八話
王様の一言に唖然とするペスト、神子、巫女。
「·························は?」
拓は何も思わないのか、無表情と無言でいる。
しかし、神子達は顔を驚愕に染めたまま聞き直す。
聞き間違いであることを心の底から願って。
「………もう一度言って貰えませんか?どうやら耳が異常な単語捉えたようで」
「はぁ、構いませんが。魔王が来るのは今日です。国で随一と誇られる占い師が言ってましたので」
顔を真っ青にしているのはペスト、巫女、神子のみ。
国兵の者たちは皆無表情、国王は期待の目を神子巫女の二人に向けている。
巫女神子は同時に同じ方向に目を背ける。
その先に居るのは頭上にクエスチョンマークを浮かべている。
気付いていないの?と、どことなくそんな事を訴えている顔にも見える。
拓は、拓だけは気付いている事実がある、だが拓は動かない。
皆それに気付かず、国王は話を続ける。
「神子様と巫女様は知っていると思いますが、魔王と言うのは意志ある天災の総称です。
ですから数多の魔王が存在しています」
「ふ~ん、そっか」
拓は興味無さそうに聞き流す。
国王は困ったように巫女たちに目を向ける。
だが彼女たちは拓に目を向けている。
本人は一人の兵士を凝視し、あまつさえその兵士の体中を隅々まで観察しているかのように眺めている。
「………お前、国王の隣に来い」
拓は低い声で、冷徹に声を掛ける。
呼ばれた兵士はビクッと肩を震わせつつゆっくりと国王に近付く。
その行動に誰も口出ししない。
否、口出し出来ない。
兵士が国王の隣へとたどり着く。
「………」
「………」
誰も声を発しない、無論拓も。
全ての者が同じ疑問を抱いているが、誰も口を出さない。
数秒の間、無言の静寂が続いていたが、静寂を拓が破る。
「どうした? そいつを殺さないのか、魔王様?」
「「「ッ!!」」」
進行は遅いけど、わざわざ読む人なんてそうそう居ないだろうから、
ペースはのんびりです。
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因みに一話分をもっと長くってのは無理です、時間的に。