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梅を見てお堀を浚(さら)ったはなし  作者: ぽすしち
  二

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21/70

用心


「 ―― どうやら、梅見を一緒にしたいようだねえ」


 セイベイがおもしろいというようにうなずく。



「それなら、寺の梅を先にみるか。  ―― もしあの男が《おかしなもん》なら、寺には、入れねえだろうしな」


 ヒコイチはすこし用心したかった。




「そんなもんかい?カンジュウロウは、寺にもへいきで入るけどね」



「乾物屋は、そりゃ、・・・・《おかしい》が、おれたちになにもしねえだろ」




 おまえはそういうところが馬鹿だねえ、とうれしそうに背をなでられたヒコイチは、なんだかこどものようなことを口にしてしまったと後悔していたので、年寄りにいいかえすのはやめにした。







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