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梅を見てお堀を浚(さら)ったはなし  作者: ぽすしち
 九

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53/70

ご神木はお焚きあげ



「あのご神木は、焚き上げたんだろ?」


 『梅の花』のへこんだ真ん中にくろもじをつきさしてもちあげたヒコイチが、先生にきく。


「 ええ、なんでも乾かすのにしばらくかかるだろうってことだったのに、日があけたましたらもう、勝手に割れるほど乾いていたようですよ」



 細かく割って焚き上げたご神木は黒く燃え残らず、灰のような白いカスを残すだけだったという。



「 ―― あの、地蔵さんもおなじ寺に?」



「それは・・・」

 そこで言葉をにごした先生が、ダイキチをみた。

 



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