ヒマでしょうがねンだわ
息抜き的な感じで書き始めました。
参考にしたのはウラジミール・ナボコフの『ロリータ』と、童話の『桃太郎』、『火星運河説』です。
ロリータ。我が腰の炎。我が魂。
ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩進んで歯の裏をそっと叩く。
ロ。リータ。いや、メスガキと言い換えても語弊は無いか。メス・ガ、キ。
ため池で水を掛けあう半裸の少女達は、まさにオアシスの妖精だ。数少ない自然の恵みを感じさせてくれる。
日差しで飛び散った水がキラキラと光り、このクソみたいな暑さを忘れさせてくれる。
「やっぱ半裸の少女って最高だな」
そう言って赤髪の大女は自動更新羊皮紙を取り出し、依頼が来ていないか確認する。
「……」
まぁ、来ていない。そりゃそうだ。こんな田舎の運河都市で、そうそう争い事や揉め事なんざ起こるワケが無い。
あっても一流どころへ依頼したいと思うのが、人情だろう。
……なら、溜まった水車小屋の使用料を回収しに行くか。
「親父が遺産を残していてくれなかったら、どうなっていた事やら……」
「砂漠や荒野に放り出されて、盗賊にでもなっていたかもしれん」
「……褐色盗賊ロリ……アリだな……」
そして、赤髪の大女はその赤い髪を揺らしながら立ち上がり、水車の近くにある料金回収箱を空けに行く。
「まぁまぁ入ってはいるな……」
やっぱ水車強ぇわ。世の中インフラ押さえてるヤツが勝者なんだよ。
おー、銀貨まであるじゃん。なんだかんだで経済安定してんな、最近は。
今日は酒買って、闇市場で購入した使用済みキャミソールを嗅ぎながら寝るか。
「ん?」
その時、大女の視界の端になにやらか白い箱が流れて来るのが映った。
見たところ、その箱は贅沢な事に木(それも上質な)で出来ていて、しかもご丁寧に白塗りまでされている。
「……開けてみるか」
赤髪の大女はボートフックを持って、流れる箱を追い掛ける。
ため池に流れ込んだ白い木箱の縁へフックを引っ掛け、陸へ手繰り寄せる。
(……結構重量あるな……もしかして金貨や嗜好品だったり!?)
彼女は高鳴る鼓動を抑え込みながら、木箱を陸へ引っ張りあげる。
「おぃしょっとぉっ!」
木箱の引き摺られた跡が、黄色い地面に刻まれて行く。
そして、大女は箱を開けようとするが、南京錠が掛かっていて開かない。
「しゃあねぇか……!」
「《ローフレイム》!そいで……《リフリジエイト》!」
南京錠は炎に包まれてあっという間に熱せられたが、直後に霜が出来る程に凍り付いた。
赤髪の大女は大股で小屋へ走り込み、側にある物置からハンマーを取り出してきて、脆くなった南京錠をブッ叩いた。
哀れ、南京錠は粉々に砕け散った。
「どれどれ……中身を拝見……」
そこにあったのは、金貨や財宝なんかとは比べ物にならない、妖精たちからの贈り物だった。
彼女は思わず目をつぶって祈った。
「おお、おお……、おぉぉ……」
「日頃の善行が遂に報われたか……!」
そこにあったのは、薄く白い一枚着に包まれた、白く透き通るような、今にも消えてしまいそうな程の銀髪の妖精だった。
そして、赤髪の大女は鼻息荒くその妖精の真っ白な肌に触れた。銀色の妖精の眼を覚まさぬように。
「えっ?」
突如魔法陣が起動し、大女の手首と、白い妖精の手首が光り出した。
なんと、手の甲に契約の紋様が刻まれて行くじゃないか。
「おい、アレ?なにこれ……」
「これ契約魔法じゃん、それも紋様の画数多いからこれ、相当……」
「……もしかして、アカン事やっちまったか?」
思い切りやってたわ。
ちなみに何の契約かは分からなかった。
あとで魔法鑑定士に聞いてみるか。クソ、学院を中退しなければ良かった。
「……あなたはだれ?」
ダメだ、もう逃げらんねぇ。
こうなったら覚悟決めるしかねぇか……!
