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第95話 どうみてもこれって廃墟じゃねーか…

「なぁ、この家…ちょっと贔屓目ひいきめに、いや大分見てもボロ過ぎやしないか?」

 

「そんな…これ本当に人住んでるんですかね?」

 

「だよなぁ…」

 

 俺達は酒場を後にし、クラリが言うミールの家まで来てみたのだが…

 

「うーん、なぁ? 本当に此処なのか?」

 

 クラリはミールが書き残したという地図を真剣に見て、うなって首をかしげている

 

「やっぱり、どう見てもここで合っているんですが…」

 

 やっぱりって言われてもなぁ、言っちゃ悪いがどうみても廃墟だ

 大きさだけなら立派なものだが

 

 ミールの家?はハッキリ言ってかなりデカかった、普通の一軒家を想像して貰いたい、単純にあれが4つほどくっついたレベルの屋敷だ。屋敷を囲うように塀があり、大きな門が付いていて中を見る限り結構な広さの庭がある。村を歩いてきたがこれほど立派な建物はそうは無かったと思う、貴族とか名家とか言われても信じてしまいそうだ

 

 …ただ荒れ放題な訳だが

 

 それもただ荒れていると表現すると語弊がある、すっごく荒れているのだ。庭の雑草は俺の腰当たりまで伸び放題で軽いジャングルと言ってもいい、その雑草の奥に見える屋敷は窓が割れ、壁にはツタが巻き付き、外はこんなにも晴れているのに部屋の中は吸い込まれそうな暗闇が佇んでいるのだ

 

「これ入らなきゃダメか?」

 

「せっかく来たんですし…」

 

「そっかぁ」

 

 酷く気が進まないが、確かにこの惨状を見てしまうと少し心配になってくる、普通に実家で休んでいると思っていたのに実家がこの有様じゃなぁ

 

「あっ、凶夜さん開いてますよ!」

 

 気が付けばクラリが門の所で何かしていた、門はよくある鉄格子が縦に並んだ隙間のあるタイプのものだ。そしてクラリの手には’格子の外れた’門が握られていた、恐らく金属が腐食して脆くなっていたのだろう

 

「お前それ…」

 

「…なんか掴んだらボロってとれちゃいました…」

 

 本当にこれ大丈夫なんだよな?

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