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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第4章 臥竜鳳雛

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第130話 幸せな日常

今回から通常どおり、クリストハルトの視点で物語が進行します。

 教皇様に御礼として希少な魔力石を二ついただいた翌日、僕は珍しく早い時間に目が覚めた。

 窓の方を見るとレースのカーテン越しではあるが、うっすらと光が差している。

 いつもの起床時刻よりも、かなり早い時間のようだ。

 僕の右隣では、丁度カルラがベッドから降りようとしているところだった。


「カルラ、おはよう」

「ありゃ、起こしちゃったっすか? これから朝食の準備をするっすから、もう少し寝ていてくださいっす」


 いつもの整えられたサイドテールではなく、寝ぐせのあるストレートヘアでカルラが僕を見ている。

 カルラの寝起きって、こんな感じなんだな。

 彼女は皆よりも早く起きるので、寝起き姿は超レアだ。


「わかった。もう少し寝かせてもらうね」


 カルラが微笑みながら手を振り、寝室を出ていく。

 僕も笑顔で手を振り返し、彼女を送り出した。


 もう一度寝直す前に寝室の状況を確認すると、僕の左側で眠るリゼを飛び越えたその先で、いつもの光景が繰り広げられている。

 左端で眠るエルが、クラウを抱き枕にしながら羽交い絞めにしていた。

 幸せそうな寝顔のエルに対し、クラウは苦しそうにうめいている。


 以前僕もエルのHカップに顔を挟まれて死にそうになった経験があり、それ以来エルの隣で寝るのを避けてきた。

 Hカップの感触は魅力だけど、気になって一睡も出来ないからね。


 そんな苦い経験を思い出しながら左隣を見ると、リゼが僕の左腕にギュッと抱きついて静かな寝息をたてている。

 十二歳になって成長著しい我が妹は、どんどん女性らしくなってきた。

 ムニムニと左腕に当たっている双丘の感触から推測するに、Bカップに届いている気がする。


 それにしても、なんて可愛い寝顔なのだろうか。


 長く美しい銀髪を撫でると、シルクのように滑らかな肌触りだ。

 窓から差し込む淡い光に反射して、髪に美しい光沢ができている。


 銀色の長いまつ毛に高く形の良い鼻、思わず指でなぞりたくなる艶のある桜色の唇。

 僕はリゼの頬に手を伸ばし触れてみた。

 スベスベでとても柔らかい感触だ。


「んん……」


 リゼの口から微かに声が漏れた。

 危うく起こしてしまうところだったかも。

 さて、もう一度眠るとしますか。


「こんな平和で幸せな日常が、ずっと続くといいな」


 そうつぶやくと僕は、リゼの頬に優しくキスを落として再び眠りについた。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 何だろう?

 僕の頬に何かが触れている……

 僕が目を開けると、至近距離のクラウと目が合った。


「あっ、おはようクリス。朝食の準備ができているぞ」


 顔を真っ赤にしてクラウが僕を見つめている。


「クラウ、おはよう。リゼを起こしたら、すぐに行くね」

「ああ、リビングで待っているぞ」


 そう言うとクラウが足早に寝室を出ていった。

 どうしたのだろうか?

 だいぶ慌てていたようだけれど……


 それはそうと早く起きなきゃ。

 カルラの作ってくれた朝食が冷めてしまう。

 僕はリゼの肩を優しくゆすった。


「リゼ、おはよう」

「ん……お兄様?」

「朝食ができているよ」

「ふあ……むにゃ……」

「おーい、リゼ?」

「……」


 ダメだ、また眠ってしまった。

 うちの大聖女様は、とにかく朝が弱い。


「仕方ない、このまま運んでいくか」


 僕はリゼをお姫様抱っこして、リビングへ移動した。



 リビングにあるテーブルには、カルラが作ってくれた朝食が五人分並んでいる。

 エル、クラウ、カルラの三人は着替えを済ませて既に着席していた。


「皆、おはよう。待たせてしまってゴメンね」

「問題無いのだわ。寝る子は育つと言うものね」

「エルの言うとおりだ。しかし、いつ見てもリゼの寝顔は可愛いな。アタシも妹が欲しかった」

「わかるっすよクラウ。自分もリゼたんみたいな妹が欲しかったっす。それにしても、この寝顔を見ているだけで癒されるっすね」


 皆リゼに甘々である。

 とりあえず僕は、パジャマ姿のリゼを椅子に座らせた。


「ん……良いニオイ」


 リゼが微かに目を開いた。


「おはよう、リゼ」

「お兄様……おはよう……あれ? 私パジャマのままですね」


 ようやくリゼが、現在の状況を把握したようだ。


「大丈夫だよリゼ。僕もパジャマのままだし。朝食が冷めてしまうから、今日はこのまま食べてしまおう」


 行儀は悪いけれど、ここは帝城ではないので誰に怒られるわけでもない。

 この後リゼは、いつものように二人分の朝食を完食した。



 現在、着替えを済ませた僕とリゼは、リビングのソファーに座り紅茶を飲みながら皆とミーティング中である。


「さて、今後の予定についてだけど、意見のある人は?」


 僕が女性陣を見回すと、カルラが手を挙げた。


「では、カルラどうぞ」

「はいっす。カーム教国での用事が無いようなら、次はグロリア公国に行きたいっすね。珍しい食材を探して、皆に新しい料理を作るので食べて欲しいっす」

「そうだね、次に行くとしたらグロリア公国かな。でも、教皇様に希少な魔力石を二つもいただいたので、もう少しだけ巨大熊を狩るのはどうだろうか。そうすれば御礼を兼ねて、作ったばかりの魔法の杖を試せるし」

「「「「賛成!」」」」


 女性陣全員が賛同し、もう少しだけ巨大熊を討伐した後、グロリア公国へ移動することに決まる。

 僕たちは準備を済ませると前回と同じように北を目指し、左回りに教国内の全冒険者ギルドを巡ることにした。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 あっという間に二カ月が過ぎ、僕たちはカーム教国の南方、グロリア公国との国境近くにあるホリホックの町へ到着した。

 ここまで来ればあと少しで、出発地点の首都アベリアへ帰ることができる。


 早速冒険者ギルドを訪ねると、昼過ぎということもあり混雑はしていない。

 受付カウンターで魔物討伐の依頼を確認すると、特に無かったので次の町へ移動することにした。


 しかしギルド内を歩いていると、何だかいつもと違う視線を感じたのだ。

 いつもの視線というのは、インフィニティの美少女四人に対するもので、男特有の女性を見つめる視線である。

 今回の視線は僕に対するものが混ざっていた。

 何だか凄く嫌な感じがする鋭い視線だ。


 ギルドの外に出ると、クラウが近づいてくる。


「クリス、冒険者ギルドで変な視線を感じなかったか?」

「感じた。刺すように鋭い視線だったね」

「あの視線の正体が何なのか、アタシには分からないけど注意した方が良いと思う」


 僕は黙って頷くと、リゼの手をしっかりと握り、ホリホックの町を出ることにした。

 いったいあの視線は何だったのか……僕の心の中に、何とも言えない違和感が残るのだった。


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