1:守護竜の目覚め1
2年ぶりの更新です。(大変お待たせしてしまって申し訳ないです。)
これからも亀並み更新になってしまいますが、どうぞよろしくお願いいたします。
ユーリウスが発動させた、クルール島の転送魔法陣からアクティアハート城敷地内にある各都市を結ぶ転送魔法陣が管理されている塔へと瞬時に転移した一行をいち早く出迎えたのは、徹夜で本日分の執務を気合と根性で片し切った、この国の第一王女、ヴェルフェリアである。
「・・・皆様、お帰りなさい。・・・・・・っ!フレイも、エリスも・・・無事で・・・本当に良かった・・・。」
「フェリア姉さま・・・」
「フェリア・・・余計な心配をかけてしまったね。」
一晩休んだことによりある程度回復したヴェルフレイドの魔力は容易に双子の妹であるヴェルフェリアとの共有回線を修復させ、簡素にではあるが事の経緯と、そして三名の客人を招くことを伝えていた。なので最初こそ、何時もの、毅然とした第一王女として立ち振舞おうとしていたヴェルフェリアだったが、やはり安否を気にしていた兄妹の姿を見つけると、客人の前だろうと、そのちっぽけな偶像すらも崩れ去り、本来のヴェルフェリアとしての性質が前面に出てしまう。・・・尤も、淑女らしからぬ行動ではあるのだが、本能の赴くままに二人に駆け寄りぎゅっと抱きついたヴェルフェリアを咎める者はこの場には誰一人としていない。
そんなやりとりを見ていたユーリウスは心底安堵の息を吐き、兄妹の感動的な再会に頬を緩め、レオンハルトとマーシェルはちょっとだけ羨ましそうな、それでも本来在るべき場所に帰って来れたことへの安堵の方が強いらしく、漸く肩の力を抜くことができたようだ。
その中で部外者的立ち位置であるルーチェもまた、時間にすれば約一日ちょっと離れていただけだというのに、もう何ヶ月も王都を離れていたような気分になり、自分も早く修道院に帰りたいなぁと、心を飛ばしていた。そして客人三名はというと・・・
「・・・へぇ・・・転移魔法って、俺たちが父様や姉弟に呼ばれる時みたいな感じなんだな。」
「そうですわね。ですが、それはわたくしたちの場合は媒介となる王族の生命石の欠片で作られたお揃いのブレスレットが存在するから、可能としているだけで、わたくし達以外の民達には通用しませんけれど、ね。」
そう考えると『魔力を用いた魔法』というものはとても便利ですわね。と、純粋な感想を述べるアルトゥールとヒルデガルド姉弟の傍では興味深そうに他の魔法陣を観察していたリーゼロッテが「・・・なるほど・・・形式は同じでも、行きたい場所と大まかな座標を呪文式に組み込むことで調整しているのね。理に適っているわ・・・」と、呟きながら瞳を輝かせていた。・・・何処に居ようとも、決してブレないのが宝石王国の王族達である。
「・・・そう言えば・・・フェリア姉さま、ルゥは?姉さまと一緒に真っ先に此処に来てても可笑しくはないのに・・・・・・」
ふと、首を傾げたエリュシフィアに、ヴェルフェリアは困ったような表情を浮かべ「実は・・・」と口を開いた。
「昨夜突然倒れて・・・・・・今も、治癒師達が懸命に処置をなさっているのですが、まだ・・・目を覚ましませんのよ。」
「えっ!?」
「・・・・・・ヒルダ姉。リズ姉。」
「・・・えぇ、間違いありませんわね。」
「純度が下がっているとは言え、【創造の女神】の能力を受け継ぐ私たちの神性と守護竜の魔力が召喚時にぶつかる結果となったわけだもの。・・・当然、私たちが優ったが為に、その反動で意識を失った、というのが最大の理由かしら?」
「・・・どういうことだい、リズ姫?その言い方だと他にも何か理由が・・・?」
