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Second Earth Online  作者: ジャック
幕間
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29/37

釣りしようぜ1

差出人 ユージ

題名 釣りしようぜ

本文 今度の日曜日10時にフロンティア北門に集合な。

   テルとリコも来るぞ。


一昨日(おととい)来たメールだ。「絶対行く」と返信しておいた。

俺は釣りをしたことが無い。初めての経験である。

とても楽しみだ。



――当日、俺達は北の森の湖に来ていた。

釣りをしている人がちらほら見られる。5人程度だろうか。


話し声が聞こえると、邪魔になるかもしれない。

少し離れた場所で、釣りをすることにした。



「よし!この辺でいいか。」

「泳いでいる魚が見えるね。」

「うん。ここでいいと思うよ。」


20m程離れた所に、小さな魚が群れて泳いでた。

遠くでは、何かが泳いでいる影が見える。


俺達は釣り具をセットし始めた。

今回俺が購入したのは、【万能竿】という竹でできた釣り竿である。

リール(釣り糸をくるくる巻くヤツ)とウキ(釣り針の目印に水面で浮かぶもの)とオモリ(水中での固定用の重石)が付いて、3000Gした。

今の俺には、大した負担ではない。


右隣を見ると、ユージとテルは黒い金属のような釣り竿を持っている。強そうだ。

左隣を見ると、リコは木でできた釣り竿を両手で持っている。和(なご)んだ。


餌を付ける。ワーム(ミミズ)だ。

現実なら絶対に触れないが、アイテム欄をクリックすると勝手にセットされた。


振りかぶって投げてみる――20m位飛んだが、大きく右にずれてしまった。


「おいおい。投げたい方向をよく見て投げろよ。振り方はこうだ、こう。」


ユージが実際に投げると、100m位先に真っ直ぐ飛んだ。

手慣れている。経験者なのだろう。


4,5回振ると段々真っ直ぐに飛ぶようになってきた。

ただ、距離は30m位しか飛ばない。


近くにいる小魚の群れに寄せてみた。

お、1匹近寄ってくる魚がいる!

くいっ! くいっ! とちょっとずつリールを巻き、おびき寄せる・・・来た!


ぐっ! と大きく釣り竿の穂先がしなる。

小さな魚だと思ったのに、すごい力だ!

懸命にリールを巻くと、少しずつ魚が寄って来た・・・今だ!


大きく振り上げると、魚を釣り上げることに成功した。

『フナを手に入れました。』


手のひらサイズだ。ぴちぴち跳ねている。

どうやって仕舞えばいいんだろう? と思っていると、魚が消えた。

アイテムストレージに入っている。


これ、結構楽しいかもしれない。



・・・・・

30分位の間に、5匹釣れた。

全て小魚だが、大漁だ。とても気分がいい。鼻歌を歌ってしまいそうだ。


リコも2匹釣っている。ユージとテルはデカい魚を釣っていた。

さっきユージが釣っていたのは、80cmくらいあった。

よく釣れるな、あんなでかいの。



こなれてきたので、リコに話しかけてみる。


「ここに来ると、前に泳いでたの思い出すよな。」

「あの時ジンク、ボクの事放り投げたよね。」


リコが、薄く笑いながら答える。

しまった!話題を間違えた!


「ごめんって。あの時、謝ったじゃないか。」

「今度は、ボクの事放り投げないでよね。」

「そんなことしたら、僕とユージで魚の餌にしてやるさ。」


右から、テルが口を出してきた。ひどい!


「ふふっ。まぁ、あれはあれで楽しかったけどね。」


え!? 俺、あんなに反省したのに・・・楽しかったの?

リコに耳打ちする。


「もう一回、投げた方がいい?」

「怒るよ?・・・・・!?」


リコの釣り竿の穂先が大きく歪む!大物のようだ!


「ジンク!手伝って!」


俺も後ろからリコの釣り竿を一緒になって引っ張る。すごく強い引きだ!

ユージとテルも駆けつける。


俺はユージと交代した。

テルは網をもって待機している。


少しすると、影が現れて来た。

四角い。魚ではない?


リコとユージが引き上げると、そこに現れたのは――木でできた宝箱だった。


「宝箱?」

「珍しいな。あけてみろよ。」


リコが宝箱を開けると、そこに入っていたのは本だった。


「本?」

「魔導書みたい・・・これ、【キュア】の魔導書だ!」


治癒術師の魔導書だったようだ。

釣りで魔導書が手に入ることがあるのか。



「なんか、釣りって雰囲気じゃなくなっちまったな・・・よっしゃあ!」


ユージが装備を外していき、ステテコ1枚になる。

どうしたんだ? 急に。男の裸なんか見たくないぞ。

ユージの右手には銛(もり)がある。銛?


ユージは銛を片手に湖へ走って行った。

そのまま湖の中に飛び込む。


3分くらいして、「とったぞー!」と言って、湖面から顔と銛に刺さった魚を出してくる。

面白そうだ! 俺もとったぞーしたい!


ユージが戻ってくると、次はテルに交代した。

テルも10分位で魚を捕ってくる。

次は、俺の番だ!



――とったぞーは、できなかった・・・

あいつ(魚)等(ら)、速すぎるんだよ。俺のAGIじゃ追いつけない。

くそっ! いつかリベンジしてやるからな!


リコは、やはり湖には入りたくないようだ。

銛を渡そうとしたら、断られた。


結構いい時間が経ってしまった。

もうそろそろ調理を開始しないと、食べる時間が無くなりそうだ。


「料理、どうしようか?」


俺達は料理人ではない。

料理のできる知り合いなんて・・・あ!

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