13 女刑事
〇診療所。病室。
女刑事、越智 絵里香が杏奈に詰め寄る。
絵里香「先生!何か私に隠していませんか?」
杏奈「しょうがないわねぇ」
杏奈、スマホを取り出して通話する。
杏奈「あゆみさん。育人を連れて来てくれない」
絵里香「先生!お話を聞かせてもらえますか?」
杏奈「わかりました。すべて本当のことをお話しします」
あゆみに連れられ、育人が病室に入って来る。
絵里香「この少年は?」
杏奈「藤原育人。私たちのご主人様です」
絵里香「はあ!?ふざけないで!」
杏奈「育人。女刑事さんにご挨拶なさい」
右手を差し出す育人。
育人「あんた、名前は?」
絵里香「…………」
無言で育人を睨みつける絵里香。
育人、絵里香の手を取り、握手する。
絵里香「ウッ…………!?」
絵里香の全身に衝撃が走る。
全員、絵里香に注視を注ぐ。
絵里香、ゆっくりと育人の前に跪く。
絵里香「私、越智 絵里香と言います。ご主人様……って呼べばいいのですか?」
育人「育人でいいさ」
美咲「それじゃ、私、刑務所に行かなくてもいいのね!」
絵里香「ええ。正当防衛だと私が報告します。万が一、過剰防衛と言われても、執行猶予がついて刑務所には行きません」
美咲「それじゃ、ずっと育人の一緒にいられるのね!」
美咲、育人にしがみつく。
育人、冷たく美咲を払いのける。
育人「それじゃ、俺、もう帰るから」
杏奈「ごめんね、育人。手間かけちゃったわね」
育人「気にするな。俺たちは同志だ」
全員、育人の言葉に胸を射抜かれる。
あゆみ「同志ですか!」
美咲「素敵……!」
杏奈「うふふ。中学生の男の子が言いそうな言葉ね」
病室を出てゆく育人。
杏奈「さ―てと!それじゃ、私達は大人同士で今後の計画を練りましょうか」
美咲「(手を挙げて)私も!私も!」
杏奈「あんたは大人しく寝ていなさい」
絵里香「あのう、先生!計画といいますと?」
杏奈「育人のためにまず、この島を手に入れるのよ」
絵里香「それはまた、豪気な!」
杏奈「たかだか人口は192人の島だわ。それも女性が104人、男はたった88人よ」
あゆみ「女性は全員、育人の忠実なしもべになるでしょうが、男はどうします?」
美咲「邪魔だから、殺しちゃえば」
絵里香「88人も死んだらさすがに大事件です。隠し通せませんよ」
杏奈「馬鹿ね。殺したら誰がお金を稼ぐのよ。男は生かさず殺さず飼い殺しにしてATMになってもらわないと」