「私はミーナ。君は?妖精ちゃん」
銀髪碧眼の少女は、彼女の緑色の眼を真っ直ぐ見つめたまま答える。
「私の名前はクリオネ。クリオネ・レイスです」
レイスって何処か聞いた事あるような……ダメだ。
酒で膿んだ頭で、何かを思い出すのはこれが限界だ。
「……取り敢えずお姉さんの家に行こうか?(ニチャア)」
「気持ち悪いので、余り近づかないでくれると助かります」
「あと衛兵は呼ばないで下さい」
「そんな事言わないで❤️マイニンフ❤️」
「一緒に寝よ❤️」
「イ、イヤです!」
「そんな事言われても、もう契約しちゃったんだな~~コレが!」
「手の甲見てみ!見てみ!」
クリオネは薄く滑らかで、真っ白な手の甲を見る。
そこには【契約の刻印】が刻まれていた。
「こっ、これ外して下さい!」
「貴方魔術師か何かでしょ!?」
「外し方知らね」
「魔術の成績Fだったし」
「そ、そんな魔術師が居るなんて……」
「いえ、もう魔術師に分類される事自体、おこがましいというか……」
「触れた瞬間自動で起動して強制契約したみたいだし、私に罪はないでしょ」
「馬車が自動で動いて轢かれたようなモンだよ」
詭弁が過ぎる。
「人と人の契約魔法って……触らなければ発動しなかったと思うんですけど」
(ドキッ)
「何の目的で私に触れたんですか??」
「安否確認?的な??」
「疑問形な上アバウト過ぎませんか?」
「でも……困りました」
「王都には戻れませんが、かと言って身の安全を確保出来る場所も無さそうですし……」
「だから私の家泊まれって」
「イ ヤ で す!!」
「契約の刻印が施されただけで、貴女と私は全く関係の無い、赤の他人ですから!!」
「もう……!どうしたら……!!」
悩み始めたクリオネを他所に、ミーナはおやつのチキンバーガーを食べ始めた。
「うめうめ」
「話聞いてます!?」
ミーナは寝転がり、足を組みながら言う。
「え~~」
「だってもう私は関係ないんでしょ??」
「ですよねぇ、ミーナ」
「だってあの家は私とミーナの愛の巣ですから」
「な ん で 貴 様 が こ こ 居 る」
ミーナの隣に突然現れた黒髪黒目の大女は、彼女に引っ付きながら言う。
女はミーナと同じくらいの体格で、尚且つ人形の様に表情の無い女だった。
「そりゃあ、私はミーナの愛棒ですから」
「道場で投げられすぎて頭イカれたか??」
「シトマ」
「愛にイカれてますよ」
「ミーナとのね(チュッ)」
シトマはミーナの頬にキスをした。
クリオネは彼女をじっと見て言う。
「……抵抗しないんですね、ミーナさん」
「ここで抵抗したら、家に帰った時コイツが台所で裸エプロン衛兵になってるからな」
「無意味な抵抗も世の中には存在するんだ、覚えとけ」
シトマはニヤつきながら、ミーナと指を絡め始めた。
「はだっ……!?」
「と、というか衛兵!?!」
クリオネは二人をキッと睨み、その場から走って逃げ出した。
ミーナとシトマは寝転がったまま、互いを見る。
「……愛の告白ですか?ミーナ」
「ぶっ飛ばすぞ」
~数十分後~
~町の市場~
ミーナは家の屋上から屋上へ飛び移り、回転しながらシトマの横に飛び降りた。
「おい!あの子は見つかったか!?シトマ!」
シトマは黒目を細め、街の中心部を眺める。
「手掛かり・痕跡ナシですねぇ」
「でもこの暑さです。そろそろ水か日陰を求め出す頃でしょう」
「じゃあ水場を中心に回ってみるか」
「ったく、手間掛けるなぁ……」
二人は市場を歩いて行く。
広場では炎天下にも関わらず、競りが行われていた。
人間の。
「……なぁ、今日って奴隷市の日だっけ??」
「いや、覚えが無いですねぇ」
「【北方連合王国】との戦争で、大量の奴隷が供給されましたからね」
「開催日が増えてるんじゃないでしょうか」
「あいつら雪原出身で暑さに慣れてないし汗腺も少ないから、使っても半分は直ぐにくたばるぞ」
「畑の肥料になるのがオチだ」
