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和平条約締結(最終回)

「あまり舐めていると、僕が火山を噴火させる。僕が亜人国代表田中祐二だ。城をぶっこわずぞ!」


 やっと戦闘が止まった。


「祐二!」


 ウルが怒った。前に出てこんな宣言したら怒るよな…。ただ今回はペコペコ頭下げられず…。敵が見てるんだよ情けない所見せれないでしょう。ウルも分かってくれたようで、それ以上は言わなかった。前面に巨大ゴーレムを押し出して、要求を良く見せた。

 話を聞いてもらえる事になった。慎重に僕だけ殺されないように上手く運んだ。武とウルの二人だけが護衛。ただ魔王討伐隊を引かせたのは良かった。僕ら3人なら100人でも多分相手できる。それぐらいまで相手戦力を減らして会談となった。


「一体お前は何だ」

「なんと言うか王よ。あなたは立場が分かってるのですか?その態度では僕は交渉しませんよ?」


 横の大臣だろうか?話して王様は落ち着いた。


「僕はこの国を侵略征服する意図は一切ありません。軍縮ももう要求しません。今回の行軍であなた方の軍隊はもう僕達の脅威じゃないです。この意味が分かりますか?」

「何を言ってるんだ?」

「僕はいつでも王家を潰せるし、この国を焼き尽くして、人間自体全滅させる事が可能です」


 思い切り脅しを掛けた。さすがに相手も身構えた。


「何を考えてるか?分かりませんが、僕達3人で100人は相手できますよ。その100人に王よあなたも入りますよ?だからそういった脅しは逆効果だと思っていたほうが良いです。そして僕の後ろには一瞬でこの城を壊滅させる大軍が控えてる事を。軽率な行動は控えてください。僕の要求は一つ和平条約を結びましょう」

「それだけか?」

「それだけのために何度僕はあなたに使者を送ったのか分かってるのですか?たったそれだけの事を拒絶して、この国の兵は死んだんですよ?」

「お前が殺したんだろうが!」

「だから言動には気をつけてくださいと言ってるでしょう。それだけです。さて僕の使者を全く聞かなかったわけじゃないですよね?すでに何度も聞いてるはずです。和平条約後の国交樹立。2つの要求じゃないですよ。和平条約を結んだら隣国同士国交があって当たり前です。

それを突っぱねて、あげくのはてに使者を何も聞かずに追い返す。3000人以上過去にこの国は兵隊が死にましたよね。なのに年々この国は兵隊の数が増えていく。これを僕が亜人国への攻撃の準備だと思うに決まってるでしょう。それとも魔族への準備なのですか?魔王も魔族を引き連れてここに呼びましょうか?どっちに攻撃しようと思ったのですか?

僕はこの国を侵略しようと進軍したわけじゃないです。実力行使で話を聞かないあなたに訴えるしかないでしょ?全面戦争なんて僕はしたく無いですからね?その被害を抑えるため先に動いたら、あなたが勝手にはむかってきただけでしょ?」


 観念したのか、和平条約への話し合いに移っていった。最初要求していた軍縮は一切要求しなかった。これ以上やると裸にして侵略する気だと勘違いされるから。ただ、相手が襲ってくる兵力は残した。


「王様良いですか、僕が多くの兵を残したのは僕の誠意の証しです。ですが、もしそれを利用して、亜人国に攻め入るなら今度は王国の制度そのものを破壊しつくします。亜人国にはそれが出来ます。人間が亜人国に勝つには魔王と手を組むしか無いです。これには僕もてこずるでしょう。

僕は人を大切にしています。あなたの裏切りがあっても人を絶滅なんてしません。王国と言う制度を人間の国から排除するだけです。僕は人間が憎いわけじゃ無いです。僕が腹立たしいのは平和を求めない王国に対してだけです。和平条約によってそれは解消されたと信じています」


 なんとか終った。圧倒的な差はおそらく分かってると思う。ただそれを認められなかっただけかと。すべてが終った。


 でも僕は全く信じてなかった。人間の国にいろいろと工作をしておいた。内乱の火種。南部森の住人を使って、4地域のパワーバランスを崩してやった。ハンター資格を取らせる。南部地域の私兵としてもぐりこませる。次にモンスター肉を回りに供給を増やして、戦闘民族としての強さのアピールをする。


 ハンター養成所の優秀な成績と軍での優れた兵士としての資質を見せ付ける。100人ほどもぐりこませて、南部地域の特殊部隊の様に位置づけられる。意図的に王家じゃなくて、南部地域の貴族に恭順する態度を見せる。後はもう何もせずとも王家を中心とした王国の制度が、過去の様な領主の時代への回帰が進む。そもそも王家の求心力が今回の行軍でボロボロになったのも大きい。


 そもそも亜人の敵じゃない。その王国が分裂して何が出来るのか?万が一南部貴族が王家を倒したら、最強の南部森の部隊には裏切らせて今度こそ亜人が支配するつもりだ。さすがに堪忍袋の緒が切れる。


 魔族は魔王だけ見張っておけば良い。レイヤ達が帰ってきていろいろ聞いて直接会談したらあれは何かしでかすような魔王じゃない。しかし、逆に言えば魔王が変わったら魔族は全く信用できない。それだけ気をつけて魔族対策は終わりだ。


 すべての手を打って僕は島を大きくして他に土地が無いか?確認にする日々になった。


「祐二大丈夫なのですか?」

「逆に考えてみてよ。向こうから攻めてきたらどうするのさ?ならこっちから先手を打ったほうが良いに決まってる。今まで控えてきたのは後顧の憂いがあったからだよ」


 最北端の島を大きくしていったらしばらくして別の大陸があった。世界の中でこの島だけかと思った。調査隊を出す事にした。


「絶対に無理はし無いように、定期的に帰ってきて報告する事。もし安全そうなら大陸に拠点を作って、調査を本格的にするから」


 新大陸発見わくわくする。僕達の冒険はこれからだ!


これで終わりです。

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