「勿論あるわよ?・・・そうね・・・守護竜の領域に来たから理解した、というべきかしら?・・・私だけではなく、アルトやヒルダ姉様も大体の事は感じ取っているはずよ。」
そう言ったリーズロッテは、彼女の言葉を肯定するように頷いたアルトゥールとヒルデガルドを見遣った後、直ぐに、持ってきていた分厚い本を徐に開くと、その瞬間、開いたページが光りだし、すぅっと、その中から更に眩い光を放つブルーサファイアを惜しげもなく基盤に用いた、大きな羅針盤らしきものを出現させた。
「っ!?」
「『蒼玉』が司るものは『知性』だけではないのよ。・・・ご存知?同じ蒼玉でも色違いで名称が異なるもの、その一つ一つにきちんと『役割』があるということを。」
・・・このブルーサファイアは『天命』を司る宝石。ヒルダ姉様が『水晶』を通して全てを見知るように、私もこの『蒼天盤』で凡ゆるものの天命を識る事が出来るの。・・・まぁ、『蒼天盤』で天命を識るのは『探求姫』の流儀に反するから、滅多には使わないんだけれど。
そう言って、リーゼロッテはそっと『蒼天盤』に触れると、再びそれは眩い光を放ちながら、盤上に、リーゼロッテのみが識る事の出来る『天命』を映し出す。
「・・・・・私たちですら、【創造の女神】によって新たに創られた時から数えて、数十回近く身体を代えているのに、守護竜はずっとそのままなのでしょう?・・・これは人間にも云える事だけれど、『魂の休養期間』というのはとても重要な要素なのよ。」
エーデルシュタインの王族の場合、『天命』を全うした後、個人差はあるけれど凡そ数十年から数百年間は『魂の休養期間』に入るの。・・・現世で溜まってしまった『穢れ』を浄化するために、ね。それは人間が怪我や病気をゆっくり療養し完治させるようなものなのよ。・・・例えば・・・そうね、私が持つこの本も、きちんと手入れすればそれなりに長く良好状態を保つ事ができるけれど、最初に作られた時の、真新しかった頃にはもう二度と戻らないわ。そして頓ては朽ち果てていく。それが自然の摂理というもの。それは『魂』にも言えること。
―――――――特に、私たちや守護竜は【創造の女神】の影響が強く、長命ではあるけれど、その分、魂に蓄積されていく穢れや傷は人間の倍以上。そのまま放っておくと転生すらできず消滅してしまうこともありえるのだから。
そう言って盤上に映し出された結果を見て、リーゼロッテは大きな溜息を吐いた。
「・・・リズ姉?」
「・・・ここでぐだぐだと語った所で、当の守護竜が聞いていないんじゃ意味がないわね。ヴェルフレイド様、早急に守護竜の所へ案内してくださいな。・・・それから・・・ヒルダ姉様・・・」
「・・・えぇ。『魂の浄化』は、本来ならば『翡翠』の得意分野なのですけれど・・・ね。」
此処には居ない、ヒルデガルドとは4ヶ月違いの異母弟を脳裏に浮かべながら苦笑した彼女は「・・・まぁ、先に守護竜に結界の条件を書き換えて貰えればあるいは・・・」と呟いた。
「・・・アウグストさま?」
「王位継承権第4位の第二王子で『翡翠』を司っているんだ。・・・アスト兄って、姉弟一の大柄な体躯なのに、見かけに拠らず、誰よりも精神面で安定してるってのが不思議なんだよなぁ。」
勿論、見た目通り、腕っ節も強いんだけど。と、何処か誇らしそうに語るアルトゥールにとって、異母兄は武術全般の基礎を教えてくれた師でもある。
「・・・・・・『魂の浄化』・・・・・・もしかして、リズ姫、ルシオールの現状は想定よりも最悪の・・・?」
「ヴェルフレイド様がどう想定していたのかは知らないけれど、私たちは長くて十数年、最低だと2、3年以内には魂ごと消滅するだろうと予想していたわ。」
