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胎海  作者: 諏訪絢斗
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一日目

私は夢を見た。

生臭い匂いのする湖の上を歩いていた。

空は真っ暗でも星々などといったものはない。

星もないのにほんのりと明るい様には、何処か不気味なものと安心感を感じた。

そして、その湖は何処までも深く、底の見えない。

ただ、そこの上を歩いていた。

何かをするわけでもなく、ただ歩いていた。

この歩くものは私ではない。

この歩くものは、自分が何処へ行くかを分かっているようであった。


私は目が覚めた。

私はじわりと湿っていた。

汗だ。

ほんのりと体が湿る程度の汗。

朝起きて、公園の周りをウォーキングしたような汗の湿り。

私は怖くなった。

何者かも分からないものの体の中で見た、あの景色が怖くなった。

しかしその景色を覚えているわけではない。

どんな夢を見たのかも忘れてしまった。

なのにその景色に私は、どうしょうもなく恐怖している。

怖くなった私は友人に電話した。

友人も何かに怯えた様子で、私と近くの喫茶店で合う約束をした。

私と友人は同じ夢を見ていた。

思い出せないけれど、何か恐怖を感じるような夢を。

その後、私たちは怖くなってすぐに帰った。

そのままそこにいたら、何か繋がってしまう気がしたからだ。

それからは普通の休日を過ごした。

特に変わることもない、いつもの出来事。

あの恐怖は、いつの間にか私の中から消えてしまっていた。

今から眠るというのにあの時の感覚がない。

私は心地よく眠った。

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― 新着の感想 ―
夢の内容は忘れてしまっているのに、怖さだけが残っているのが不気味ですね。友人も同じ夢を見ていたというのが気になりますし、最後に普通に眠れてしまうのも、なんだか嫌な感じがします。
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