重要っぽい話
更新遅れてすみません……
『青の涙』の人たちと別れ、宿に戻る。ティビアがいつものように話しかけてこない。少し変だと思う。
「何かあったの、ティビア?」
『とても大事なことを忘れていた。アランに僕の本当の姿を教えてなかった』
「化け猫、じゃなくて?」
『うん。まず、この国の歴史で伝わっていないからアランは知らないことがあるんだ。それから話そう。四百年前の出来ごとなんだけど……ドラゴンって知ってるよね?』
「もちろん」
『ドラゴンのほとんどは今から約四百年前に大量に生まれたんだ。ドラゴンだけじゃなくて、バジリスク、シーサーペント、レヴィアダンなんかの『災害獣』と呼ばれてる生物も、ほとんどが今から約四百年前に生まれた。まあ簡単に言うと、四百年前は『化物大量発生時代』だったっていうわけ』
「それとティビアがどう関係するの? ひょっとして、その四百年前にティビアは生まれた。とか?」
『ご明察通りだよ。その『化物』の中でもボクはかなり強かったんだ。で、話を戻そう。ボクは化け猫なんかじゃない。存在するだけでこの国くらいなら滅ぼせる、キュウビっていう『災害獣』なんだよ』
「わかったけど……どうしていきなりそんな話を? 話したところで意味ないんじゃない?」
『精霊使いの女の子が、今日アランの会った冒険者の中にいた。彼女はひょっとしたらボクの正体に気が付いているかもしれない。他人が知っててご主人様が知らないのも変だと思うから、今話すことにした。
そしてもう一つ……もし今回の依頼に本当に土竜が出てくるんだったら、あの冒険者たちや今の君では勝てない。土竜の恐ろしさは、土竜が暴走したときに初めて現れる。暴走した土竜からアランを守るときは、本来の姿を出さないといけなくなるから、その時のことも考えて今話をしておいた。言っとくけど、本来の僕の姿は今の僕とは似ても似つかないからね』
「わかった。教えてくれてありがとう」
『よかった、アランに『死ね』とか命令されるかもしれないなって思ってて、少し怖かったんだよ』
「そんなこと言うわけないじゃないか」
『アランは優しいね』
ティビアがしっぽをぴょこぴょことさせている。まるで、喜んでいる犬のようだ。
『じゃあアラン、ゆっくり寝られるのはずいぶん先のことになるだろうから、よく寝るんだよ。おやすみ』
「おやすみ」
ティビアは丸まってそのまま目を閉じた。どうやら寝たみたいだ。
『わが主よ、一度外に出る許可をいただけませんか』
エルダーリッチの声が聞こえた。
「いいよ」
『感謝いたします』
エルダーリッチが現れる。前よりもローブが豪華になっている気がする。
「ローブ変えたの?」
「はい、主が強くなられたため、私どもの力も上がりました。その影響かと……」
「なるほどね。で、僕に何か話がありそうだけど……」
「ええ、私の扱える魔法を主も使えるようになっているかと思われます。それについてお話をさせていただきたく思います」
そういえば、前に証明書を作った時よりも使える魔法が増えていた気がする。
「わかった。じゃあ、何が使えるのか話してもらってもいいかな?」
「はっ。まず、主が以前よ使われていた魔法について、失礼ながら調べさせていただきました。其のうえで、新しく使えるようになられたであろう魔法についてお話いたします」
「続けて」
「まず、各属性攻撃魔法の最上位魔法、炎最上位の『ナパーム』氷最上位の『アイスブラスト』風最上位の『サイクロン』土最上位の『ダイアモンドウォール』が使用可能になりました」
名前で大体の魔法の効果がわかる。
「続いて、ゴーレム、アイアンゴーレム、プラチナゴーレム、フレイムゴーレム、アイスゴーレム、ダイアモンドゴーレムの召喚が可能になりました。他には、ファイアーエレメンタルも召喚が可能になりました」
召喚系魔法はかなり強化されているみたいだ。ゴーレムは耐久力がかなりあるため、召喚できるようになってかなりうれしい。
「最後に、フライの魔法により空を飛ぶことができるようになりました。そのため、場合によってはかなり有利な戦闘ができるかもしれません。また、グラビティボールという魔法も使えるようになっているかと思われます。簡単に言うと、重力の球を放つ魔法です。あと、全体的な魔法の威力は上がっているかと思われます。私は火力系魔法が得意ですので……」
「話は以上かな?」
「はい。お時間をとってしまい、申し訳ございません」
「大丈夫だよ。じゃあ、帰還してください。そして、おやすみ」
「はい、おやすみなさいませ」と言ってエルダーリッチは消えた。とにかく、明日からが大変そうだ。ゆっくり休もう。
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