サーザンド男爵家にて 〜お父様〜
〜お見合い決定日〜
「おい、お前の見合いが決まったぞ。 相手は何と侯爵家だ。くれぐれも粗相の無いように努めよ。
…何? 姉はいいのか、 だと? ミリアーヌには他の話があるので問題はない」
〜お見合い終了後〜
「何、気絶した? まあ想定内なので問題はない」
「は? お見合いを受ける、だと? 術師を呼ぶ?
…ふむ、ただの噂だと思っていたのだが、念の為診てもらうか」
「ミリアーヌ、何故父を無視するのだ? ナリアの事? いや、しかし折角の侯爵家からの話をこちらからむざむざ蹴るのも勿体無いだろう。
うちには丁度よくナリアが――グフっ!腹を、ミリアーヌ何故だ!? 待て! 私はお前の為を思ってー! ミリアーヌゥ〜〜!」
〜侯爵家へ奉公前〜
「リ、リリ、リーザ!? 何だこの大量の解呪道具類は!?
いや、しかしだな、聞いたところによれば侯爵様の見た目は私達から見れば少々アレかも知れないが、中身は立派な紳士だと――うわっ! こらっ! 私によく分からない聖水を掛けるんじゃない!」
〜侯爵家へ奉公〜
「誠心誠意努めなさい」
(リーザとミリアーヌの視線が痛い気が…いやいや、
二人共普段ナリアに対し当たりが強かった筈。だからこの肩身の狭い雰囲気は気のせいだ)
〜結婚報告&侯爵様顔合わせ〜
ひぃぃい! ミリアーヌが侯爵様と出会い頭で叫び気絶してしまった!
リーザも気絶こそしていないが傀儡の様になってしまっている。
「こ、侯爵様も、申し訳…」
「…問題ない。それよりナリア嬢との結婚の許可は貰えるだろうか?」
もちろん首を縦に降る。
正直後のことは覚えていない。
〜結婚報告&侯爵様顔合わせその後〜
「噂では聞いていたが実物を見てみれば成る程納得と言う感じではあったな。
しかしそこまで怖がることか? 街に降りればもっと異種族が居るだろうに。
いやしかし、ナリアが侯爵家へ嫁入りか。ふふふ、いやはや、リーザに内緒で拾いミリアーヌの身代わりとして育てた甲斐があったというものだ。ガッハッハ!」
その後その私の独り言を聞いていたらしいリーザとミリアーヌに何故かしばらく口を聞いてもらえなかった。解せぬ。
二人に自分達の行いは棚に上げられ一人責められるちょっと損な人。