「……なぁ、今最悪の事態を思いついたんだけど」
「奇遇ですねぇ」
「私もですよ、ミーナ」
二人は奴隷市場を通り抜け、素早く駆け出した。
~裏路地~
「おい!こんな所に北方のガキが居やがるぜ!!」
「この暑さでくたばってやがる!」
「拉致って明後日の競りに捻じ込むぞ!」
「こりゃあ上玉だ!」
「労働力としての価値は無さそうだが、物好きに高く売れそうですぜ!」
奴隷商人とその手下達がクリオネの手を引っ張り、クリオネは力なく抵抗していた。
「オラッ」
ミーナのハイキックが奴隷商の側頭部に命中し、奴隷商は痙攣しながら笑顔で泡を吹いて倒れた。
そしてシトマの左フックと右フックが決まり、手下達は壁ごと吹き飛ばされた。
「お助けに参りましたぜ、マイニンフ」
「……!!」
クリオネはフラつきながらも、二人から逃れようとする。
しかし、シトマが彼女を捕まえる。
「暑さに弱いのに、炎天下で全力疾走ですか」
「無茶は関心しませんねぇ」
「離して……!!」
シトマは腰袋から水筒を取り出し、無理やり水を飲ませた。
「ぷぱっ……!!」
「私はアナタを牢に入れる積りはありません」
「ですからご安心下さい」
「そんなの……!」
シトマは自分の後ろを親指で指す。
「私が本当に衛兵の仕事をする積りであれば、アレは見逃すハズないでしょう?」
彼女の後ろでは、ミーナが奴隷商達の懐と財布を漁っていた。
「やった~~!」
「臨時収入ゲッチュ~~!」
「お!武器も持ってやがる!売ったらカネになるかな!?コレ!」
「(唖然)」
「ミーナは一時期賞金稼ぎもやってましたからねぇ」
「誰が金を持ってて、そうでないかカンで分かるんですよ」
そういう問題か??
数分後、ミーナはウッキウキで武器とコインを抱えてやって来た。
「シトマ!今日はしこたま飲むぞ!」
「付き合え!」
「望む所ですよ!」
「いやぁ~~!今日は超ラッキーでしたねぇ!」
「今すぐそれを返しなさい!!!」
「貴方達のやっている事は強盗です!!」
クリオネは息を荒げながら、二人を怒鳴りつける。
「「え」」
二人は顔を見合わせ、不思議そうな顔でクリオネを見た。
「なに言ってんでしょうか、この子」
「ああ……多分知らねぇんだろうな、都市同盟の暗黙のルールってヤツを」
「ルール……!?」
ミーナの表情はため池で会った時とは別人と思える程、獰猛な表情を浮かべてクリオネへ顔を近づける。
「都市同盟ではな、基本自力救済なんだ」
「奪われたら自力で奪い返し、殴られたら自力で殴り返す……」
「それが砂漠のルールだ」
「お前の故郷では違うのか?マイニンフ」
「そっ、それでも……!」
「そもそもお前はアテもなく逃げた挙句、そのせいで奴隷に売られる所だった」
「どっかの変態の慰み者になった後バラされるか、農場か工場でくたばるかの二択だったんだ」
「私に言う事を聞かせたければ、対価を示せ」
クリオネは震えながらもミーナへ言う。
「そっ、そのコインと武器で、わ、私を買って下さい!!」
「そ、そうすればコインと武器をどうしようと、私の自由でしょう!!」
彼女の足腰は小鹿の様に震えていた。
「その通りだな」
「で?お前はどうするんだ?」
「わ、私は……」
「ミーナ様の……しょ、所有物に……!」
クリオネは目に涙を貯め、歯を食い縛って下を向いた。
何も持たない弱者、誰かに庇護して貰わないと生きていけないペット。
過去がどうあれ、それが今の彼女だった。
「所有物に?」
「な、なります……!」
「ひっ……ぐすっ……!」
ミーナは、泣き震えるクリオネの頭に手を置いて撫でる。
「良く言った」
「金と武器はこのチンピラ共に返しておく」
ミーナはコインと武器を奴隷商達の上へ放り投げた。
そしてクリオネを抱え、歩き始める。
「泣くな泣くな」
「きっと何時か家にも帰れるさ」
「み、ミーナさん……」
「というワケで、背中御流しお願いします」
