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まだ見ぬ理事長

 だけど、その答えを求めてたはずのレミや神狐先輩の表情が、どういうわけか暗い。


「……無理だよ」


「どうして?」


「ここに来る前に、同じ話を生徒会や校長先生達にしたんだけど、あいつら、武装したドールや呪いの人形をわんさか持ってるらしくって、その危険性から誰も近寄れないんだって」

 あいつら、そんな小賢しい自衛手段まで……


「それに警察も、確固たる証拠を掴まないと動けないし、仮に動いてくれたとしても、尾形君達の周到さを考えると、部室を捜索するための令状を発行する頃には……」


「証拠を隠滅してるかもしれない、というわけですか」

 コウメイの言葉に神狐先輩は小さく頷く。


「それなら、理事長は? あの人ならこの町1番の権力者ですし、なんとかしてくれるのでは……」


「うーん……私達もそう思って訪ねたんだけど、いなかったんだよねぇ。校長先生に聞いたら、『別件で長期出張しておるから、今は会えん』ってことらしいし」

 そっかぁ……私の誕生日の時とか、幸が編入する時とかは力になってくれたのに、今回は無理なんだ。あの人……

 って、あれ? そういえば、理事長ってどんな人だっけ? よくよく考えたら、入学式の時も含めて1度も会ったことがない気がする……そう考えると、龍じぃや先生はともかく、関わりがあるっぽい瓢介がなんか羨ましい。


「てわけだからさ、お姉ちゃん達。お願い! 私達に力を貸して」

 そう頼まれて、私とカスミンとコハクは二つ返事で快諾したけど、ミュミュはこの後すぐ出演する海外の歌番組の収録のため、コウメイは実家の定例集会に出席しなくてはならないという理由から、土日である明日と明後日は協力できないと伝えた。まぁ、お家の事情や仕事じゃ仕方ないか。


 そうと決まれば、まずは情報収集。あいつらの弱みや行動パターン、犯行の手口とかを調べとかないと。決戦は……コウメイとミュミュも参加できる今度の月曜日の放課後ぐらいかな?

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