十話
ペストの活躍により魔王騒動は呆気なく終わった。
だが、呆気なさ過ぎて固まっている。
皆の視線の先には魔王の首を抱えるペスト。
興味無さそうに、そしてどこか残念そうな拓。
「あれがこの世界の魔王か、期待外れだな」
拓のその呟きが聞こえていたのは隣に立っていたペストのみ。
「で、では、お礼としてお食事をご用意致しますので、拓様とペスト様のお二方は客間でお待ちください。お連れしなさい。巫女様と神子様は着替えの方を済ませましょう」
拓は欠伸しつつ兵士に付いて行く。
その後をペストが呆れながら、だが目は悲しそうにして向かう。
それに気付いたのは魂の回廊が繋がっている拓だけ。
拓たちが王室を出た後に神子たちが案内され、魔王の死体が処理された。
拓たちは客間に連れられ待機している。
「なぁ、ペスト」
拓がソファーに寝ながらペストに声を掛ける。
「何?」
「この世界の魔王があのレベルなら、俺は魔王に堕ちるぞ。そうしなきゃ楽しめそうにないしな」
詰まらないと言う理由で魔王になろうとする拓にペストは呆れながら応える。
「その必要はないと思うわ。アレは複数いる魔王の一体に過ぎないわ。その内あなた並みの魔王とだって会うでしょ。その為にはあなたは目立って、目を付けられる必要があるわ」
「あ~、了解。俺は楽しめればこの世界には文句はないからな」
そう言って眠りにつく拓。
ペストそれを見守り続けるだけ。
数十分経過し、兵が呼びに来た。
「お待たせして申し訳御座いません。準備が出来ましたのでご案内します」
拓は閉じていた目を開き、身体を伸ばしながら起こす。
「はいよ。んじゃ行こうか」
「ええ」
食間に着いたが、長テーブル奥の方に座っていたのは王、王の婦人らしき女性、そして娘らしき女の子。
中間には両サイドに神子と巫女。
俺らは手前に座ればいいらしい。
席に着くと何故か視線を感じる。
前を見ると正面の王と女王、そしてチラチラ此方を見る王女。
困惑してペストに目を向けると、どこか怒っているような雰囲気を出していた。
「??えーっと、何?」
諦めて王に直接聞く。
「あ、いえ。お話は食事をしながらにしましょう。楽しい方が良いですから」
王は食事を促す。
巫女達も困惑しているような顔をしていたが、王が食事を始めたので他の者も食事を開始する。
一通り食事を終えたところで王が話し始める。
拓はまだ食べ続けているが気にしない体で行くらしい。
「え~、ではまず。お二方、本日はありがとう御座いました」
「別に。やったのはペストだし」
拓は食事をしたいがために簡潔に。
「お気になさらず」
ペストは冷たく。
王は苦笑し、話を続ける。
「提案なんですが………拓様、娘と結婚しませんか?」
今回は良い進め方ではないです、急ですし。
まぁ……はい、ではでは




