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ArcanaReWrite  作者: 上月琴葉
第四部 嵐は黄昏を連れて
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間話 或る少女の日記 第一頁

 ――あなたのことを憶えている。


 穏やかに過ぎていた時間を、覚えている。


 サレナママが焼いてくれるふわふわのチーズケーキ。


 閉ざされた箱庭の世界でも、それでも私は幸せだった。


「綴葉、もう一切れいる?」


「わあ、ありがとう!お兄ちゃん!」


 お兄ちゃんは優しく微笑んでいつも自分の分のチーズケーキを少しだけ多めに分けてくれた。


 今でもわたしはチーズケーキが好きだけど、甘いはずなのに少しだけいつも苦い味がする。


 ――ある雨の朝、目覚めるともう兄はいなかった。


 残されていたのは一枚の便箋だけだ。


 ――綴葉、君はどうか幸せに生きて。僕のことは、忘れてしまっていいよ。


「忘れるなんてできない。もう二度と会えないとしても私は絶対に忘れないから」


 怒りに任せて涙で滲んだ便箋を粉々に千切った。


 そして決めたのだ。いつかこの箱庭を抜け出して、彼のことを探しに行くと。


「待っててね……【紡】兄さん」



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