211.とある年上女子の報告会SS 最終回
「え……あゆさん、いえ、あゆさまをご自由にさせるのですか?」
「ああ、そうした。娘はそれでいいと返事をした」
「その、つまり……鮫浜の力を行使出来なくなるということでお間違いないですか?」
「言わずとも分かるはずだ」
私が知らない間にそんなことになっていたなんて、思っていても口に出してはいけなかったのかも。
「そ、それで私の処遇はどうなるのですか?」
「あゆについていてやってくれ」
「許婚の彼についてはどう……」
「ソレはワシが話をつける。お前は我が娘を見守りながら、手を貸してやってくれ」
「は……」
姿を見せない会長だったのに、あゆさんに直接出会ったことで何が変わったというの?
何だかんだで父親だったということなのかな。
「し、しかし、母方は……」
「それは娘次第だ。猶予は一年とした。それまでに娘の意中の男、高洲湊を手に入れられなければ、その時はあいつと挙式をしてもらう」
「……義弟をあゆさんにですか……」
「話は以上だ。お前は引き続き、学生を続けて密かに見守れ! 頼むぞ、明海」
「は、はい」
鮫浜の会長が動くことでこんなにも物事が変わるなんて、平社員の私にはどうする事も出来ない。
それにしても高洲くんは、あゆさんを許せるのかな。今は栢森の思い通りにされているけど、君が本当に付き合いたい子をどうするのか、お姉さんは興味が尽きないな。
あゆさん、あゆを見守るのが私の仕事、仕事か。
頑張るしかないか、あの子たちの為に……




