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幕間 アーニャちゃんのお作法講座


アーニャです。

十二歳です。

さっきまで、お父さまにレヴェランスを教えていました。

ところで皆さん。

お父さまは、

「レヴェランスさえ覚えれば何とかなるだろう」

と思っていたみたいです。

なりません。

宮廷で立派なご婦人らしく振る舞おうと思ったら、覚えることはほかにもたくさんあります。


1. レヴェランス(カーテシー)


まずこれです。

膝を曲げればいいわけではありません。

足の位置、腰の落とし方、背中、顔、手。

全部です。


2. 立ち方


ただ突っ立っていてはいけません。

背筋を伸ばして、肩の力を抜いて、ドレスをきれいに見せます。


3. 歩き方


お父さまみたいに大股でずかずか歩いてはいけません。

裾を踏まないように、歩幅にも気をつけます。


4. スカートの扱い方


階段や段差では、必要に応じて裾を扱います。

でも、持ち上げすぎてもいけません。

お父さまは最初、釣り上げた魚みたいに持っていました。


5. 座り方と立ち上がり方


大きなスカートがありますから、いつものように椅子へどさっと座るわけにはいきません。

立つときにも、裾を引っかけないようにします。


6. 部屋への入り方・退出の仕方


誰がいるのか。

どのくらい頭を下げるのか。

自分より身分が上なのか、下なのか。

宮廷では、ただ「こんにちは」と入ってくればいいわけではありません。


7. 人への話しかけ方


相手の身分によって、呼び方も距離の取り方も違います。

声が大きすぎてもいけませんし、ずっと黙っていても困ります。


8. 会話の仕方


相手の話を遮らない。

自分ばかり話さない。

笑うときも騒ぎすぎない。

……これ、お父さまには意外と難しいかもしれません。


9. 扇の扱い方


扇にも持ち方があります。

適当にぶんぶん振ってはいけません。


10. 舞踏の作法


相手への挨拶。

立つ位置。

手の取り方。

踊り終わった後の礼。

踊りそのものだけ覚えればいいわけではありません。

……まだあります。

服装。

食事。

訪問。

紹介。

目上の人への接し方。

舞踏会で誰とどのくらい話すのか。

全部説明していたら、幕間だけで一章終わってしまいます。

ですから今日は、

「とにかく大変だってことが分かればいいです」

ということで。

それにしても――。

私たちが何年もかけて覚えていくことを、大人になった男の人が突然、

「次の舞踏会までに覚えてください」

と言われるんですよね。

それは大変ですねー。

お父さま。

それから、これから招待状をもらう皆さん。

頑張ってください♡

アーニャでした。



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