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とある勇者様の小話。

台詞オンリー

 





 魔王「勇者ちゃーん」


 勇者「なんですか、魔王さま」


 魔王「珍しいお菓子が手に入ったからさ、勇者ちゃんにあげるよ」


 勇者「本当ですか? ありがとうございます!」にこー




 次の日


 魔王「勇者ちゃーん」


 勇者「なんでしょう」


 魔王「勇者ちゃん前にこのマドレーヌ美味しかったって言ってたでしょう? もらいものだけどよければどうぞ」


 勇者「わーい、魔王さんありがとうございます!」にこー




 次の日


 魔王「勇者ちゃーん」


 勇者「はーい」


 魔王「今日はねぇ、アプーパイを焼いてみたんだ。今さっきできたから一緒に食べよう」


 勇者「やったぁ! 魔王さまの作るアプーパイとっても大好きです!」


 魔王「そっか、嬉しいなぁ」


 勇者「なんか、毎日魔王さまに美味しいお菓子をもらってますねぇ」


 魔王「(まぁ、餌付けしてるからね)さ、勇者ちゃん、冷めないうちにアプーパイを食べようね」


 勇者「わー、美味しそう! 魔王さま、ありがとうございます!」にこー


 魔王(単純な勇者ちゃん、可愛いなぁ)




 ※アプー……りんごっぽい果物。アプーパイはできたてのあっつあつを食べるのが美味しいらしい




 ―――




 勇者「門番さんこんにちはー」


 門番「こんにちは」


 勇者「魔王さまからお菓子をいただいたので門番さんにもお裾分けです。あっ、甘いの大丈夫ですか?」


 門番「ああ、大丈夫だが……魔王様から?」


 勇者「はい。魔王さま、いつも何かしらくれるんですよ。昨日は町で一番人気のお店の焼き菓子を貰いましたし、その前は珍しい木の実が入ったクッキーを、その前は隣町の名産のフルーツでしたね。その他にも色々と。あ、たまに魔王さま自らアプーパイを作ってくれるんですよ! これがまた絶品で!」


 門番「勇者……お前……」


 勇者「なんですか、門番さん」


 門番「見事なくらい魔王様に餌付けされているな」


 勇者「!?」





 ―――





 魔王「勇者ちゃん、アプーパイが焼けたよー」


 勇者「魔王さま……」


 魔王「? どうしたの、勇者ちゃん。普段なら大好物のアプーパイに喜びいさんでくるのに」


 勇者「魔王さま、私、魔王さまに餌付けされているのでしょうか……」


 魔王「えっ?」


 勇者「魔王さまに毎日おいしいお菓子をもらってることを門番さんに伝えたらそう言われちゃいまして」


 魔王「(門番め……)あー……、確かにそう言われたらそうって言えるかもしれないねぇ。でもさ、勇者ちゃんは気にしてるようだけどそれって別に悪いことでもないよね」


 勇者「え?」


 魔王「私は勇者ちゃんとより良い関係を結べるし、勇者ちゃんはおいしいお菓子を食べれるしで損はないでしょう? 勇者ちゃんが気落ちするようなことでもないと思うんだけど」


 勇者「それは……確かにそう、ですね?」


 魔王「門番に言われたことなんて気にしない気にしなーい。それよりほら、アプーパイはできたての熱々が美味しいんだから早く食べよう!」


 勇者「……はい! そうですね! 魔王さま、今日もありがとうございます!」にこー


 魔王(単純な勇者ちゃん、可愛いなぁ)






魔王様、勇者を餌付けするの巻き。

勇者は露骨なアプローチは苦手としていますが、じわじわと攻められると気付きません。そして気付いた時には時すでに遅しでがっつり外堀埋められるタイプです。

そして魔王様はがっつり外堀を埋めるタイプです。

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