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19 DAM

〇女岩島小中学校、保健室。

 女医の杏奈、看護師あゆみと佐々木 果乃、紗雪小学生姉妹の四人が教師の実日子の帰りを待っている。

あゆみ「先生。私考えたんです。育人は新種のウイルス保菌者で私達はウイルスに感染して変心した。この姉妹は育人の髪に触れても変心しなかったのは、時間が経ったのでそのウイルスが死滅した。そうじゃないですか?」

杏奈「調べてみないと何とも言えないわ。そうね、育人の体内にある謎の体内物質を仮に『DAM』と名付けましょうか」

あゆみ「DAM…?どう言う意味です?」

 自虐的な笑いを浮かべる杏奈。

杏奈「母獣!雌親っていう意味よ。私たちにピッタリだと思わない?」



〇女岩島小中学校、教室。

 扉を開け、実日子が入ってくる。

 席に座った育人を取り囲む圭織、碧、まりなの女子中学生トリオ。

 女子中学生たちは育人にベタベタとまとわりついている。

実日子(育人が他の女にチヤホヤされていても別に嫉妬心は沸いてこないわ。むしろ、同じ年頃の女の子と話している育人を見ているとホッとする。育人さえ幸せならば他のことはどうでもいいの)

 実日子、慈愛に満ちた眼差しで育人たちを眺めている。

実日子「(ハッとして)いけない!いけない!」

 実日子、育人の前に立つ。

実日子「育人。杏奈先生がもう一本髪の毛が欲しいって」

育人「(頭を差し出し)だったら勝手に抜いてくれよ」

実日子「えっ!?」

 たじろぐ実日子。

育人「どうした?」

実日子「で、できないわ!例え髪の毛一本でも、育人を傷つけることはできません!」

育人「ふーん………」

育人「(女子中学生達に向かって)俺の髪の毛、抜いてくれ」

 圭織、碧、まりな、尻込みする。

圭織「だ、駄目よ!できません!」

碧「育人のためなら何でもしてあげたいけど、それは無理!」

まりな「ごめんね、育人!」

育人「仕方ねぇなあ」

 育人、自分の髪の毛を一本抜く。

育人「イテッ!」

 育人、自分の髪の毛を実日子に手渡す。

育人「(微笑んで)急いで持って行きな」

実日子「ありがとう!育人!」

 実日子、教室から走って出てゆく。



○同、廊下。

実日子「ああ!育人が笑いかけてくれたわ!」

 実日子、嬉しそうに髪の毛を握りしめながら走っている。

実日子(私達が育人に抱く感情は恋愛感情とか忠誠心なんて軽いものじゃないわ。もっと深い人間の本質的な物よ。私たちの母性がダイレクトに刺激されているの。育人は私達にとって唯一無二の存在。例え自分の恋人や子供がいたとしても、それ以上に大切な存在なのよ!)

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