新しい武器
やっとテスト終わった、超疲れた。
俺は今、イリスと町の中を歩いている。町を歩いているといっても目的無しに歩いているわけではない。この前の戦いで壊れたイリスの剣を買いに来たのだ。
「着いたわよ」
「え!ここ!」
俺の前にある店はどう見てもいい店とは言えないボロボロの小汚い鍛冶屋だった。
「テレスいる?」
「はいはい、いますよ〜」
奥の部屋から赤髪の巨乳美人が胸元を大胆にあけた服で出てきた。おう!マウントフジ!
「あら、イリスちゃん。今日はどうしたの?」
「剣が折れてしまって」
「あらあら、それは大変……ところでその子は?もしかして彼氏?」
イリスはまるで真っ赤なトマトのように顔を真っ赤にした。
「ち、違います。彼は私と一緒で冒険者をやっているカゲト、私の友達よ」
「どうも、カゲトです」
「ふ〜ん、その反応あやしいな〜。カゲトくんだっけ正直に言っちゃいなよ」
テレスさんは指で俺の頬を突いてくる。その時、俺の腕に柔らかいものがあたった。その柔らかいものはあたったり、離れたりを繰り返す。
これが戦いなどでよく使われるヒット・アンド・アウェイか……おそるべし。
俺はその柔らかいものを堪能して……ゴホン、鬱陶しいなと思っていたら、イリスが『む〜』と言いながら上目遣いで俺の袖を引っ張ってくる。
なんだこの可愛い生き物は……いかん、いかん、落ち着け、こういうときは呪文を唱えるんだ。俺はロリコンじゃない、ロリコンじゃない、ロリコンじゃ、ロリコン、ロリコン、俺はロリコン。よし、大丈夫俺はロリコンだ……ダメじゃねーか。
「カゲト、カゲト、カゲトってばー!」
「ふぇ!ど、どした」
「なに、ボーとしてんの」
「ちょっと、考え事してた。それよりテレスさんは?」
俺は周りを見渡すが何処にもテレスさんの姿がない。何処に行ったのだろうか。
「テレスならいい武器があると言って、倉庫にむかったわ」
「そうか。そういえば、俺、イリスのスキルとか知らないんだけど見せてくれない?嫌なら別にいいけど」
「い、嫌じゃない!」
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名前 イリス(女)17
種族 人族
職業 剣士
属性 無
《スキル》
剣術 家事
《固有スキル》
転移魔法
ランクS
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「スキル少なくないか」
「スキルなんて2、3個ぐらいしかもってないわよ、固有スキルは持ってる人がすごく少ないのよ」
なるほど、そんなに固有スキルは珍しいのか、俺らは全員持ってたのにな。
「持ってきたよ」
テレスが倉庫から帰ってきたようだ。
「これはね、風属性の剣なの」
「風属性?なんだそりゃ」
「風属性の剣はね、切れあじがとても良くて、使っている人のスピードも上がる優れものなのよ」
「へぇー」
俺は横にいるイリスを見てみると、目をキラキラ輝かせていた。俺もゲーム買ったときこんな目をしていたな。
「ところでカゲトは買わないのか?」
「俺、武器つかえないからな」
「じゃあ、グローブにしたら?」
「グローブ?野球で使うアレか?」
野球のグローブで戦うのか?なにキャッチするんだよ。愛でもキャッチするのか?
「ヤキュウ?ヤキュウがなにかは知らないけど、要するに手袋の戦う用ってことよ。少なくとも素手よりましよ」
「じゃあ、買います」
「毎度あり〜、また来てね〜」
俺はテレスさんにまた来ると言ってマウントフジを後に……ゴホン、店を後にした。
俺たちは無事にイリスの剣と俺のグローブを買い我らのマイホームに帰った。