白く小さい手が、ロリコン女の頬を張り飛ばし、乾いた音が路地裏に響いた。
《登場人物紹介》
(ミーナ・V・フジワラ)
Age:28 Sex:女
髪の色:赤 目の色:緑
職:三等傭兵 (自称)
傭兵ランク:D(依頼主への不始末で、何度か降格された)
主な収入源:水車小屋からの使用料収入、水路管理、下着鑑定・転売
身分:自由市民
経歴:交差都市の王立学院支部で事件を起こし強制退学後、地元を拠点にフラフラと小さい女の子達を追い続けている。
好きなモノ:タバコ、ラクダレース、脂っこいガテン飯、17歳以下の少女
趣味:トレーニング・格闘技・狩猟・読書(エロ本)・妖精観察と言う名の女児観察
身長:181cm
体重:76kg
スリーサイズ:B デカい W 腹筋 H 太い
近所の評判:刑務所の塀の上をフラフラ散歩しながら生きてる、社会不適合者。ムダに怖いのでなんとかして欲しい。
最近の出来事:酔っ払って運河に向かってクソしようとしたが、フラついてクソごと運河に落ちた。
(以下、傭兵登録カード更新時の能力評価)
筋力:AAA 頑丈さ:SS 敏捷:B+ 生命力:SSS 魔力:C- 魔術:F- 器用さ:C+ 学力:カス 教養:下品 格闘:S+ 剣:SS 弓・弩:A+ 銃:A 騎乗:S 操船:F- 顔:AA 素行:クソ 評判:刑務所 危険度:公共の敵
ランク別依頼達成回数
S:15 A:29 B:56 C:68 D:140 E:15
ギルド支部長からの一言:拘置所にキミを迎えに行くのは支部長の仕事か~い??
総合評価:早期の投獄か社会奉仕を推奨。
(リン・シトマ)
Age:28 Sex:女
髪の色:黒 目の色:黒
身分:衛兵隊長
経歴:交差都市の軍事学校を卒業後、王都での就職に失敗してコネで地元の衛兵に就職。就職後、地元を拠点にミーナを追い続けている。
好きなモノ:ミーナ、ミーナの服、ミーナの下着
趣味:ミーナ・JYUDO・拳闘・オシャレ
身長:180cm
体重:72kg
スリーサイズ:B デカい W 腹筋 H 大きい
近所の評判:家の周りには近づかないで欲しい
最近の出来事:ミーナの家に侵入して、彼女の下着を着て、下着を嗅ぎながら寝ていた。
(以下、人事書類更新時の能力評価)
筋力:AA 頑丈さ:A+ 敏捷:A+ 生命力:SS 魔力:B- 魔術:B 器用さ:A+ 学力:天才 教養:下品 格闘:SS+ 剣:カス 弓・弩:C- 銃:A 騎乗:馬糞 操船:C- 顔:S 素行:変態 評判:悪徳衛兵 危険度:ミーナちゅっちゅっ
市長からの一言:市民に付きまとうのやめてね
総合評価:クビ一歩手前
主人公はフリーランス(不定期)です。
権利収入と不定期の傭兵依頼で、彼女は生計を立てています。
住居も実家を受け継いでいるので、家賃の支払いもありません。
拘置所へ入ったり出たりしている、気楽な独身お姉さんです。
因みに、拘置所は基本的に凶悪犯とか反乱軍とか盗賊とか、そんな人達がブチ込まれます。
自力救済社会だからね。余程じゃない限りは保釈金払って出られる。
主人公の住む街は【ロタリ都市同盟】所属です。
同盟の人口は約520万人で、規模では中の上ぐらいの勢力です。
彼女の住む町の人口は大体9500人程です。
辺境にある為、町そのものが同盟にフリーライドしていて、安逸と利益を貪っています。
しかし、市長のヘコヘコお辞儀と靴舐めで平穏と繁栄は保たれています。
他にも勢力がありますが、それはまた。
ここまでお読み下さりありがとうございました。
「面白かった」「これから期待している」「なんだこの主人公は」
「やっぱ半裸の少女って最高だな」「な ん で 貴 様 が こ こ 居 る」
「背中御流しお願いします」「少女を所有するって最高だな」
と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。




