第90話 いざ、クエストへゆかん!…いやホントは行きたくないんだけどね
「という訳だ」
「はぁ、どうでもいいけど、結局何を受注するのよ?」
凶夜達(と言っても今回はクラリと2人だが)はギルドの受付に居た
宿屋でクラリが延々と駄々を捏ねるので仕方なく、一回やれば大人しくなるだろうと連れてきたのだ
「一番簡単なので頼む」
「…と、言われてもねぇ…うーん」
「凶夜さん!何をヘタレてるんですかっ、もっとこう、そうっ世界を闇に陥れようとしている感じの敵がいいんじゃないですかね」
「お前、完全に魔王のそれじゃねーか! 絶対行かないからな、いいかよく聞けよ 今回はお前がどぉぉーーーしてもっつーから仕方なく行ってやるんだからな、散歩レベルのクエストにしておけよな」
「じゃこれで」
おもむろにクラリが壁に貼ってあるクエスト用紙を剥がす
「はいはい、邪眼龍の討伐ね、こいつは相手の存在を消してしまうという伝説がある龍で…」
「おい、ちょっと待て」
「じゃ、受領しま…」
「そぉいっ」
フォリンが今まさに受領しようとしたクエスト用紙を勢いよく奪い取る
「あぁっ 何するんですか!」
「何するんですか! じゃねーよ!こっちのセリフだボケェ!!」
そのまま勢いに任せて用紙を破り捨てる
「お前、毎度毎度いい加減にしろよ!? 対応するこっちの身にもなってみやがれ!」
邪眼龍?なんだそれ、某狩ゲーでも最後の方に出てくるような名前の魔物選びやがって、そもそもこの村からどれだけ離れた場所にいくつもりだコイツは
…いや、まさかそんな物騒な名前の魔物が村の近くに居たりはしないよな?うん、この話は忘れよう
「ちょっとー」
「あ?」
「依頼用紙代、100ゴルドね?」
「は?」
思わず間の抜けた返事を返してしまった
そんなこちらの様子を無視して、すかさずフォリンがにっこりと、手のひらを差し出す
「依頼紙が無料だとでも?」
有無を言わせぬ迫力がそこにはあった
「はい……」
「クラリ」
「わ、わかりましたよぅ…じゃあカエルで、カエルでいいですよもう」
カエル…そういや魔眼の練習相手に使ったとか言っていたな…
いくらアホの子のクラリと言えど、流石にそれなら大丈夫だろう
「うん、それなら まぁ」
だが、俺はこのとき忘れていたのだ
以前にクラリが「怪光線を撃ったりするんですよ」と言っていた事を。




