爆薬③
爆薬の基礎は、「点火」「起爆」「導爆」というプロセスを経る「雷管」の部品が重要だ。
正しい雷管の作り方を知らないと、良い火薬があっても上手く爆発しない。ただ燃焼して終わる。
で、雷管用の火薬は専用の火薬が必要になる。
ただの黒色火薬では、雷管は作れない。
だから、調合前の、火薬の材料も購入しておいた。
硝石をそのまま使うのではなく、銀や銅と酸で反応を起こして硝酸銀か硝酸銅にする必要がある。
銀を使うと安定するが、銅を使えば反応が過敏で事故を起こしやすい。
安全のためにも、銀を使う。
火薬の調合の間に純水も必要になるが、そこは魔法で何とでもなる。
ある意味、日本で調達するよりも簡単だ。
で、これらをコチョコチョやって雷管は完成。
詳しい方法はネットで公開できない類の情報であったけど、途中でゲームシステムのサポートが入り、メーカー側からの説明を受けることになった。
説明で言われたとおりの事をやっていたから、たぶん上手くいっているはず。
たぶんも何も、ゲーム内限定の仕様や法則で作らせることによって、リアルには応用の出来ない事を学ばせているんだろうなと推測している。
本当は、こういった危険物を取り扱うのには専門の資格が要るんだけど。
ここ、ゲームだし。一部の情報をオミットしてしまうなど、わりと無茶が利く。
ある程度はリアルの情報だけどね。完全にリアルである必要は無い。
ゲーム内ではゲーム内で、ここでしか効果を発揮しない情報もあるし、爆薬や雷管に関する知識もファンタジー世界のそれに書き換えられているという事だろう。
ただリアルを追求するより、妥協とは違う形のファンタジーでないといけない世界があるのだよ。
そんなこんなで工事用爆弾一号は完成した。
硬い岩盤を砕くための、専用の品だ。
けして、戦争用ではない。
「村長。本当にいいんですかい?」
「外向けの説明、神殿への対応は必須だろうよ。
いいも悪いも、配慮しない方がより面倒だぞ」
出来たものに関しては、製法を含め、本土の神殿に検証・審判を求めることにした。
一応、作っていい事にはなっている。
が、出来たものを見せなかったり詳しい情報を提示しないというのは、義理などの問題でやらないほうがいい。
「こういうものを作りました」と報告することで、より平和に物事を進められるのだ。
事前確認で問題無いと分かっていても、できたものの報告ぐらいはするべきなのだ。
と言うか、「配慮できる人間アピール」をしたいだけなんだけどね。
こうやって周囲に気を遣ってますよと示すと、ちょっとボーナスが入る仕様なのだ。主に対人関係で。
「作った物に責任を持つ」じゃないけど、それぐらいの手間は惜しむべきではないのだ。




