第7話 魔王の部屋に
「おい、魔導師たち、この穴から上にいけるようにしろ」
「「「「はい」」」」
「ッチ、偉そうにしやがって、どれだけ大変なのか分かってるのかよ」
「まぁ、そう言わないで、頑張ろうぜ。これが終わったら金が手にはいるんだから」
「そうだな」
おい、魔導師たちよ、聞こえておるぞ。そんなに俺って嫌われてるかなぁ?
・・・10分後
息を切らしながら魔導師たちがやって来た。
「勇者様!終わりました」
出来は素晴らしい。最初の方は。上に上がるにつれて形が歪になっていく。
この出来なら俺は2秒もあればもっと完璧にできる。
でも、戦う前に魔力使いたくなかったから頼んだけど、自分でやったほうがよかったかな?
魔導師たちは「やりきった!」という顔をしている。
仕方ないから褒めるか
「凄いな、お前たち。流石だ」
「「「「ありがたきお言葉」」」」
「おい聞いたか?勇者にはこんなの絶対出来ないって」
「そうだな」
だから、聞こえておるぞ。魔導師たちよ。
じゃあ、階段を登ろう。
魔王の部屋に着くまで3分かかりました。
本当なら30秒で登れたはずなんだけど、魔導師たち体力ないし、騎士団たちも息を切らしている。
そんなに早かったかな?
そして、魔王の部屋だと一発で分かった理由。
それは、椅子の上にローブを着て仮面をしている思ったより小柄なやつが、階段の上にある豪華な黒と銀の椅子に座っている。
それに小柄なやつは凄い魔力を放っている。
俺は死を覚悟した。それほどまでにヤバい相手。
だが、これが分からずまだ勝てると思っているやつが多い。
正直コイツら邪魔だ。
「思ったより速かったのう。出来れば扉から入って欲しかったのじゃが」
魔王が話しかけてきた。声は女性の声だった。魔王って、女なの?