狂気とその裏
今回改行しまくってみました、いかがでしょうか?
ナトカはマージに躊躇いなく銃を向けるがマージは冷や汗一つかかずに続けた。
「現在私はガードナーがクレ社に依頼し、このコロニーに持ち込んだとある兵器を追っています」
「とある兵器とは何だ?」
銃を向けているナトカの疑問に顔すら向けずマージはノースに話し掛ける。
「その兵器は重力下での運用を想定されたものらしく、近々このコロニーでテストを行うとか」
「なるほど、軍が作らせた兵器を破壊するのを手伝えってのかい……言っとくがいくら俺が昔ガードナーを恨んでいたからって協力はしねえぞ」
ノースは首を横に振った。
(ガードナーを恨む……成る程な)
「貴様はガードナーに改造され、コネクターを付けられたのか」
顔と銃をマージに向けたまま、ナトカはノースに聞いた。
「昔の話だよ、嬢ちゃん。それに今じゃ恨んじゃいない、おかげでわざわざロックオンしなくても狙撃ができるんだからな。まあその分負担がかかって十五分以上スコープを覗くと死ぬんだが」
考えなくても非人道的だと分かるものだ。
「機体と一体化する事でよりダイレクトに動かす非人道的手術……あなたの存在はガードナーにとって邪魔でしかない。だから常に狙われている、違いますか?」
マージの言う通り、だからこそガードナーであるナトカがノースに近づいた時、ナトカは狙撃されたのだ。
一兵士に知られないように。
ノースは表情こそ変えないが否定しようともしなかった。
ここでマージの部下がナトカを狙撃したと思わしき人間を連れてきた。
既に死んでいるが傷跡から見てナトカが撃った後、撤退しようとしてマージの部下がヘッドショットをしたのだろう。
「どうだ?ガードナーの女兵士」
マージはようやくナトカに声を掛けた。
死体を調べるとガードナーであることを示す物が見つかった。
「お前の所属しているガードナーはこういう事をする……分かるか?」
「……ならば何故わざわざ私を生かす?」
マージの言葉にナトカは疑問に思っている事を口にした。
「大方私を通じてガードナーへ不信感を抱いている人間を焚き付けるつもりなのだろうが、私は軍人だ。例え間違っていたとしても軍務において感情に身を任せるような真似はしない」
ナトカの今聞いた話がガードナー内で広まれば必ず亀裂が生じる。
そうなれば秩序は乱れ、多くの犠牲が出る。
そこにつけ込まれれば政府共々瓦解する。
「今回の事は報告こそすれど広めるつもりは私には無い。全ては私の上官次第だ」
ナトカは再び銃をマージに向け直した。
「それは残念。ま、今お前を殺しても旨みは無い……撤収させてもらう」
「いいだろう、私も見逃すとする」
両者とも不敵に笑い、マージ達はその場を去った。
「よかったのかい嬢ちゃん、逃がすような真似をして」
ノースの言葉に耳を傾けながらホバークラフト式のバイクにまたがるナトカは
「奴らは利用できそうだからな」
とだけ言って艦へと戻っていった。
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