序章
「神が暴れ始めたぞ!」
告げられたその言葉は、対神霊叛逆教会を支配する。
部屋の隅から聞こえる重厚な音は、対神霊叛逆教会の兵士の重厚な鎧だ。
「くそが!」
声を荒げるのはカール。俺と同郷で、親友であり、そして、故郷を破壊された。
「……声を荒げても変わらない。ただ殺るしかない」
「誰をだ?……天使か?神か?それとも神聖霊教会を滅ぼすと?」
「出動要請!待機兵は聖域に行くように!」
軍事司令長官の声が聞こえる。
それは冷静で、怒りを表す。
その声が、この対神霊叛逆教会を呼応させる。
そして、空気は熱気と怒りに包まれ、教会自体を飲み込む。
「早くいくぞ。お前はそのまま呆然と立ち尽くすままでいいのか?」
「行く……」
「はっきりしろ」
「行く!」
俺たちは、この兵全体が、対神霊叛逆教会準備室に入る。
「お前らは初期兵装装着!基本的に戦闘能力が高いやつに特別兵装をやれ」
初期兵装。これは基本的に『聖域耐性』という魔法が組み込まれている。
この『聖域耐性』はなぜ必要か。
それは、聖域内部は物質再構成という魔法で覆われているからだ。
これは一度物質を再構成し、元の形に戻すというものだが、人間にはその物質を再構成されると、一瞬で崩壊する。
つまり、その耐性というか魔法が壊れれば、一瞬で死ぬ、ということだ。
そのリスクを極限まで減らしたのが特別兵装というやつだ。
これは、聖域耐性のほかに、物質強化と、万物不動という魔法が組み込まれており、ほとんど壊れない。
――余談だが、戦闘能力が高いやつとは、『能力』持ちか、途轍もない時間をかけて鍛錬をし、軍事司令長官に認められた存在である。
❊ ❊ ❊
俺は初期兵装を着用し、ここから数メートル離れている聖域前までの転移装置を潜る。
転移している時、ふと思い出す。
目の前で母と父が、とても無残な姿で死んだ。
天使によってやられた。
それだけだ。
生み出したその元、神を殺す。
その悲願だけで、今俺はここにいる。