「!!?」
「なので、結果的に見れば、私たちはちょうど良いタイミングで呼ばれたと言えるわね。・・・状況によってはアスト兄様の加護も貰えるでしょうし・・・一応、魂の消滅は免れたと言ってもいいわ。・・・それでも、色々と限界は来ているみたいだけれど・・・」
明確な年数は敢えて避けて言葉を濁したリーゼロッテはにっこりと、そういう訳だから早く守護竜の所へ案内しなさいと、笑顔でヴェルフレイドに圧力をかけた。
―――――――それはもう、気が遠くなるほど昔の事だ。
この世界が創造の女神によって創世されて暫く経った後に守護竜が創られた。そう、名前の通り、本来ならば世界全土を守護する役目として、創造の女神の意志を継ぎ、神界から見守るだけの存在となる彼女の代わりとして、世界と共に成長し、祝福を齎す存在として君臨するはず・・・だった。
そう、あの時までは・・・・・・・・。
「・・・ルシオール。貴方に『使命』を授けます。」
【この大陸】はまだ、創造したばかりで無垢な状態・・・・・・きっと間に合うはず・・・。
女神の意思により創造した大陸を、天空高くから見下ろしながら、いつもは悠然と微笑んでいるような、穏やかな彼女にしては珍しく焦ったような声音だったと、生まれたばかりの私は、記憶している。
「・・・しめい?」
「そうです、ルシオール。貴方の力で、この生まれたばかりの大陸を護って欲しい。そして、時が経ち、貴方も、この大陸の人々も成長したならば・・・その時は・・・・・・」
「うん!ぼく、まもるよ!このたいりくをまもるよ!!」
女神に頼られたことが嬉しくて、直ぐ様結界を展開した私に、女神は苦笑しながらも頭を撫でてくれたのだったか・・・・・・その事も、幼い私には嬉しくて舞い上がってしまっていたのだ。
「・・・・・・・・・忘れないでくださいね、ルシオール?今はこの小さな大陸が貴方の箱庭になるけれど、この世界には他にも幾つか大陸があって、それぞれに生命の営みがあるの。・・・大きくなって、力を蓄えたならば、その時は他の大陸にも目を向けてあげてくださいね。・・・貴方のその力は、世界全土を守護するものだということを・・・」
どうか、覚えておいてください――――――――――――
だから・・・・・・私は忘れていた。
私の使命はこの小さな大陸の守護だけではなかったのだ。他にもある大陸・・・私が記憶している通りならばあと3つの大陸が、この世界には存在する。あぁ・・・何故、私は、こんなにも大切なことを・・・・・・
――――――――あの頃の貴方に全てを託すには幼すぎたの。それに・・・幼い貴方は【深淵の毒】に臆していた・・・。怖いものには近づきたくないという心理は理解できるわ。――――――――
・・・【深淵の毒】・・・・・・?
――――――――あの時、貴方も見たはずよ。他の大陸に生まれた邪悪な存在を。・・・何故、女神が貴方に新大陸を守らせようとしたのか・・・―――――――
・・・・・・・・・そうだ。私たちは、見つけてしまったのだ。あの全てを黒く塗りつぶしてしまいそうな程の強烈な悪意の塊を・・・・それで、女神は、私を・・・・・・
――――――――女神は、お前に【深淵の毒】の対処法と、それを成しうる存在を見つけ出し、後の世界を守ってほしいと願っていた。けれど、どんなに待っても、お前は一向に結界内から出てこないし、女神自身も【深淵の毒】と戦い続けるには・・・限界があった。何せ、【深淵の毒】とは、世界に淀む負の感情の集合体。世界が成長し生物が増えていくほど、増加するものだからな。―――――――
!!?では・・・女神は・・・・・・・?
