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チート転生-おふとんで『うにうに』するだけで今日も世界は平和だった-  作者: あーのるど
閑話 その後

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閑話④(第百話) マイカとアイナ

 ふわぁっとした風が通り抜ける。

 気持ちいい爽やかな風。

 空気は澄み。

 さらっとしている。

 やわらかな春の光。

 ぽかぽかである。

 お部屋いっぱいにも。

 春の優しさが広がっていた。


「んーっ」


 ユウトは大きく伸びをする。

 おふとんの中は。

 今日もぽかぽか。


「きもちいぃ……」


 うにうに。

 うにうに。


 もう少しだけ。

 この至福な時間を。

 そう思った時。


「おぎゃー、おぎゃー」


「わわっ」


 隣のお部屋から元気な泣き声が聞こえた。


 一人が泣くと。

 もう一人もつられて泣く。


「おぎゃー、おぎゃー」


「おぎゃー、おぎゃー」


 大合唱である。

 しかし。

 ユウトはぱっと起き上がる。


「マイカとアイナがよんでる」


 ぱたぱた。


 急いで走っていく。


   ◇


「おはよう、ユウト」


 お母さんは優しく笑った。

 腕の中にはマイカ。

 おふとんではアイナが小さく手足を動かしている。


「おはよー」


 ユウトは元気いっぱい。

 まずはアイナの頭を。


 そーっと。


 なでなで。


「おはよう」


 次はマイカも。


 なでなで。


「おにいちゃんだよー」


 すると。

 二人は小さく手を動かした。


「わぁ、かわいいなぁ。おへんじしてくれたね」


 お母さんはくすっと笑う。

 そして二人をあやしながら


「よかったねー。マイカ。アイナ。大好きなお兄ちゃんが来てくれたよー」


 一人ずつゆっくり見ながら声をかける。


「えへへ」


 ユウトはとても嬉しかった。


   ◇


 朝ごはんを食べ終わると。


「わふっ!」


 わんわんがお外で遊びたそうだ。

 でも。


「もうちょっとまっててね。わんわん」


 ユウトはお庭のわんわんに声をかける。


「ボク、おにいちゃんだから」


「マイカたちともあそばなきゃ」


「わふぅー」


 少し残念そうなわんわん。

 でも。

 分かってくれたみたいだ。

 終わるの待ってるよ。

 って言ってくれてる気がした。

 さすがわんわんだ。


 わんわんは。

 お庭で。

 ぺたんっ。

 と座り待ってくれた。


「わんわんもまってくれるの?」


「わふっ!」


「ありがとう!」


   ◇


 リサが遊びに来た。


「ユウト、こんにちはー。遊びにきたよー」


 と言うとユウトにあいさつするも。

 すぐ脇を通りすぎ。

 二人の元に。


「キャー、マイカちゃん。とっても可愛いぃ」


「きゃー、アイナちゃん。美人さんになるわねぇ」


 リサも二人に会う度に。

 にっこり。

 とっても楽しみみたいだ。

 でも

 二人は今日もすやすや。


「なんて寝顔もかわいいのー!」


 リサは目をきらきら。


「さわってもいい?」


「うん、大丈夫よ。なでなでしてあげてね」


 お母さんが優しく言う。

 ユウトも胸を張り。


「リサ、おこさないようにね」


「うん、大丈夫。任せといて」


 リサはこくんと頷き。

 右手を伸ばし、指先で。


 そっと。


 小さな手に触れた。


「わぁ、やわらかぃ。ふにふにしてるわ。それに、とっても小さいね」


 ユウトもうれしそう。


「かわいいでしょ!」


「うん!」


「すっごくかわいい!」


   ◇


 その時。

 アイナが。


 ふにゃ。


 と小さく泣いた。


「あっ!」


 ユウトは慌てる。


「どうしよう!」


 リサも慌てる。


「どうしよう!」


 お母さんは笑った。


「ふふっ、大丈夫よ」


「アイナは、お腹が空いたのかなー」


「マイカは、抱っこしてほしいのかなー」


「そうなの?」


 ユウトは考える。


