表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/98

第91話 カエルって割と可愛いと思ってる?

累計4万アクセスありがとうございます

4月中にKindle販売予定です

「ああぁぁぁ、助けてくれ! おい見てないではやくっ」

 

「しょーがないじゃないですか! 魔眼は相手の目を見て発動するものなんですから、ていうか凶夜さん自分でなんとかできるでしょ、何涙目で逃げ回ってるんですか」

 

 さっきから全力で逃げている俺を見て、クラリがため息交じりに呟く

 

「お前がどうしてもクエストが受けたいつーからビックカエルのクエスト受けてやったんだろーが、任せてください雑魚です!とか言ってただろーが! 後でぜってー泣かせてやるからな」

 

「なっ、そんな言い方酷くないですか!? …あ、あー、集中出来ないなぁ、これはまだ時間がかかりそうですねぇ」

 

「てめぇっ!」

 

 村の外の広大な草原から少し歩いたところにある水辺、そこは美しい草花が生息し、見上げれば青い空が広がる、平和な日本であれば休日に観光客で溢れるであろう素敵な場所だ

 …そう、ここが日本だったらだ…だがここは異世界、そんな素敵スポットにも、およそ5メートルはあろうかという巨大なカエルが餌を求めてぴょんぴょんと跳ねている

 

 …そして俺はそのカエルから全速力で逃げ回っていた

 

 一方クラリは少し離れた所から俺を追いかけるカエルをひたすら見つめている

 魔眼は相手の目を見なければ発動出来ないのは分かるが…これ、俺が囮になってたらクラリとカエルの目が合うわけがないよなぁ、魔眼…発動出来ないんじゃないか?

 

 いつまで経っても発動しない魔眼とは裏腹に、カエルは確実に俺を追い詰めていく

 

「すまん、俺が悪かったから早く助けてくれぇっ、さっき気が付いたんだけどコインがないんだよ! 今俺はスロットが使えないんだよぉ!」

 

 そう、コインが無いのだ、凄く重要だから2回言わせて貰う

 

 今回もクエストを受けてカエルを見たとき「うわぁ、なんだこれ俺の知ってるカエルじゃない…こわい」と恐怖を感じたものの、「まぁスロットがあればなんとかなるだろ」って思ってました、正直なめてましたすんません

 

 スロットのレバー倒しても何も起こらなかった時の恐怖はホントもうヤバかった、まさに蛇に睨まれたカエル…いや、カエルは向こうなんだが

 

「はぁ、しょうがないですね、いいでしょう! 見せてあげましょう、私の本気ってやつをっ…へぶっ」

 

「へぶ?」

 

 カエルから逃げながらクラリの方を横目で見る、…さっきまで俺の事を馬鹿にしていたクラリの姿はそこには無かった

 

 何が起こったのか分からなかったが

 その疑問は一瞬で解決した、よく見なくてもそこには俺を追いかけているカエルとまったく同じ個体が居たからだ……そりゃそうか、カエルだもんな1匹いたら他にもいても可笑しくない、討伐依頼数が1匹だったもんだから油断していた

 

 そう、そして…クラリが姿を消して、そこにカエルがいるということはつまり…

 

 分かっていながらも、恐る恐るカエルの口元へ視線を向ける

 

 うわぁ…もごもごと口を動かしとる…

 

「だぁぁぁ、お前が食われてどーすんだぁぁぁ! こんな魔物で全滅とか洒落にならねーぞぉぉっ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