――――――――それは、貴方自身の目で確かめてみるといい。――――――
突如、私の夢の中で聞いたことのない三人の声が響き、問答をすることになったが、感じる気配は・・・女神と同じもので・・・・・・まさか、女神は私の知らないところで私以外の守護者を生み出していたのだろうか?・・・出来の悪い長兄を罵りに来たのだろうか??
不安に潰されそうになりながらも、意識が浮上していく感覚が私を包んでいく。
「・・・・・・まさか、こんな事態になっても未だ守護竜の姿に戻っていないなんて・・・・・・」
人型から取り込める力など僅かでしかないはずなのに・・・。と、心底呆れたような声で呟いたリーゼロッテは、つかつかと淀みない足取りでルシオールに近づき、眠っている彼を見下ろした後、はぁっと深い溜息を一つ吐き、徐に自身の前髪を一摘みすると、それを勢い良く引っ張り抜いた。
「ッ!?」
勿論、その光景を見ていた誰しも(宝石王国の姉弟を除く)が、突然の行動に驚き絶句するが、当のリーゼロッテは気にする様子を見せず、抜き取ったばかりの髪をぎゅっと握り締め一言「生まれお出でなさい、『パパラチア』。」と呟くと、次に手を開いた時には髪の毛ではなく数粒の美しい蓮花色の宝石がそこに存在していた。
「あれ・・・ヒルダさんが見せてくれたのと同じ・・・?」
「そうですわね。ほぼ同じと言っても良いのですが、わたくしたちは自身の体の一部を使用することでより高い効力を持つ宝石を生み出すことができますの。・・・リズが生み出したパパラチアサファイアは『軌道修正と新たな一歩を踏み出す』意味を持つ宝石。どうか安心してくださいな。」
エリュシフィアの呟きに丁寧に説明をしながら、ヒルデガルドも同じく、自身の髪に指を滑らせ数本抜き取り、祈るように胸元で手を組み「命を繋ぐ『庭園水晶よ、此処に。』と囁くと、彼女の手の内側から眩い輝きが溢れ出す。
「リズ姉とヒルダ姉に守護竜を任せるとしても・・・このままじゃ部屋が壊れるだろうから・・・俺がやるべき事は・・・っと!」
姉達の行動を観察していたアルトゥールは不意に何処からともなく大小様々な金剛石を取り出すと、部屋の隅々に投げ飛ばし、パチンと高らかに指を鳴らすと、それらは煌きながらお互いを結び合い、虹色の防壁を作り出した。
「・・・何をしたの?」
「ん?あぁ・・・結界の応用っていうか・・・この部屋だけ空間を歪めたんだよ。リズ姉たちが今からやろうとしてんのは守護竜を本来の姿に戻すことだからさ。」
「?」
「長生きしすぎてる守護竜の体格って相当だと思ったから、被害が出ないようにしてるってわけ。」
何も手を打たなければこの部屋どころか、王城の大半が破壊されると思うぜ?と、肩を竦めたアルトゥールにエリュシフィア達は言葉を失った。しかしアルトゥールは「まぁ、エリス様達の魔法で壊れたとしてもすぐに復元出来るんだっけ?・・・でもまぁ、面倒はなるべく避けるべきだろうからさ。」と苦笑した。そんな彼に、ヴェルフレイドが疑問をぶつけた。
「・・・結界の応用とはどういうことなんだい?」
「あぁ・・・えっと・・・どう説明するかなー。・・・俺の金剛石の結界は今現在、この部屋以外に作用してるんですよ。」
「・・・?」
「つまりこの部屋だけが結界の『外側』で密閉された空間になるんです。でもそれだけならここで起こる事象はこの部屋だけに適応されるだけなんですけど、俺の結界はさっきも言ったとおり、空間を歪めている・・・つまり通常の時間軸外になってるんです。」
「・・・・・・・?」
