何だ? 王都へ行くのか? 何か珍しい食材があったら、買ってきてくれよ。」

「分かりました。どんなのがいいですか?」

「うーん。キャビアとか、フカヒレとか・・・」

「屋台のラーメンで使うんですか? それ。」



帰りの途中にハンバーガー屋を見たら、バンズ(パン)の中身が黄色い直方体3個だった。

あれは、食べたくないな。


屋台のラーメンって、店内より美味しそうですよね。


次回 王都へ行く予定です。

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