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孫~!

 ガオがナルに何を頼んだのかは知らないけれど、私は今の距離が一番居心地が良いので、一緒に住もうなんて言うナルの提案はガン無視したった。

 でもナルは家族の一員でもあるから、しょっちゅうガルと3人であっちこっちへ行ったり、ウチで一緒に食事をしたりした。

 

 あ、そうそう。息子の彼女に会ったよ。

 綺麗な子で、ハキハキとした嫌味の無いパワフルな女の子だった。

 それを見たナルが「お前・・・・何も母親そっくりの娘を選ばなくても・・・・」って言っていたのが印象的だ。

 勿論外見は全然似てないよ。

 あっちさんの方が百万倍美人さんだ。

 そう思っていたらガルが、「いやぁ、母さんに似たところも多いけど、母さんみたいにいじけ易くはないから、そこまで似てるとは思わないよ」って。

 え?私いじけ虫だったの?

 ええええ?そんでもって息子にそう思われてたの?


「クスクス。確かにタマは拗ねると途端にいじけ虫になるからなぁ。流石息子、良く見てるなぁ~」だって。

 ナルのみぞおち辺りにエルボーを噛ましてやった。


 息子たちは結婚式は礫里地区でおじいちゃんたちに祝ってもらって挙げたいんだって。

 おじいちゃん孝行な良い息子に育ったし、そんな田舎で結婚式を挙げても良いっていう女の子をちゃんとお嫁さんに選んでいるから凄いよね。


 息子の結婚式ってどこまで口を出して良いのか分からないんだよね。

 相手の方の親御さんも居る事だし、やっぱり結婚式って花嫁が主役じゃん?

 だから私は頼まれた事しか手を出さなかったよ。

 そうしたら向こうのお母さんが張り切って用意してくれたよ。

 結婚式は礫里地区で挙げるけど、披露宴は礫里地区だけではなく友人知人が多く仕事関係者も多い首都でも挙げたいと言う先方の親からのたっての願いに応えて2回やる事になった。


 私の娘になる子は、ウエディングドレスを2回も着る事が出来ると喜んで、田舎でも奇異に映らない大人しいウエディングドレスと、都会的なスラっとした感じのウエディングドレス、どちらもきちんと着こなして2回の披露宴を終わらせた。

 

 息子夫婦は私とガオの家から3ブロック離れたところに家を買い、そこに住んでいる。

 ナルが新しい支店をウチの近くに建てたので、やっぱり私の家の近くにマンションを1軒買って、そこを新たな生活拠点にしたみたい。

 毎日の様にウチに顔を出してから仕事へ行く様になった。

 恐らくだけど、ミソもガオも居なくなった家に、今やガルもいなくなり、私が脱力感一杯でポカーンとしているんじゃないかと心配してくれているんだと思う。


 なんか独身時代のミソと私みたいだ。独りで暮らしていてちょっぴり寂しさを感じる時、真っ先に連絡を取る相手。そんな感じかな?

 違いはお互いに年を取っているので、相手の個人的な部分には意識して触れない様にしている事くらいかなぁ。


 最初は週1回くらいの頻度で一緒に食事していたのが、段々と一緒に食事する回数も増え、偶にはウチだけじゃなく外で一緒にご飯を食べる回数も増えて来た。

 ガルもかなり頻繁に顔を出してくれるけど、そんな時、ナルと私が一緒にいると訳知り顔でニマニマしている事が多くなった。

 違うからね!

 もうこの年で恋愛なんか面倒だからね!

 それにナルは家族なんだからね!

 心の中でそう言っているけど、言葉に出している訳ではないから、ウチの息子は理解できてないみたい。

 こういう時、ガオとかナルなら、言葉にしなくても何となく察してくれるんだけどね。

 特に、ガオなら百発百中で当ててくるからね!


 ナルがウチにしょっちゅう入り浸る様になった頃、ガルたちに子供が生まれた!

 女の子だ。


 産後のベッドの脇で、義娘を労っているとガルが徐に言い出した。

「母さん、妻とも相談したんだけど、ミルって名付けたいんだ。母さんはどう思う?」

 それを聞いて涙がぼたぼたと零れた。

 だって、ミルは私の亡くなった妹の名前だ。

 まさかガルがあの子の名前を自分の子に付けるとは思わなかった。


 泣き始めた私の肩をナルが優しく包んでくれた。

 私の涙を見て嫁も一緒になって泣いてくれた。

 ああ!私は本当に幸せだ。

 こんなに素敵な家族と一緒にいられる。

 お父さんにも早くひ孫の名前を教えてあげて欲しい。

 どんなに喜ぶだろう!!!


 お母さん!ミル!あっちでちゃんと聞いている?

 ウチの息子と嫁が、孫娘にミルの名前を付けてくれるんだってっ!

 天国のミル、ウチの孫娘をずっとずっと守ってやってね。


 止めようと思っても止まらない涙をナルは流れるままにしてくれ、しっかり肩だけホールドしてくれている。

 みんなで礫里地区のおじいちゃんたちにも報告しに行く様計画を立てようと言う話になり、ミルが移動に耐えられる様になったらナルも含めて全員で行く事になった。


 最後に目の縁に溜った涙を拭っていると、何を思ったのかガルが「母さん、次は母さんがナル叔父さんと一緒になってくれれば、僕たちは本当に安心できるんだから、意地を張ってないで早く叔父さんと結婚しなよ」とか言って来た。

 え?私の結婚???

 そんなの今まで話した事もないし、考えた事もないよ。

 キョトンとしていると、「まぁまぁ、今はミルちゃんの事をオヤジたちに報告へ行く方が先さ。なんなら俺たち二人で報告だけでもしに行くか?」なんてナルが話題を変えた。

 結局じいじたちは直ぐにでも孫の顔を見たいとナルの車で首都に来て、初ひ孫に相好を崩す事になった。

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