「まぁ、口で説明するより実際に見たほうが早いか。エリス様でもフレイ様でも誰でもいいよ。適当に攻撃魔法を、壁側に向かって放ってみて。」
そうアルトゥールに促され、エリュシフィアとヴェルフレイドは顔を見合わせ、結局はヴェルフレイドが、恐る恐るではあるが、青白い炎球を掌に生み出し、放った。
「!?」
通常ならば、結界に遮られ消滅するはずの炎球は勢いもそのままに飛び続けているようにも見えるし、その場で留まり続けているようにも見える。しかし確実なのは結界に触れているはずなのに消滅しないという事だ。
「こちらから見る分には同じ場所にあるように見えるけど、実際はかなり遠くまで飛んでるはず。・・・ほら。手を伸ばしても届かないだろう?」
徐に炎球に近づき手を伸ばしたアルトゥールだが、それに触れることはできず、まるで幻を掴むような光景に、彼らは驚きを隠せない。そんな彼らを横目に、アルトゥールは再びパチンと指を鳴らすと、今度こそ炎球は消滅した。
「消えた・・・」
「結界を通して支点となる金剛石に吸収させたんだ。別に、あのまま放置してても良かったんだけど、もしもの事があるといけないからさ。」
歪んだ空間とは言えどこまでも無限に広げられるわけではない。放置しすぎればいずれ容量過多になり、現実空間にまで悪影響がでる可能性も否定はできないと、続けてそう説明したアルトゥールはすっと、視線を姉達の方へと投げた。
リーゼロッテとヒルデガルドは目的に応じて生み出した宝石に祈りを込めながら、静かにルシオールの身体の上にそれらを乗せていく。そして、彼女たちの準備が整うと、アルトゥールも自身の髪の毛を数本抜き取り、「癒しの石よ。」と言葉を添え、掌に大粒のグリーンダイヤモンドを生み出し、ぽいっと、ルシオールの真上へと放り投げた。
その瞬間、優しい緑の光が彼を包み、そしてそれに応えるようにそれぞれの宝石が淡い輝きを放ち、溶け込むようにルシオールの中へと入っていく。その幻想的な光景に誰しもが固唾を飲んで見守っていると、不意にルシオールの瞼がピクリと動いた。
「ん・・・」
「・・・おはよう、守護竜殿ッ!!」
「ッ!!?」
それを確認したアルトゥールは迷うことなくルシオールに近づき、ぐいっと、彼の上半身を掴み上げると迷うことなく拳をその頬に叩き込んだ。無論、無防備状態で受けたその衝撃は途轍もなく、容赦なく彼を吹き飛ばし、そして・・・
ぼふんッ!!
思い破裂音と共に姿を現したのは巨大な黄金の竜だった。
アルトゥールの暴挙を止める暇もなく、現れた巨大な黄金の竜の姿に宝石王国の姉弟以外の者たちはただ唖然とするしかなかった。
「・・・・・・良かったね、フレイ兄さま・・・アルトくんの結界があって・・・」
何とか言葉を紡ぎ出したエリュシフィアも、本来言いたかったことはきっとこれではないはずだ。
「あぁ・・・確かに、結界がなかったら大惨事になってたな・・・・・・」
想像したよりも遥に巨大な体躯の竜の姿に、ヴェルフレイドは思わず乾いた笑いを零した。しかし、その脳裏にはアルトゥールの結界が無かった時の惨事が描かれている。いくら魔法で復元可能とは言え、一瞬にして王城の大半を軽く吹き飛ばせるサイズである。
「・・・一体、彼らは『何者』なんですの?」
同じく、若干顔を青ざめさせて問いかけてきたヴェルフェリアは大凡のことはヴェルフレイドから聞いてはいるものの、果たして宝石王国の姉弟達は自分たちと同じ人間なのかと、思わずにはいられない。
そんな彼らを他所に、宝石王国の姉弟達は相変わらず我が道を行くのである。