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第二の英語人生
なし
さんぺい先生。
神妙な顔で最後まで
聞き漏らすまいと
深谷の通訳を聞く。
深谷が最後の訳を
伝えきった。
最後まで聞き終わった
そのとたん、さんぺいT
「グレイト」
大きな手を広げ
ハグしてきた。
「えらいねえ」
「えらいねえ」
何がえらいのか
わからないが
何度も何度もえらいねえを
繰り返し
体をたたかれた
「痛いじゃないか」
ダチョウ倶楽部のように
つっこみたいところだった。
ひとしきり
そうされた後。
歌うように
「あなたの
かてーきょうし
やりましょう」
なんだか肩の荷がおりた
本当にほっとした。
自分の苦労が
わかってもらえたからだろうか
そういえば
外国の方に
はじめて
わかってもらえた
かもしれない。
長いたたかいだった。
今までの英語人生で
一番
幸せなことかもしれない。
こうして
私の
第二の英語人生がはじまった。
第一はいつだって?
それは暗黒時代さ。
なし