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あなざーわーるど  作者: トム助
始まりと
3/38

魔法のこと☆

古びた小さな家のドアをノックする。


『はいよ』


『どーも』


ロブ爺は入れと促し座らせてくれた。昨日はなかった少し大きめの水晶があった。魔法の水晶かな。少し気になったがなにも聞かなかった。ロブ爺はどっかりと俺の前に座り込んだ。


『今日は魔法について教えよう。魔法には属性というものがあってその属性は数え切れんほどあるんじゃ。まずそれを調べてみよう。ほれ、そこの水晶に手をかざして力を集中させるんじゃ。やってみぃ』


だいぶ唐突だが、言われるがままにやってみる。出来るのだろうか。俺はこっちの人間ではないのに…。手をかざして集中してみる。しかし何も起こらない。あれ???やっぱり駄目か…。何度やっても同じ結果の繰り返しである。


『ダメじゃ、ダメじゃ。迷いがある。もっと心を落ち着かせて自信を持つんじゃ。スバルにも魔力はあるぞ』


昨日わけのわからないこの世界に飛ばされてきて、迷いがないはずないだろと心の中で突っ込みを入れるも、心を落ち着かせ、自信を持ち、俺にならできるぞと自分を奮い立たせた。


深呼吸をした後もう一度水晶に手をかざした。すると水晶は待ってましたと言わんばかりに光り輝く蒼き炎を煌めかせ、煌々と燃え始めた。俺の手は燃えているのに全く熱くない。スゴイ!!!出来たっ!!!


『ほう、ほう。上出来じゃ。しかし見事な蒼い炎じゃったのぉ。まぁ見ての通りスバルは炎属性の魔法ってことじゃな。それじゃ、修業を始めるぞい!!!』


『はい!…あの俺は何て呼べばいいでしょうか?やっぱり師匠ですか?』


『ロブ爺で良いぞ』


ロブ爺はにこっと笑った。


『はい!!!』


そして修行場へロブ爺に連れられて歩いて行った。そこは街から少し行ったところにある林の中にあった。誰かが修行したであろう後がいくつもある。


『誰かもここで修業を?』


『ハルやデントじゃな、基本は』


あの二人も頑張っているんだ。…一緒に生活する家族なんだ、俺も負けてはいられない!


『ではまず、炎を体に纏ってそれで攻撃する魔法の練習じゃな。こんな感じじゃ』


そう言うとロブ爺は杖を投げたと思うとその瞬間両手に赤い炎を纏い、あの小柄なロブ爺からは連想する事の出来ない俊敏な動きで飛びかかってきた。思わず目を瞑る。すぐ横で大きな音がしたと思うと隣の木が見事に切られていた。


今までよろよろしていたロブ爺とは思えない俊敏な攻撃だった。


『ポイントは両手にバランスよく炎を纏う事じゃ。まぁやってみぃ』


さっきの感覚で炎を出してみる。まず片手。いきなり、大きな炎が発生してしまった。慌てて弱める。すると小さくなりすぎてアルコールランプの火のようになってしまった。調整だけなのになかなか難しい。これを両手でやるのか。


『まぁ、最初はそんなもんじゃよ。根気よく頑張れ。両手で木を切れるようになったら来なさい。家でまっとるわい』


そう言うとロブ爺はまたよろよろと行ってしまった。難しいけど頑張ればできそうだ。ロブ爺をびっくりさせぎゃふんと言わせてやる。もう一回。今度はバランスよく、ちょうどいい具合で炎を作る事が出来たが、長くは続かない。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


あれからどれくらい経っただろうか。飯を食うのも忘れてもう夕方である。やっと両手に炎を纏う事が出来るようになった。後もうひと段階だ。動こうとすると炎がぶれて木を切るまでに至らない。夜までには何としてでも…。


両手に炎を纏い木に向かって飛びかかる。炎がぶれないように全神経を集中させる。


よしっ!俺が動き出しても炎の大きさは変わる事はなかった。いける!


そのまま木に向かって両手をクロスさせながら切りかかった…。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


もう夜中である。フクロウが鳴いている。するとロブ爺の家のドアをたたく音が聞こえた。まぁここまで頑張ったのだから根性はある方だとロブは思っていた。ロブは一日で魔法は習得できない事を知っていながらあえて難しい攻撃魔法を教えたのだ。まぁこれだけの根性があれば2週間ほどで習得できるだろうというのが彼の考えであった。


そう思ってドアを開けるとボロボロのスバルがたっていた。


『どうじゃ、出来たか』


『……来て下さい……』


『出来たのか?』


聞いても答えない。頑張りすぎて心がやられてしまっただろうか…。それだったら少しムリな修業をしてしまったのぉと思った。


修行場へ着いて、驚いた。なんと修行場の周りの木は切り倒され、倍ほどの広さに大きくなっていた。


『…俺にとって…ここは狭かったからさ…切っておきましたよ…』


そう言うとスバルは倒れてしまった。切った木の数ざっと三十本…。こやつにこんな魔力があったとは。この様子からみると何も食わずずっと練習していたと見える。倒れてしまったスバルをおぶり家まで送ってやることにした。


『明日は午後からでいい。朝はゆっくり休みなさい』


『はい…』


『明日からは応用を行うぞ』


そう言った時にはスバルはもう眠ってしまっていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


目が覚めた…。まだ寝ぼけている頭で昨日の事を考えた。あまり思い出せない。確か修業は午後からだったような…。


今何時だ!?


時計を見る午前十一時三十分。まぁ大丈夫か。腹が減って死にそうだったのでテーブルを見るとご飯が置いてあった。その隣には手紙。


「おはよう、昨日はお疲れ。ここに置いてある飯はちゃんと食べるんだぞ。今日は午後から修行場でと言っていたぞ。まぁ、ムリはするな。ゆっくりでもいいからな。            ハル」


あぁ、もう二人とも出かけちゃったのか。三分ほどでご飯をたいらげ急いで修行場へ向かった。

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