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爆薬①

 俺は石切場の方にも、たまにだが顔を出す。


「ん? どうした?」

「あ、村長」


 そうして顔を出してみた石切場では、作業員が集まって何かを相談していた。

 彼らが相談しているところ、そのすぐ近くを見れば。


「岩盤か。なんともならないのか?」

「建材としても使えねぇ岩盤っすから。砕くだけなんすけどねぇ」


 足元には、普段持って来られる石材とは明らかに色合いの違う、やたら硬そうな岩盤があった。

 話を聞くと、実際に相当硬いのだが、建材としては全く使い道のない種類の岩だという。


 時間をかければこれを砕いてその先にある使える石材を掘り出せるのだが、かかる手間を考えると無策で挑むのも躊躇われる。

 何かいいアイディアが無いかと、頭を突き合わせて相談していたところだったようだ。


 なお、普通に岩盤を割るなら、穴を穿って楔を挿しこみ穴と穴の間を割っていく方法となり、手間がかかる。



「爆破するか?」

「爆破? 村長の魔法に、そんなのがあるんですかい?」

「魔法じゃない。爆薬を使うんだ」

「……爆薬?」


 どうするかと悩むみんなだが、俺はこういった時の定石として、爆破という方法を提案してみた。


 すると作業者のリーダーは眉を寄せ、難しい顔をする。


「火薬は分かりやすが、燃えるだけのシロモノでしょう? 爆薬なら岩盤を割る力があるんですかね?」


 このリーダーは、火薬の事は分かるが、爆薬の事は分からなかったらしい。

 分からないから、判断がつかないようだ。


 「だったら」と、俺は提案することにした。


「今回は用意が無いからな。俺の魔法でどうにかする。

 次に何かあった時のために、爆薬は用意しておくとするよ」

「助かりやす。村長」


 硬い岩盤には何度も悩まされてきたという作業者たちは、思わぬ便利アイテムの予感に表情を明るくした。


 責任重大だね。

 期待させるだけさせておいて、「できませんでした」は最悪だから。

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