先輩からの相談
西暦2157年10月14日。コウメイとカスミンとミュミュとコハクといつものように食堂でご飯を食べていると、大学に通ってるはずのレミが訪ねてきた。
「お姉ちゃん。ちょっといい?」
「レミ! あんた学校は?」
「今日は休み」
なるほどね。それで入校証を貰って、会いに来たってわけか。
「それで、どうしたの? 寮の私の部屋じゃなくここで話したいってことは、それだけ急ぎの用ってことなんでしょ?」
「うん。もっとも、コウメイ君達にも手伝ってほしいっていうのも、理由の1つなんだけどね」
「僕達にも?」
「うん。ま、詳しいことは彼女から聞いて」
レミはそう言うと、横に1歩移動して、一緒に連れてきた大学の友達と私達を対面させた。
その人は、10本の狐の尻尾を生やした綺麗な人で、私達もよく知る人物だった。
「久しぶりね。みんな」
「あっ! 神狐先輩! お久しぶりです」
彼女は私達の1個上の先輩で、界黎学園大学の1年生の神狐先輩。天国で何千年も続く由緒正しい一族・空狐一族の人で、あの瓢介に匹敵する才女でもある。
ちなみに、空狐一族は天界の住人の中でも寿命が桁外れに長い種族らしく、平均寿命は3000年~5000年と言われている。てなると、美狐先輩も自ずと……って話になるけど、そこはデリケートな話だし、触れないようにしとこう。今はそれどころじゃないし。
「それで先輩、話というのは?」
カスミンがそう尋ねると、神狐先輩は私達に悩みを打ち明けてくれた。
その悩みというのはズバリ、ストーカー。ここ1ヶ月の間、ずっと付き纏われているだけじゃなく、5日ほど前から差出人不明の手紙が、毎日郵便受けに届くようになったらしい。
その内容も毎回同じで、神狐先輩が持参してきた手紙にも、『君は僕の物だ。絶対に離さない』と、気色の悪い字で書かれていた。
陰湿で吐き気しかしないストーカー行為に、私達女子やコウメイはドン引きする。
「まさに女の敵じゃな。して、神狐殿よ。犯人に心当たりはあるのか?」
「うん。つけられてる時に、顔をはっきりと見たから」
じゃあバッチリじゃん。そう言いかけたんだけど、問題はそこじゃなかった。
「ただ……その人、私自身に対する好意は無いみたいで、それだけに余計不気味なの」
「は!? ストーカーなのに好意が無いって、どういうことですか!?」
私は耳を疑い、説明を求めた。すると、犯人が誰なのか、神狐先輩からあらかじめ聞いていたレミが代わりに答えた。
「お姉ちゃん。ドール愛好会って知ってる?」
「聞いたことは。確かうちの学校にある愛好会で、キモいヲタク共がお人形遊びしてる根暗でキモい集まりでしょ?」
「うん。犯人はそこの会長をしてる3年A組の尾形道彦だよ」
その名前を聞いた瞬間、不覚にもそいつの顔が頭に浮かんでしまった私は、
「ゲッ……あの道キモォ?」
と、言って、顔を引きつらせた。そこには思い出したくないわけがある。




