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サモナー・オブ・サモナーズ  作者: まさひろ
第2章 意気揚揚の夏休み(前編)
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行くぞ洞窟探検隊

 細々とした冒険の準備を終えた俺たちは乗合馬車で目的のダンジョンへと向かった。


「ところでシャルメル嬢、こう言ったダンジョンにおける一番の危険因子とは何だと思う?」

「おや、(わたくし)ですかリリアーノ先輩」

「ははは、アデム君は経験豊富らしいから、彼に聞いてもつまらんと思ってね」


 まぁ確かに経験豊富だ、同様の依頼なら神父様に何度も受けさせられた。


「そうですわね、確かにこの中では(わたくし)が一番の不安材料。お気になさるのも無理はないですわ」


 シャルメルはコホンと咳払いをしてから解説を始めた。


「落盤浸水などの地形的変化を除けば、先ず第一に上がるのがどんな魔獣が住み着いているかですわ

 そして、目的のダンジョン近辺の生息分布から鑑みるに、スライム、ゴブリン、オーク等の魔獣が住み着いていることが考えられます。

 その中でもあえて危険性が高いと言うならば、オークでしょう。(わたくし)は直接見た事はございませんが、人を超える膂力でもって武器を手にして襲ってくると聞き及んでおりますわ

 低級アンデットにかんしては、定期的な管理が行われている様ですし発生の危険性は低いと思いますわ」


 パチパチパチと拍手が上がる。


「うむ、模範解答と言っていいだろう。流石は一年主席だな。ただ危険性についてはゴブリンも侮ってはいけないぞ。確かに奴らの個々の力は大したことないが、数は力だ、奴らはうじゃうじゃと群れで生活する」

「知識としては知っていますが、そんなにですか?」

「ああ、1匹いたら30匹はいると思え。暗がりでは決して油断していい相手ではない」


 全くその通り、おまけに奴らの体躯の小ささから思わぬところから現れたりする。


「まぁ索敵は俺とグミ助に任せてください」


 グミ助の危機察知能力に関しては、先のジャイアントグリズリーとの戦いで証明済みだ。最弱の名前は伊達じゃない。


「ははは、これは頼もしい」


 リリアーノ先輩はそう言って、グミ助を撫でてくれた。





 ダンジョンでの隊列は、俺が先頭、リリアーノ先輩が二番手、次にシャルメルで殿がジム先輩と言う事になった。

 ちなみに獲物は俺が徒手、リリアーノ先輩が短槍、シャルメルが杖でジム先輩が剣だ。


「光よ」


 リリアーノ先輩が光魔法で光源を確保する。それと併用して松明の炎も欠かさない。魔術と物理、2通りの光源があれば一度に暗闇に落ちる確率はぐんと減るからだ。


「それじゃあアデム君、先陣は頼んだぞって召喚師に先陣を任せるのは何とも奇妙な感触だな」

「ははは、気にしないでください。単独での探索の方が慣れているから、こっちの方が動きやすいですよ」

「そりゃますます頼もしい、しかし君の師匠である神父様とやらにも俄然興味が湧いて来た一度お会いしたいものだ」


 いや、アレは唯の戦闘狂のバーサーカーですって。

 俺はそう思いつつもゆっくりとダンジョンを下って行く。


 俺は修業のおかげである程度夜目が効く。それに加えてグミ助の探知能力があるので、真昼の様にダンジョンを見渡すことが出来た。


 意識の半分をグミ助に同調させ、ぐるりと見渡す。

 居る。

 俺たちが入って来たのを察知して奥に逃げた影がチラホラと。


「先輩やっぱりいますね。小が5、中が2、奥に逃げました」

「凄いな君たちは、私じゃ遠すぎて気づかなかったぞ」

「君達じゃなく、グミ助がですよ。こいつのおかげで遥か暗闇の底まで見通せます」

「ふーむ、やはり君は面白い、と言うかそう言った魔獣の使い方など浅学な私では聞いた事など無いが」


 俺にとっちゃこっちの方が自然で、他の戦い方を知らないだけなんだが。まぁいいや他所は他所だ。





「ぎゃ!」


 物陰で待ち構えていたゴブリンに、投石で隙を作って突進する。


「左横! 後ろ裂け目!」

「おう!」「はっ!」


 それと同時に背後へ指示を、落ち着いて対処できれば、ゴブリンなぞそう怖い相手ではない。

 リリアーノ先輩の短槍が脳天を叩き割り、ジル先輩の剣が首を飛ばす。シャルメルの出番はない位だ。


「ラッシュは終わりました、一休みしましょうか?」

「そうだな、一応武具の点検をしておこう」


 ダンジョンの少し開けた場所で休憩する。俺は兎も角グミ助に少しばかり疲労がたまっていた。


「それにしても、完璧な索敵があればこれ程楽を出来るとはな。索敵の重要性は分かってはいたが、身につまされる思いだ。どうだアデム君、今後もパーティを組んでみないか?」


 リリアーノ先輩はそう言いつつ、グミ助に蜂蜜をくれてやる。甘いものが大好きなグミ助は一心不乱にむしゃぶりついた。


「はは、考えておきますよ。具体的には金欠の際に」


 俺としても頼りになるアタッカーが居るのは心強い、何よりもとても美人で申し分ない。


「はぁ、頼りになるのは良いですが、(わたくし)としては物足りませんわ」


 肩や不機嫌なのはシャルメルだ、遠くの敵には目視が難しく、近くの敵はあっという間に片づけられる。おかげで彼女は基本的に立っているだけの案山子だった。


「ははは、まぁそう言うなシャルメル嬢。ここのダンジョンの最奥はちょっとした広場になっているんだ。今までの接敵頻度から言って、大勢がそこに逃げ込んでいるかもしれんぞ?」

「そうだとよいのですけど」


 そうだった。

 リリアーノ先輩の予感は的中。俺たちのあまりの進軍速度に対応しきれなかった敵たちは、ともかく最奥最奥へと避難していて、奥の広場はとんでもない事になっていた。


「おーほっほっほ! それでは行きますわ」


 広域殲滅は真言魔術師の独壇場。俺達前衛が敵を食い止めている内に詠唱を終え。


「咲けよ咲けよ紅の薔薇、命を燃やし狂い咲け、薔薇よ貴方は美しい、ファイヤローズ!!」

「ちょ!待て!」


 今までずっと鬱憤の溜まっていたシャルメルは特大の一発をお見舞いした。

 それは閉鎖空間(洞窟奥)にいる敵たちを一掃するだけでは飽き足らず。


 ――グミ助の警報が最大値となり――


「あら?」

「ほっ、ホーリーシールド!!」


 大爆発を起こしたのだった。


シャルメル嬢にうっかり属性が追加されました

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