「じゃあ、ボクは、よしよしするね」


 お母さんに教えてもらいながら。

 頭をなでなで。

 そしておふとんの上から。

 とっても優しく。


 とん。

 とん。


 優しく叩く。


「だいじょうぶ」


「だいじょうぶ」


 アイナは安心したように。


 また眠り始めた。


「わっ、アイナまた、ねむったよ」


 ユウトは大喜び。


「ボクもできた」


「うん、とっても上手だったよ。いいお兄ちゃんね」


 お母さんは嬉しそうだった。


   ◇


 午後。


 ガンツたちも遊びに来た。


「おぉ、この双子ちゃんがユウトの妹かぁ。ユウトよかったなぁ」


 ガンツは、わははと嬉しそうに笑いながら、目をキラキラする。


「とっても小さくて可愛いですねー!」


 ミックはそういえば!と手をぽんと叩き。


「双子は珍しいらしいですよ」


「へぇ、そうなのー?」


 ポルンはマイカとアイナを見ながら。


「お腹はまだ空かないのかなぁ」


 ポケットからお菓子をを探してる。


「ふふふっ、ポルンくん。まだ赤ちゃんはお菓子食べれないのよ。気持ちだけでいいわ」


 お母さんはうふふと笑いながら。

 みんなとわははっと笑った。


「マイカとアイナ。ボクのいもうと」


 ユウトは楽しそう。

 常に顔がにこにこ笑ってる。

 みんなも釣られて笑う。


「ちゃんとお兄ちゃんしてるな」


 ガンツがユウトの頭をガシガシ撫でながら言った。


「うん!」


「だって。ボク、おにいちゃんだもん」


   ◇


 夕方。

 みんなが帰ったあと。

 お母さんは少し疲れたように目を閉じた。


「ユウトー、少しだけお願いしてもいい?」


「うん、いいよ」


「マイカとアイナを見ていてくれる?」


「まかせて」


 ユウトは真剣な顔でうなずいた。

 お母さんは安心したように眠る。

 ユウトは。

 二人のおふとんの横へ座る。


「ボクがいるからねー」


「だいじょうぶだよー」


 マイカとアイナは。


 すやすや。

 すやすや。


 気持ちよさそうだ。


   ◇


 お部屋は静かだった。

 聞こえるのは。

 二人の小さな寝息。


「すぅ」


「すぅ」


 ユウトは。

 二人のおふとんを。

 そっと整える。

 寒くないように。

 暑くないように。

 やさしく。

 やさしく。


「おふとんって、きもちいいよね」


「だから、いっぱいねむってね」


 マイカも。

 アイナも。

 気持ちよさそうに眠っている。

 その姿を見ているだけで。

 ユウトも自然と笑顔になった。


   ◇


 お庭では。

 春の風が花を揺らしていた。

 去年の春。

 わんわんに出会って。

 みんなとも仲良くなって。

 いっぱい遊んで。

 夏には。

 みんなで笑って。

 たくさん遊んで。

 不思議な経験もして。

 秋には。

 たくさん食べて。

 小人にもあって。

 失敗もして。


 冬には。

 雪でいっぱい遊んで。

 ゆきりんとも友達になって。

 大切な妹たちが産まれた。


 そして今


 春。


 ユウトは。


 二人の妹のお兄ちゃんとしてがんばっている。

 いっぱい、いーっぱいお兄ちゃんしてる。


「マイカ」


「アイナ」


「いっぱいあそぼうね」


「いっぱいわらおうね」


「ボクがずっと」


「まもってあげるからね」


 二人は眠ったまま。

 小さく微笑んだように見えた。

 その隣で。

 ユウトも目を閉じ。

 同じふとんに入って。

 うにうにする。

 その日。

 世界で一番やさしいお兄ちゃんが。

 また少しだけ。

 大きくなった。

 今日も世界は。

 おふとんで『うにうに』するだけで。

 とても平和だった。


 そして、明日もきっと。

皆様、ここまで読んでいただきありがとうございました。


エンドロールも兼ねたその後の世界。閑話も楽しんでいただけたら幸いです。


本当にご覧いただきありがとうございました。

それでは、またどこかで!

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