表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャラメイクに失敗して幼女になった僕は、いつの間にか最凶ギルドのマスターに!?  作者: 向原 行人
第4章 幼女護衛ギルド設立

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/37

第34話 散歩

 GvGで初勝利、というか不戦勝? を得た僕たちは、相手が最強ギルドと名高い『聖母の癒し』ギルドであったため、あっという間にネットで噂になってしまった。

 ネットに書かれた内容としては、


「ギルドマスターが美幼女で、変態ロリコン紳士の集まりである」

「ギルドマスターが語尾に『のじゃ』の付くロリババァで、妖術を使ってプレイヤーを駒として育てている」

「ギルドマスターが美少女で、スク水は着用するけど、一緒にお風呂へ入ってくれる」


 と、根も葉もない話ばかり。

 噂話に尾ひれ背びれは付く物だろうけど、それでも酷いものがある。

 それと最強ギルドと同盟を組んだ事についても、僕たちが結成直後のギルドだったという事もあって、変質者の集まる最凶ギルドの名が付けられてしまった。

 ただ、僕と育代さんが知り合いだっただけなのに。

 しかも、次の日曜日のGvGや、その次の土日のGvGでは、僕がメイド服を着て戦ったからか、ネット上でロリメイドというニックネームまで付けられてしまった。

 けど、あのメイド服は激レアと呼ばれるだけあって、防御力も魔法防御も高くて、おまけに肌の露出が少ない優れ物なんだっ!

 まぁ、メイド服を装備した状態で、深く考えずに猫耳カチューシャを装備していた僕も愚かだったんだけどさ。

 とはいえ噂話はさておき、知名度だけはあるので、メンバーがどんどん増えて、とにかく大所帯になっている。

 目下の所、ひたすらギルドスキルを要員拡張に振り、何とか拠点となる家を購入しようと頑張って居た。

 相変わらず変なコスチュームをプレゼントされたり、お尻や脚に視線を感じる事はあるものの、楽しくゲームの世界を過ごして居る。

 そして、初めてのGvGから十日程経った頃、


「よし、今日も頑張ろう……って、誰も居ない? あー、学校の創立記念日だからって、平日のお昼過ぎにログインしたのは失敗だったかな?」


 プレイヤーが殆ど居ない、旅人の街の冒険者ギルドへ訪れた。


「最近は、いつも二、三人はギルドメンバーの誰かが一緒に居るから、一人で街を歩くのは久しぶりかも」


 冒険者ギルドの中だけでなく、街の中にも殆ど人が居ない状態で、ゆっくりと街並みを長めながら散歩をしてみる。


「あ、噂のロリメイドさんだ。今日は、メイド服じゃないのー?」

「あはは。あの服は、戦う時だけですよ」

「そっか。じゃあ、GvGで出会える事を楽しみにしているねー」


 小学生でこのゲームをプレイしているのは珍しいのか、それともネットで有名になったからか、初対面の人からも話し掛けられるようになった。

 現実の僕には有り得ないコミュニケーションだけど、こういうのも悪くないのかもしれない。

 引き続きプラプラと散歩を続け、街の中には花屋さんがあったり、牛乳屋さんがあったりと、リアル過ぎるが故に、気付いて居なかった物を、新たに発見していく。


「こっちは何があるんだろう?」


 今まで存在すら知らなかった、ちょっと細い路地へと入ってみる。

 隣の通りへと抜ける近道だろうか。ちょっとワクワクしながら歩いていると、


――ペシッ


 突然、足に何かがぶつかった気がする。

 何だろうと思って、足元を見てみると、半透明の良く分からない物体が纏わり付いていた。


「えぇぇぇっ!? 何これっ! 気持ち悪いっ!」


 モンスターだろうか? だけど、街の中でモンスターが出現する事は無いはずなのに。

 散歩のつもりだったので、武器も防具も装備しておらず、旅人の服と上靴だけの格好だったので、慌てて装備を整えようと、ステータスウインドウを開き、


――スッ


 何かが視界を遮ったかと思うと、突然視界が真っ暗になってしまった。


「しまった! 暗闇状態だっ!」


 この状態ではステータスウインドウも操作出来ない。

 何も見えない状態で、とにかくこの場から離れようと思ったけれど、どいう訳か足が動かない。


「えっ!? どうしてっ!? やだっ! 怖いっ!」


 何かが足に絡みついている? いや、足だけではなく、腕も動かない。

 一体、何がどうなっているの!?

 ジタバタと抵抗する事すら出来ないまま、異様に長く感じた不安な時が過ぎ、ようやく暗闇状態から回復した。

 最初に視界へ映ったのは、バカみたいに澄んだ青い空。そして、ゆっくりと建物の屋根が動く様子が見える。

 違うっ! 屋根が動く訳なんてなくて、僕が運ばれているのっ!?

 仰向けに寝転ばされ、静かに、そしてゆっくりと何処かへと移動している。


「――むーっ! むぅーっ!」


 何かで口が塞がれている!?

 ロープみたいなもので、手足が縛られ、身動きも取れない。

 これは一体何なの? 街の中だから、何かのイベント? でも、こんなのネットには載っていなかったよ!?

 そして、何も出来ないままに、どこかの建物の中へと運びこまれ、そこで動きが止まり、床に転がされた。

 相変わらず手足は動かないけれど、顔を動かしていくと、ここはどこかの家の中みたいで、椅子に座る中年男性が居る事に気付く。

 その直後、


「やぁ、ツバサちゃん。久しぶり。ダンサーになったんだね。ギルドを創ったんだって? オジサンも是非入れて欲しいなぁ」


 どこかで聞いた事のある声が耳に届く。

 思い出せないけれど、どこかで見た事がある顔で、僕は何とか視線を男性の上へ向ける。

 そこには、白い文字でプレイヤーの名前が表示されていた。

 クマヨシと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