プロローグ2
受験やらなんやらで忙しくて全然書けなかった(泣)
これからも、4月の慌ただしさに負けそうです。
おそらく超不定期更新になります。
字数もいい加減です。
「んっ……」
ソファーから体を起こす。
少し固まった体をほぐしながら、欠伸をする。
懐かしい夢を見た。
……あの先生は今何をしているのだろうか。
机の上にある酒やなんかを片付けながら、床の上で寝てる男どもを起こしてく。
もう時計の短針は10を指しており、一般の学生やサラリーマンなら学校や職場へ行っている時間だ。
そういう俺は、高校生なのに家にいる。
それも、友人の家だ。
階段を下りる音が聞こえてくる。
おそらく、客間で寝てた女子と自室で寝てた家の持ち主が降りてきたのだろう。
未だに起きない男どもを蹴飛ばしながら、机の上を片付けていく。
「頭痛い~フラフラする~」
先に入ってきたのは女子の方、微風 楓だ。
身長は確か……152くらいだったか?そんなもんで、スタイルはいい方、足は長いし頭は小さい。胸もそれなりにある。聞いたことはないけど、Cカップくらいだろう。
髪の毛はストレートのロングで茶髪。俺と違い、染めたらしい。
簡単に言うと可愛いってことだ。
……他意はないぞ?
本当だかんな?
なんかイラつくので、近くにいたほうの男の頭をグリグリ踏んでやる。
「楓は飲みすぎだよ。何本開けたと思ってるの?」
後から入ってきたのがこの家の持ち主、鈴木 未央だ。
背は楓より少し高いくらい、まあ似たようなもんだ。スタイルは完璧。ボンッキュッボンって感じ。Fくらいあるんじゃないか?
髪の毛は金髪のちょっとパーマかけた感じ。
こいつの両親は共に夜の仕事に着いていて、夜は基本家にいない。
だから今回みたいに夜、パーティーがしたかったらコイツんちに集まってそのまま泊まる。
「痛い!痛い!もう無理!!我慢できん!!リュウ!!足どけろ!!」
んで、この叫んでるのが、佐々木 悠真だ。
背の高さは俺よりも高く、182くらいだった筈。体脂肪率9%くらいの痩せマッチョだ。
俺らの中で、一人だけ髪が黒い。
「うるさいよ悠真。こっちは二日酔いで頭が痛いのに。それと、おはよう楓と未央」
いま起きたのが、不知火 陽輝だ。
背は俺と同じくらい、176くらい。こいつも痩せマッチョ。てか逆に俺らの年で痩せマッチョじゃない奴は、ほとんどゴリマッチョかデブの2択だ。
こいつは金髪。
俺の記憶が正しければこいつは乙女ゲームに出てきていた筈だ。
すんげぇ軟派なやつで女の子にいっぱい手を出してたんだが、主人公が転校生として転校してきてから女の子に手を出さなくなるって話だった。主人公はこいつの元カノの修羅場に巻き込まれてくって感じ。
結論:賛否両論分かれるキャラだった。
んで、俺こと神宮リュウ。
まあ、普通にイケメン君に育ったわけなんだが、ちょっと中学の時に色々あって…………不良になっちゃった。
俺も陽輝も乙女ゲームの方では不良ではなかったんだけど、中学の時の噂が高校でも広まってて、友達も普通に不良な乙女ゲームでは苗字すら出てこなかった三人と仲良くすることになったわけだ。
…………郷に入れば郷に従えっていうか住めば都っていうか。ぶっちゃけ慣れちゃって、学校に遅刻しても先生ははビビって怒らない。夜寂しかったら未央に頼めばやらせてくれたりもする。楓の方は意外とガードが硬かったりする。
要するに、不良でいてあまり悪いことはないわけだ。そりゃ生徒指導の教師とかには目をつけられてるし、普通の生徒は話しかけてきすらしないけど、成績さえ悪くなきゃ意外になんとかなる。
毎日五人で夜遅くまで遊び(陽輝は女の家に泊まりに行くことがよくある)未央の家に泊まる。寂しかったら未央に相手してもらうか、適当に女を引っ掛ける。
いや~ホント毎日が楽し――――「プルルルルルルルル、プルルルルルルルルル」携帯が鳴り出した……。
「リュウ、あなたの携帯鳴ってるよ」
未央が机の上にある俺の携帯を指差しながら言ってくる。
「ヒュ~。毎度毎度ご苦労さまだね~妹ちゃん。さながら出来の悪い兄に苦労する心優しい妹って感じだね。いやそのまんまか」
悠真が言う通り、この着メロは妹からだ。
これは恒例行事と化しており、朝帰りどころかそのまんま二泊しようとしてる俺をせめて一泊で連れ戻そうという妹からの怒りの電話だ。
「茶化してんじゃねぇよ悠真。こっちは死活問題なんだ」
そう言いながら俺は電話を取る。
この時一回で電話に出ないと大変なことになる。
……妹が大泣きして部屋から出てこなくなるのだ。
両親は俺に丸投げ、四人は妹のことを一方的に気に入ってる(妹はこの四人が嫌い)ので、妹が部屋から出てくるまで泊めてくれないし、遊びもしない。それどころか、他の奴らを捕まえて遊ぼうとしたらめっちゃ怒られた。
五回くらい失敗してからは、さっさと出るようにしてる。
「もしもし?」
「もしもしお兄ちゃん?」
「朝っぱらからなんだ?」
「今どこ?」
「今は未央の家にいるけど……お前メリーさんみたいだな」
「また!?も、もしかしてまた寂しいとか言ってあんなことやそんなことをしたの!?」
「はぁ?今日はただの酒パ(※20歳未満の飲酒は犯罪です)だよ。そりゃ酔った勢いで胸ぐらいなら触ったかもしんないけど、今日は男女別々に寝たし」
おいそこの金髪。男のほうじゃねぇ、女のほうだ。顔赤くしてるんじゃない。何がお尻も触られただ。細かいこと気にするな。
「お兄ちゃんまたお酒飲んだの!?お兄ちゃんまだ16でしょ!?ダメだよ!!」
五月蝿いので、携帯を耳から話す。
「今すぐ帰ってきて!!帰って来たら説教だからね!?わかった!?今すぐだよ!?」
……電話が切れた。
それにしても、あいつ声大きすぎだろ。耳から5cm離してても五月蝿く聞こえるって……。
「じゃあ、俺帰るわ。お前ら学校どうする?今日って開会式だからもうすぐ終わるけど」
持ってきた荷物を片付けながら聞くと、
「俺はパス~二日酔いで頭痛ぇのにんなもん行ってられるか」
悠真はパス。
「私はリュウが行くなら行く」
未央は俺に任せると。
「私は行くよ~学校の友達にも挨拶したいし」
楓は行く。
「僕も行くつもりだよ。なんか今日は行ったほうが良い気がするんだ」
陽輝は行くっと。
そりゃそうだ。行ったほうが良い気がするわさ。今日は乙女ゲームの主人公が俺らの学校に転校してくる日だ。
「俺も帰ったら妹にたたき出されそうだ」
「んじゃ、俺だけパスな」
「それじゃ学校で」
「「「了解~」」」
「妹と仲良くしろよ~」
「できたらな」
二三言、言葉を交わしてから未央の家を出る。
ここから俺の家までは自転車で10分くらい。
さあ、帰って妹に怒られようか。