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10 農機具小屋

○海岸沿いの道路。夕刻。

T「翌日」

 ノーヘル、二人乗りでバイクを走らせる雄太と美咲。

 バイクで山間の農道を登って行く二人。



○農機具小屋。

 小屋の前にバイクを停めた雄太。

 キョロキョロと周囲を見回しながら、小屋の中に消えてゆく美咲と雄太。


 そんな二人を、林の陰から見ている育人と杏奈とあゆみの三人。



○同、小屋の中。

 ブルーシートの上に横になり、抱き合ってる美咲と雄太。

 突然、小屋に乱入する杏奈たち。

雄太「な、何だ、てめえら!?」

美咲「育人!?」

 杏奈、手早く雄太の首筋に注射する。

雄太「な…!?」

 床に倒れる雄太。

雄太「か、身体が痺れて動かねぇ!」

 雄太の手足を縄で縛る杏奈とあゆみ。


美咲「あんたたち、雄太に何したンよ!」

育人「黙れ!」

 育人、人差し指で美咲の額に触れる。

 美咲の全身に衝撃が走る。

 たちまち大人しくなる美咲。

みゆき「すっごーい!一瞬で…!」

 ボーと座り込む美咲に顔を近づける杏奈。


杏奈「どんな気分かしら?橘 美咲?」

 突然、涙を流し育人にすがりつく美咲。

美咲「育人、ごめんなさい!私、あんたに何て酷いことしたンやろか!」

あゆみ「先生!指先で触れただけで別人みたいに変わりました!?」

杏奈「(興奮して)実際にこの目で見ても、信じがたい力ね!まさに奇蹟だわ!」

美咲「私、なんか変わったン?」

杏奈「あなたは育人の保護者になったのよ。これからは私たちと一緒に育人のためだけに生きてゆきましょう」

美咲「うん!そうする!」


杏奈「OK!育人、次はこのゴリラ男に触れてみて」

 育人、倒れている雄太の顔に触れる。

雄太「俺に触るんじゃねぇ!クソガキッ!お前ら、美咲に何をしやがった!」

杏奈「やはり変化はないわね。育人の能力は男性には効かないみたいね」

育人「これじゃ世界征服なんて無理だな。世界の半分は男だ」

杏奈「いいえ!世界の半分は女性よ。私たちに任せて!」


美咲「私も育人のためならなんだってするわ!」

雄太「何言ってんだ、美咲!早く俺の縄を解きやがれ!このガキ、今度こそぶっ殺してやる!」

美咲「こいつ、育人をイジメるのやめないわ」

育人「それに俺の秘密も見られちまった」

杏奈「私達で何とかするわ。育人は先に帰ってて」

育人「でも…」

杏奈「大丈夫よ。私たちに任せてちょうだい」

育人「わかった」


○同、山道。

 夕日に向かって、山道を下ってゆく育人。

 その後ろ姿を満足そうな表情で見送る3人の女たち。

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