外野のスタンドプレー
なし
噴水前にやってきた。
まいどの
にぎやかし深谷も
時間ぴったり
にぎやかしが居た方が
今日は何かとよいだろう。
挨拶しようとする
さんぺいTを止め
「今日で
最後のレッスンに
しましょう」
といきなり伝える。
深谷、
やはりそうかという
顔をする。
勘のいいやつだ。
さんぺいTが明るく言う。
「少し話をしましょう」
今日は噴水が見える
外のベンチに移動する。
さんぺいTが話し始める。
「企業も利益をあげなければ
なりません。」
「なにかよいことがないと
この不景氣のご時世
ついてきてくれる
会社も少ないのです」
「確かにあなたがお考えの通り
国際貢献は
日本の財力と技術力に
よって支えられています」
「日本で英語を教え
日本語の話せる指導助手。
母国に戻って
援助のお手伝いを
できるかというと
出来る場合もあれば、
出来ない場合もある。」
「給料の問題があるからです」
「しかし、それは、
彼らにはあまり対した
問題ではないかもしれない
一番の彼らの悩みは
自分たち中心で
自分たちの技術力で
復興、開発をしたい
というところでしょう」
「たしかに、多くの
日本のボランティアが
その技術を教えてくれています」
「大変ありがたい
草の根の力です」
「しかしながら
現地だけの力での
大規模な復興、開発。
その力は
まだまだと言って
過言でないでしょう」
「そこにうまみが
あるかもしれませんが」
「おっとこれは失言でした」
「長い話になりましたが
最後に一言」
「私は夢のある
そして希望のある
若者に
日本を出て
外国を見てもらいたいと
思っています。
そう、私が自分の母国で
お世話になった方に
されたように、
だから、あなたを助けてきた。
あなたの英語力は
これから伸びると信じている。
いや、伸びるに違いない。
間違いないです。」
「だから、外野のスタンドプレーに
惑わされずに
マウンドにもどってください。
そして、相手を打ち取りましょう」
最後は野球の例えか
わかりやすいほど
わかりやすい。
黙ってさんぺいTを
見つめる。
信頼してくれという眼。
そしてがっしりと
私の手を握ってきた。
ここまで
自分の事を考えてもらい
本当に
ありがたい限りだ。
じんわりと
心が熱くなるのを感じた。
なし




